2004/10/13

太陽光発電は日本より日照の少ない欧州で進む



環境税に関して経団連は反対だとNHKのニュースが伝えていました。環境と資源を食い潰す資本は人の善意や技術だけで改善できるとでも思っているのでしょ うか?その結果が何をもたらすのか・・・。

人の善意を買い叩いた補助金で初期マーケットが出来上がり、それで設備投資をした太陽電池メーカーはその生産力を日本のためにではなく世界の為に、それも 先に進むドイツの為に貢献している。実にすばらしい国際貢献です。(そう言った経済産業省関係の役人が本当に居たんですよ)

日本国内で設置したものは、高い金を支払って自分が環境にいいことをやっているという免罪符を手に入れただけに終わりそうだ。

そして、国内での設置量は来年にはドイツに抜かれるだろう。これは経済産業省官僚の無策に起因する。いや、もうこれは無策を通り越して妨害といって良いで しょう。

あのRPS法然り、電力企業の発電・送電・配電の3つへの分割の失敗、然り、既得権益の擁護を行うことで、未来には大きな負の遺産が残ることになりそうで す。その最も大きなものが原発などの核廃棄物というと言う不良資産でしょう。

それは全国の50基を超える原発、それに今から動かされようとしている六ヶ所村の再処理工場、そして中間貯蔵施設。いずれも膨大なコストがかかり処理しよ うのない核のゴミを増やすだけに終わるだろう。

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京セラ、シャープなど次々に海外新工場 太陽電池増産で  http://www.asahi.com/business/update/1005/109.html

シャープが04年4月に稼働させた英レクサムの太陽電池工場。日本の工場で生産した 素子を組み立てて完成品にし、急拡大中の欧州市場に出荷する

=同社提供

 世界の太陽電池の約半分を生産する日本勢が、工場の海外進出や国内工場の能力増強 に相次いで踏み切っている。市場拡大を牽引(けんいん)してきた日本だけでなく、欧米でも需要が急拡大しているためだ。市場拡大に伴い、電機大手などの新 規参入も予想され、先行している各社は技術流出の防止やコスト削減に余念がない。

 太陽電池生産量で世界3位の京セラは1日、メキシコで新工場の稼働を始めた。昨年 の中国工場新設に続くもので、来年4月にはチェコでも新工場を稼働させ、日中米欧の4極生産体制を敷く。最大手のシャープも昨年は米国に、今春は英国に工 場を設けたばかりだ。

 国内でも増強が続く。三洋電機は来年1月、群馬県に工場を新設。三菱電機も来春ま でに長野県と京都府にある工場の設備を増強する。

 こうした設備投資拡大の背景には欧米を中心とした「太陽電池」への追い風がある。

 欧州連合(EU)はすでに01年、地球温暖化対策として、太陽光や風力など自然エ ネルギーによる発電の割合を引き上げるよう、域内諸国に指令を出している。とくに、原子力発電の段階的廃止方針を打ち出しているドイツでは、代替エネル ギーとして太陽電池が奨励され、需要拡大が加速している。米国でも00〜01年に電力危機が発生し、電力会社に頼らずにすむ太陽電池に注目が集まる。

 このため、太陽電池の世界生産量は99年から毎年3〜4割ずつ急拡大。03年に生 産された発電能力は、中型の原子力発電所の1基分にあたる約74万キロワットに上った。04年には100万キロワットに達するとシャープは予測している。

(※但 し、出力だけみると同等ですけど、実際の設備稼働率からすると20%ほどなのでその総発電量は4分の1ほどです。しかし、ピーク対応電源としてみれば風力 や他のデバイスよりもかなり有効と思われますね)

 一方、日本勢4社の国内外の工場新設・増強の結果、生産能力は、4社の合計で来夏 に年間84.3万キロワットに。1年余で60%もの大幅増となる予定だ。

 シャープと京セラが欧米で工場建設を急ぐのは、消費地の近くで生産することによっ て、輸送コストを削減したり、注文から納入までの期間を短縮したりす るのが狙いだ。完成品を組み立てて海外に運ぶのは「空気を運ぶようなもの」(京セラの担当者)だからだ。日本でつくった太陽電池素子(シリコンの薄板。厚 さ0.3ミリ前後、十数センチ角が一般的)を輸出して欧米で組み立てれば、輸送コストは約5分の1で済むという。

 それでも海外工場ですべての工程を行うわけではない。シリコンで素子をつくる工程 の温度や時間などのノウハウは、太陽光をどれだけ多く電気に変換できるかという基本性能を左右する企業秘密だからだ。

 日本勢の海外工場は、素子を何枚も並べて製品(モジュール)を組み立てる後半の工 程だけ。大手はさらに国内の素子工場をブラックボックス化し、生産工程を公開していない。
 
