2006/05/21

青山高原ウィンドファームに風車が林立するその理由


青山高原のエアーショット
 

出典(青山高原ウィンドファームが出しているパンフレットから一部抜粋)


青山高原ウィンドファームははじめに久居榊原風力発電施設として久居市(現・津市)が設置したものである。上の写真では赤い丸がついているものだ。NKK (現JFE)が建設、その電力は中部電力に販売された。この写真には見えないがこの左側に自衛隊の笠取山レーダーl基地があり、そこへ繋がる送電線へ途中 でつなぐことで建設が可能jとなった。 これについては以前書いたものがあるので、ご覧いただけば思う。 http://trust.watsystems.net/aoyama-huriki.html 但し、ここは、室生赤目青山国国 定公園の一部ではあったのだが、県知事の認可によって可能となった。その後の国内各地での国定公園などへの建設をすすめる先例となった。

2001年08月24 日
保安林解除申請に関する審議会の結果について
森林保全課
青山高原風力発電施設設置に係 る保安林解除案件

青山高原風力発電施設設置に係る保安林解除申請があり、国(林野庁)に送 付するため、森林審議会に諮問しましたところ、森林審議会森林保全部会が8月24日(金)に開催され、「青山高原ウインドファーム整備事業は、地球温暖化 対策としての新エネルギー導入促進を図るものであり、本事業に係る保安林解除については、やむを得ないものと認めます。」との答申がありました。


その後、この尾根筋の手前側で新たに20基の風車が建設された。これは久居市(現・津市)、大山田村(現・伊賀市)、(株)NKK(現・JFE)、(株) シーテックなどにより設立された第三セクターによる。HPはhttp://www.awf.co.jp/  にある。

さて、問題はこの風車の間隔にある。普通、風力発電機は隣の風車の影響を受けない2Dとか10Dとか(風車の直径の2倍から10倍)の間隔を空けて建設さ れるものだ。NEDOの風力発電導入ハンドブックのには書かれている。

http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/pamphlets/dounyuu/fuuryoku.pdf  94ページから

複数台の風車を設置する場合、風車の配置は当該地域の卓越風向を考慮し て決定する必要がある。風車の風下に形成される風況の乱れた領域はウェーク領域と呼ばれ、この領域に風車を設置した場合、エネルギー取得量は大きく減少す る。ウェーク領域は風向と直角方向に3D(D:ロータ直径)、風下方向に約10D 程度であることが、実験や実測により確かめられている。したがって、複数台の風車設置を対象とするときには、これらのウェーク領域に設置地点が入らないよ うにすべきである。具体的な配置例としては、図5.1-12 に示すように、卓越方向が顕著に出現する地域では10D×3D、顕著な卓越方向が出現しない地域では10D×10D の風車間隔を目安とすればよい。

直系50mの風車であるから最低でも150mは隣の風車との間隔が無ければならないことになる。しかし、この写真から見ると分かるようにどう見ても50m の距離も開いてない風車が林立しているのだ。実際に何度か見に行ったのであるがなんとなく見苦しい。最低でも2Dから3D離して建てるならどんなに多くて も15 本が限界だろう。それが20本も建っているのだからね。

この見苦しい風車の建ったその理由は何処にあるのか・・・。

これは、風力発電を本当に発電効率を考えないで作っていることの証拠ではないのかな・・・。

数年前にこの発電施設が出来るということを聞いたので、大山田村に取材に伺った。(実は、わたしの実家が今、ここにある)で、そのときの企画課長氏 が「実際には私たちは何も分からないのです よ。具体的な経営はNKKとシーテックから来ている人たちがやっています。まあ、儲からなくても環境に良いことなら良いじゃないですか。補助金も半分出る ことですし・・・」と話されたのだ。

はっきり言って私、呆れてしまった。この言葉がすべてを表しているんですよ。シーテックはこの発電所から電力を買う企業=中部電力の子会社、NKKはここ に風車本体を 売った会社。

もっと詳しく利害関係を言うと、中部電力はここからの電力を出来るかぎり安く買いたい会社で、出来れば、不安定な電源である風車からの電力は拒否したいと考えている。そし て、NKK(現JFE)はここへ風車を出来るだけ沢山売りたかった会社で、 その後もそこそこメイテナンスとかで生かさず殺さずお金が入ってくればいいと考える会社だ。

そして、本来なら51%の株式を保有し、その利益を地域に還元すべき自治体が「何もわからんのですわ」とのたまうのだから、こないなおいしい話はそうそう 有るものでは無い。

ここの風況は実に良い。おそらく、ちゃんとやったら高収益を上げる優良事業になるだろう。(別に、儲かるからと言って一般企業がすれば良いと言うものでは ない。公営企業でもまったく構わないのだ。それが地域住民のためにもなるのだから・・・)

しかし、それほど高収益を上げ得ないようになっている訳なのだ。(実は、上げてもらっては困るのだろう)それでも、上がってしまったから、シーテッ ク=中部電力自身が、隣の村で自分らだけで管理できる風力発電を始めることにしたのだ。全く電力資本と言うものは自分たちの利益だけしか考えていないの だ。これが日本を代表する電力会社という公益企業と言うものの本質なのだ。

と言う事で、電力企業自身が始める場合は・・・。

三 重の風力発電開始1年遅れに 鉄塔を独自開発 中電

http://www.chunichi.co.jp/00/thk/20040519/ftu_____thk_____003.shtml

 中部電力の子会社、シーテック(名古屋市)は十八日、三重県美里村で 計画
している風力発電所「ウインドパーク美里」の運転開始時期を当初予定の 二〇
〇五年四月から一年遅れの〇六年三月に変更する、と発表した。
 日本の気候や地形に合ったタワー(鉄塔)を独自開発するため。
 当初計画ではスペインの風力発電機メーカー製の発電機とタワーを購入 する
予定だったが、台風や地震など日本特有の条件を考慮。
 タワーの設置数を当初計画の十基から八基に減らすことを決めた。

さすが、電力会社、立派なもんだ。ちゃんと合理的に判断をするのだ。勿論、これは、RPS法での1.35%を効率的にクリアーするのに、一応、風力は自分 たちで抑えておこうとということなのだろう。が、自分らでやる時は、しっかり一番資金効率の良い方法を考えている。余分な風車は建てない。それも、一番投 資効果の高い方法で作ろうとしている。


2006/06/18

本日また、青山高原へ上がってみた。電力関係に詳しい方をお連れした。風向は南南西から吹いていたのだが、隣の風車と3D(直径の3倍)ない風車の様子 は、後ろの風車がやはり、前の風車に風を奪われて、回転速度が落ちている。

どうも10本多い。半分で良いだろう。その10本をより南側へと立てるのが妥当だろう。というのが二人の一致した意見であった。