== 【改訂版】 CNIC Energy News  3 =============
1998年5月9日
CONTENTS
・政府の審議会メンバーチェック
 
*このニュースは、日本のエネルギー政策の状況を広く知らせるために、ご希望の方にお送りしています。必要でない方や新たに受け取りたい方は、<cnic-jp@po.iijnet.or.jp>までご一報下さればすぐに対応します。また、英語版も近日中に出す予定です。何かに引用なさるときは、必ずCNIC Energy News の明記をお願いいたします。
 
原子力資料情報室 大林ミカ
e-mail: <cnic-jp@po.iijnet.or.jp>, phone:03-5330-9520, fax:03-5330-9530
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政府の審議会メンバーチェック

 昨年12月のCOP3が終わった直後から、日本政府は、京都で合意された議定書で定められた日本の目標値を達成するために、審議会などでの議論を通してさまざまな動きを続けている。原子力資料情報室では、比較的重要だと思われる審議会には、参加し傍聴を重ねている。審議会のメンバーの選考過程は全く不透明で、産業界の利益を代表する委員が多くを占める結果となっている。市民からの意見はほとんど生かされないのだが、傍聴することすら、わたしたちにとっては容易なことではない。平日の昼間に行われ、開催の情報さえコンピューターを通じてくらいしか公表されない審議会に参加できるのは、限られた人々だけである。この議論の過程を公開と呼び、それによって公衆の承諾を得ているかのように振る舞う政府の姿には非常に問題がある。さらに、その様子を、政府の決定事項のように伝える、あるいは一部の情報しか伝えない(伝えられない)マスメディアのシステムもおかしい。この見聞録が、エネルギー問題に関心を持つ人々に、少しでも多くの情報を伝えることができればよいと思う。

 電力政策に関する審議会は、細かく見ていけばかなりの数に上る。原子力関係のものなど、それぞれの問題については、折に触れて紹介することにして、このニュースレターでは、主に、日本の電力政策の大まかな流れが議論されているものとして、電気事業審議会、電気事業審議会基本政策部会、電気事業審議会需給部会、総合エネルギー調査会、総合エネルギー調査会基本政策小委員会、総合エネルギー調査会需給部会などをとりあげることにする。今回は、第1回目として、審議会のメンバーがどのように重なっているのか、つまり結局は同じ面々によって日本の政策が議論されている、という問題を提起したい。

 この区分けを見ると、特定の利益供与団体が、重複して審議会の委員となっていることがわかる。例えば東京電力は、すべての審議会に出ており、毎回自社の理論を展開している。それは、「原子力の基幹エネルギーとしての一層の推進」や「再生可能エネルギーがいかに普及しにくいか」などである。その場合に、肩書きからすれば反対の論をはるべき新エネルギーの開発を行っている新エネルギー・産業技術総合開発 機構(NEDO)からの代表者も原子力推進なのであるから、有効な反論はない。唯一、市民寄りの代表といえる主婦連合会などからの代表者が、原発の推進に疑義を差し挟むだけ、という構造になっている。

 審議会の進行法は、ほとんどは事務局(この6つの審議会では通産省・資源エネルギー庁)が出してきたペーパーに対して委員が意見や質問を交わし、それを受けて事務局が基本となるものをまた作り上げていく、というやり方である。審議会の相関関係も複雑に連携しており、審議会を追えば追うほど、果たしてどこが意志決定をしているのか、逆に次第にみえなくなってくる。審議会での議論や意見も、もちろん事務局が取り入れるものと取り入れないものと両方あり、結局は、省庁の一握りの官僚達が本人には自覚のないままにこの国の政策を決定してしまっていることがわかる。
 

ここでは、6つの審議会および部会を以下のマークで整理した。

電気事業審議会■
電気事業審議会基本政策部会・
電気事業審議会需給部会◆
電気事業審議会需給部会ワーキンググループ○

総合エネルギー調査会●
総合エネルギー調査会基本政策小委員会」
総合エネルギー調査会需給部会委員、

 それぞれの審議会で配られた資料に基づいて肩書きを書いてあるので、同一人物でも若干肩書きが違う場合がある。また、同じ会社の社長と副社長というような関係の場合は、同一利益団体とみなし、マークを並列した。この6つの審議会以外にも多くの審議会がある。その他の審議会と重なっている人物も多くいるが、今回は指摘しなかった。(また、原子力推進団体の代表者および確信的に原発推進の言動を繰り返している人物には☆をつけた。実際には、☆以外でも原子力推進の言動を繰り返している人がほとんどなのだが、今回は、明らかに職業的に原子力推進に深く関わっている人々を指摘した。)

