朝日新聞96/7/25 夕刊 「窓」 解説委員室から
太陽を買う』

市営サッカー上の屋根は、きらきら輝いていた。南側一面に出力100キロワットの太陽光発電装置がのっている。設備の持ち主は、200人のフライブルグ市民だ。一口約70万円で出資している。起きた電気は公共の回路に送り込まれ、市エネルギー・水供給公社が買い上げる。

出資者は発電量に応じて配当を受け取る。利率に換算すると年二、三%だから、儲かるとはいえない。しかし、借家で装置が付けられない人や、単独でつけるには高すぎるという人に喜ばれている。ふところに合わせてクリーンなエネルギーを提供できるからだ。

こんなやり方を思いついたのは、もと住宅メーカーの営業マン。10年前、自宅に太陽光発電装置をつけたのがきっかけで、転職してソーラーエネルギーの普及に力をそそいでいる。企業と交渉して、無料で屋根を提供して貰う。一方で市民から出資者を募る。こうして大手出版社、学校、銀行などの屋根に着々と太陽光発電装置をのせてきた。

人口20万人。ドイツ南西部の観光地、黒い森のすぐそばにあるフライブルグ市は、環境都市として知られている。太陽を生かすユニークな政策から、ソーラー首都とも呼ばれている。

1970年代初め、市の森とブドウ畑の間に原子力発電所を建設する計画がもちあがった。市民は老いも若きも反対運動に立ち上がった。86年、チェルノヴイリ原発事故のあと、市議会は、とうとう原子力経済からの脱却を宣言した。

ベーメ市長は「環境を視点にエネルギー自給をめざしたい。小さな自治体の革新的試みが、国のエネルギー政策を動かす時代です」と胸をはる。

たたかいを通じて市民一人一人がわが町や地球についてかんがえた。その深い思いが、屋根の上で実を結んでいる。


この文章は朝日新聞の夕刊の窓欄に掲載されていた内容です。です。本当は、この内容がずっと公開されていれば、そこへ、リンクを張るつもりだったのですが、残念ながら、毎日更新されてしまう為、ご覧いただけません。そこで、ここに、勝手に、転載させて頂きました。(朝日新聞さん御免)

 こうした引用?についての朝日新聞の著作権についての見解

でも、私、思うんです。これって、おかしいのではないかしら?情報の共有化を目指すべきインターネット上で旧来の知的所有権を主張し、情報の囲い込みを図ろうとするなんて進歩的?な朝日新聞らしからぬ見解を展開しているなって・・・。そもそも、新聞は公器であって、それを取材して紙に印刷するところまでで十分ペイするようにしているでしょうに・・・。それを将来的にデータベースにしてお金儲けを考えるために囲う込もうとしているなんておかしい!