電気事業審議会、基本政策部会、需給部会

 電気事業審議会では、電気事業に関する重要事項を調査審議している。 

 基本政策部会では、電力事業の再構築が話し合われている。「自由化論者」対「今までのルール支持者」のカンカンガクガクの議論となっている。ここでは、事務局(通産省)は「自由化派」であり、電力側と対立している。5月27日に、報告が出され、その後はワーキンググループでの作業に移る。

 需給部会では、現在は、長期エネルギー需給見通しの電力についての部分が話し合われている。しかし、実際は、すべてワーキンググループが議論を詰めており、その作業はまったく非公開である。この部会は、1月に開かれてから4ヶ月は休止して、ワーキンググループの報告を待っているのである。

公開された部会では、ワーキンググループの任命は委員長に一任とされ名前も公表されなかったが、その日付の業界紙(1998年1月27日付け「電気新聞」)に先ワーキンググループのメンバーの名前が公表されていた。まさに審議会がお飾りにすぎないことを象徴しているような出来事である。なお、5月8日、ワーキンググループの報告が出る予定である。
 

電気事業審議会委員名簿■
<会長>
 今井 敬    新日本製鐵社長・」、(◆副社長、○経営企画部長)
<会長代理>
 小松 國男  石油公団総裁●・◆
<会長代理>
☆荒木 浩   東京電力社長●・◆」、(○企画部担任)
☆植草 益   東洋大学教授・◆
☆金井 務   日立製作所代表取締役社長◆
☆木元 教子 評論家●・◆、
☆河野 光雄 内外情報研究会会長・◆」、
☆杉山  弘  電源開発社長・◆(●」顧問、○企画部長)
☆寺田 二郎 全国電力関連産業組合総連合会会長・(◆事務局長)
☆松本 善臣 日本興業銀行取締役副頭取・◆、(●会長)
☆関根 泰次 東京理科大学教授・◆
  中村 紀伊 主婦連合会参与・◆(、副会長)
  新村 保子 住友総研主席研究員・
  浜渦 昭男 全国ガス労働組合連合会中央執行委員長◆
  森   英雄 住友化学工業会長・(」、社長)
 

電気事業審議会基本政策部会・
<会長・部会長> 
 今井 敬     経済団体連合会 副会長(新日本製鐵社長)■」、(◆副社長、○経営企画部長)
<会長代理>
 小松 國男   石油公団総裁■●◆
<委員>
☆秋山 喜久  関西電力社長
☆荒木   浩      東京電力社長■●◆」、(○企画部担任)
  安西 邦夫  東京ガス社長◆(●」、会長、○総合企画部長)
☆植草  益   東洋大学教授(前東京大学経済学部教授)■◆
  上島 重二  三井物産社長
  大澤秀次郎 日本石油社長◆
☆太田 宏次  中部電力社長(○燃料部長)
☆大橋 光夫  昭和電工社長
☆鎌田  勲   現代政策研究所会長
☆木元 教子  評論家■●◆、
☆熊野 英昭  産業研究所顧問
☆河野 光雄  内外情報研究会会長■◆」、
☆五代利矢子 評論家
☆末次 克彦  アジア・太平洋エネルギーフォーラム代表幹事」、
☆杉山  弘   電源開発社長■◆(●」顧問、○企画部長)
  鈴木 敏文  イトーヨーカ堂社長
☆関根 泰次  東京理科大学工学部教授■◆
☆高須 司登  中国電力社長
  鶴田 俊正  専修大学経済学部教授
☆寺田 二郎  全国電力関連産業労働組合総連合会会長■(事務局長ヲ)
  中村 紀伊  主婦連合会参与■◆(、副会長)
  南部 鶴彦  学習院大学経済学部教授
  新村 保子  住友生命総合研究所生活部長■
  橋本  昌   茨城県知事
  八田 達夫  大阪大学経済学部教授
☆松本 善臣  日本興業銀行副頭取■◆、(●会長)
  森   英雄  住友化学工業会長■(」、社長)
 

電気事業審議会需給部会◆
<委員長> 
  小松 國男  石油公団総裁■●・
<委員>
☆秋山  守   エネルギー総合工学研究所理事長」
☆荒木  浩      電気事業連合会会長(東京電力社長)■●・」、(○企画部担任)
  安西 邦夫  東京ガス社長・(●」、会長、○総合企画部長)
  安藤 勝良  石炭エネルギーセンター理事長
☆岩崎 八男  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)理事長●」、
☆植草  益   東洋大学教授(前東京大学経済学部教授)■・
  内田 茂男  日本経済新聞社論説委員、
  大澤秀次郎 石油連盟副会長(日本石油社長)・
☆金井  務   日立製作所代表取締役社長■
☆木元 教子  評論家■●・、
  栗田 幸雄  福井県知事
☆黒田 昌裕  慶應義塾大学教授●」、○
☆河野 光雄  内外情報研究会会長■・」、
  小林 敏峯  マイカル代表取締役会長
☆杉山  弘   電源開発社長■・(●」顧問、○企画部長)
☆関根 泰次  東京理科大学工学部教授■・
  田中 里子  東京地域婦人団体連盟常任参与
☆妻木 紀雄  全国電力関連産業労働組合総連合会事務局長(■・会長)
  中村 紀伊  主婦連合会参与■・(、副会長)
  浜渦 昭男  全国ガス労働組合連合会中央執行委員長■
☆松田  泰   原子力発電技術機構理事長
☆松本 善臣  日本興業銀行取締役副頭取■・、(●会長)
  森田 明彦  毎日新聞社常勤監査役
  矢野 恒夫  電気化学工業社長
  吉井  毅   新日本製鐵副社長(■・」、社長、○経営企画部長)

電気事業審議会需給部会ワーキンググループ○
<委員長>
☆黒田 昌裕 慶應義塾大学商学部教授●◆」、
<委員>
  市野 紀生 東京ガス取締役総合企画部長(・◆社長、●」、会長)
☆太田  元  経済団体連合会参与
☆大山 正征 東北電力理事企画部部長
☆勝又 恒久 東京電力取締役企画部担任(■●・◆」、社長)
  河瀬 一治 敦賀市長 
  西川 正純 柏崎市長
☆十市  勉  日本エネルギー経済研究所理事、(」●理事長)
☆中垣 喜彦 電源開発取締役企画部長(■・◆社長、●」顧問)
☆長屋 誠一 電気事業連合会理事事務局長(■●・◆」、会長)
  中谷 道彦 大口自家発電施設車懇話会理事長
☆牧田  洋  中部電力取締役燃料部長(・社長)
  正田 英介 東京大学工学部教授
  宮本 盛規 新日本製鐵取締役経営企画部長(■・」、社長、◆副社長)
☆山地 憲治 東京大学工学部教授
 

総合エネルギー調査会、基本政策小委員会および需給部会
  
 総合エネルギー調査会は、エネルギーの安定的、合理的な供給の確保に関する総合的長期的な施策についての重要事項の調査審議などを行っている。現在は、需給部会 が、日本のエネルギー政策の柱となっている「長期エネルギー需給見通し」(最新版1994年6月)の改訂作業中である。

総合エネルギー調査会●
<会長>
☆茅  陽一   慶應義塾大学教授」、
<会長代理>
☆杉山 和男  電源開発顧問」(■・◆社長、○企画部長)
☆荒木  浩   電気事業連合会会長(東京電力社長)■・◆」、(○企画部担任)
☆生田 豊朗  (財)日本エネルギー経済研究所理事長」●(、○理事)
☆出光 裕治  石油連盟会長(出光興産社長)」、
☆稲葉 興作  石川島播磨重工業代表取締役会長
☆岩崎 八男  新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長」◆、
☆木元 教子  評論家■・◆、
☆黒沢 洋   (株)日本興業銀行代表取締役会長(■・◆、副頭取)
☆黒田 昌裕  慶應義塾大学商学部教授◆」、○
  小松 國男  石油公団総裁■・◆
☆近藤 駿介  東京大学大学院工学系研究科教授、
☆丹治  誠   日本開発銀行副総裁
  中西 準子  横浜国立大学環境科学研究センター教授」
  原田  正   日本石炭協会会長
  渡邉  宏   (社)日本ガス協会会長(東京ガス会長)」、(・◆社長、○総合企画部長)
 

総合エネルギー調査会基本政策小委員会」
<小委員長>
☆茅  陽一   慶應義塾大学商学部教授●、
<会長代理>
☆杉山 和男  電源開発株式会社顧問●(■・ヲ社長、○企画部長)
<委員>
☆秋元 勇巳  社団法人セメント協会副会長(三菱マテリアル社長)、
☆秋山 守       財団法人エネルギー総合工学研究所理事長ヲ
☆荒木 浩       電気事業連合会会長(東京電力社長)■●・ヲ、(○企画部担任)
☆生田 豊朗   財団法人日本エネルギー経済研究所理事長●(、○理事)
  出光 裕治   石油連盟会長(出光興産社長)●、
  今井 敬        社団法人日本鉄鋼連盟会長(新日本製鐵社長)■・、(◆副社長、○経営企画部長)
☆岩崎 八男   新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長●◆、
  大國 昌彦   日本製紙連合会会長(王子製紙社長)、
  尾松 伸正   JR東日本監査役
  片山 正夫   財団法人建築技術教育普及センター理事長
☆黒田 昌裕   慶應義塾大学教授●◆、○
☆河野 光雄   内外情報研究会会長■・◆、
  香西 昭夫   石油化学工業協会会長(住友化学工業社長)、(■・会長)
  笹森 清        日本労働組合連合会事務局長
☆末次 克彦   アジア・太平洋エネルギーフォーラム代表幹事・、
  辻  義文    社団法人日本自動車工業界会長(日産自動車会長)、
  中上 英俊   株式会社住環境計画研究所代表取締役所長、
  中西 準子   横浜国立大学環境科学研究センター教授●
  濱川 圭弘   立命館大学理工学部教授
  藤田 太寅   日本放送協会解説委員
  三村 光代   社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会副会長
  安原 正        財団法人環境情報普及センター顧問
☆山谷えり子   産経リビング新聞編集長、
  若井 紀        財団法人石炭エネルギーセンター副会長(太平洋興発社長)、
  渡辺 宏        社団法人日本ガス協会会長(東京ガス会長)●、(・◆社長、○総合企画部長)
 

総合エネルギー調査会需給部会委員会名簿、
<部会長>
☆黒田 昌裕  慶應義塾大学商学部教授●◆」○
<委員>
☆秋元 勇巳  社団法人セメント協会副会長(三菱マテリアル社長)」
☆荒木 浩    電気事業連合会会長(東京電力社長)■●・◆」(○企画部担任)
 出光 裕治   石油連盟会長(出光興産社長)●」  
 今井 敬    社団法人日本鉄鋼連盟会長(新日本製鐵社長)■・」(◆副社長、○経営企画部長)
 今村 治輔   社団法人建築業協会会長(清水建設社長)
☆岩崎 八男  新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長●◆」  
 内田 茂男   日本経済新聞社論説委員◆
 大國 昌彦   日本製紙連合会会長(王子製紙社長)」  
 柏木 孝夫   東京農工大学工学部教授
 加藤 真代   主婦連合会副会長(■・ヲ参与)
☆茅  陽一   慶應義塾大学政策メディア研究科教授●」
☆木元 教子  評論家■●・ヲ
☆河野 光雄  内外情報研究会会長■・ヲ」  
 香西 昭夫  石油化学工業協会会長(住友化学工業社長)」(■・会長)
☆近藤 駿介  東京大学工学部教授●
☆佐藤 文夫  社団法人日本電子機械工業会会長(東芝会長)  
 勝谷 保    石油工業連盟会長(インドネシア石油会長)
 末木凰太郎  財団法人エルピーガス振興センター理事長
☆末次 克彦  アジア・太平洋エネルギーフォーラム代表幹事・」  
 辻  義文   社団法人日本自動車工業界会長(日産自動車会長)」
☆十市 勉   財団法人日本エネルギー経済研究所理事○(」●理事長)
 中上 英俊  株式会社住環境計画研究所代表取締役所長」  
 橋元 雅司  社団法人日本物流団体連合会会長(日本貨物鉄道会長)
☆松本 善臣  株式会社日本興業銀行取締役副頭取■・ヲ(●会長)
☆山谷えり子  産経リビング新聞編集長」
 若井 紀    財団法人石炭エネルギーセンター副会長(太平洋興発社長)」
 渡辺 宏    社団法人日本ガス協会会長(東京ガス会長)●」(・ヲ社長、○総合企画部長)

 
 
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