  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

太陽電池という未来を支えるエネルギー変換のためのコアデバイスが海外へと流失する。これを国内に留め置くためにはどうしたらいいのか。

自然エネルギー生産事業が儲からないとそれは無理だ。 少なくとも損をしないように制度をデザインしない限りはそこへ有意な社会の資金が投下されることはないだろう。

ドイツはチェルノヴイリ原発事故を契機に原子力からの撤退を決め、その方向へ進み始めた。その他の欧州の国々も同様の方向へと進むだろう。それは自然エネ ルギーが地域に偏在し富の格差を生まないことから民主的であることからも成熟した社会では受け入れられやすい。

一方、日本はまだ依然としてパターナリズムの影響を脱しえていない。そして、明治維新以降の思考パターンのまま進むように思える。

エネルギー面でみれば明らかにプラスになるものなのに経済的にはマイナスにしかならない仕組みをどう変えるかだ。それは人間の側の問題なのだ。

表面的にはITなどのデジタルデバイスで景気は一時的に良い様にみえるが本質的にはなんら問題は解決していない。問題が先送りされているだけなのだ。

未来をどうするかは、私達の選択に掛かっている。

さて、何ゆえに欧州に特にドイツへこの未来を支えるコアデバイスが流失するのかという理由を説明する資料がNEDOのHPに載っている

ドイツでの太陽光発電の電力買い取り価格

下記の通貨単位のセントが1ユーロ(今日のレートは136円ぐらい)の100分の一なら日本円にして1KWhは75円ぐらいでしょう。ほぼ、発電原価が保 証されていますね。むしろ高すぎるという批判すら出てますが・・・。何しろ空き地があったら其処に架台を作って設置しちゃっているみたいですよ。

で、このドイツの再生可能エネルギー法に関しては 当方のHPの下記ファイル

http://www.watsystems.net/~trust/megod-f.html

で詳しく説明してます。

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NEDO海外レポートNO.939, 2004. 9. 8
【新エネルギー】
ドイツの再生可能エネルギー法改正案ようやく成立

 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/939/939-06.pdf
 
 から

(5)太陽光発電に関しては、2003 年12 月に先送りして改正、成立しており(報告済み)、それがそのまま改正原案に採用された。しかし今回、建物ないし道路などの遮音壁の側面ないし上面に設置さ れる施設に対する加算価格が大幅に増額される(原案:8.3〜11.7 セント/kWh改正:54.0〜57.4 セント/kWh)。

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上で報告済みとされている内容です

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NEDO海外レポートNO.925, 2004. 2. 18
【新エネルギー】
ドイツ、太陽光発電への支援内容を一気に拡大 」

http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/925/925-04.pdf

ドイツの太陽光発電は99 年以降、年率30%〜40%の高い成長を続け、新たな産業分野として急成長してきた。この成長には、太陽光発電施設(PV)の設置拡大を目指した10 万PV ルーフトップ事業や、再生可能エネルギー法に基づく最低買取価格など、政府の優遇措置が大きく寄与してきたところである。しかし、これは、同時に、業界の 中心である新興の中小企業にとって、政府の施策が金融市場からの資金調達に大きな影響を与えることを意味した。

例えば、再生可能エネルギー法が適用される太陽光発電施設は100kW までとされていたことから、それ以上の規模で施設を設置しようとする事業者は、有利な条件で資金を調達するために、わざわざ施設を100kW 未満の施設に分割するといった効率の悪い事業展開を余儀なくされた。

また、急成長を支えてきた10 万PV ルーフトップ事業の終了に加えて、法律で定められた電力買取義務対象枠(総発電容量35 万kW)が2003 年末か2004 年には満杯となることから、それ以降に建設される太陽光発電施設には優遇措置が適用されないといわれてきた。

さらに、2003 年11 月に連邦環境省と連邦経済労働省が再生可能エネルギー法の改正に関する合意内容を発表した際、太陽光発電については、業界要望のごく一部しか盛り込まれな かったとして、ただちに貸し渋りが報じられるなど市場の先行き不透明感を強めしてしまい、業界に大きな影響が出ることも予想された。

このため、政府は、再生可能エネルギー法改正案の修正を二段階に分け、まず、太陽光 発電に関する部分だけを抜粋して、同法第二次改正案として国会に提出した。主な改正内容は次のとおり。なお、電気事業者への負担を軽減するため制度全体の 優遇措置削減をうたった両省合意の発表内容と比較すると、太陽光発電への支援措置は極めて手厚くなっている。

1.総発電容量の撤廃

旧法では、太陽光発電に関しては、電力買取対象となる施設の総発電容量を35 万kW に制限していたが、この制限を撤廃する。つまり、今後、新たに設置される太陽光発電施設も電力買取義務の対象となる。

2.最低買取価格の据置き

旧法では、太陽光により発電された電力の最低買取価格を毎年5%引き下げ、2004 年の最低買取価格は43.4 セント/kWh とすることになっていたが、これを据置いて同年は、2003 年と同レベルの45.7 セント/kWh とする。

3.施設に応じた最低買取価格割増制度の導入(建物併設型の小型施設の優遇)

旧法では、太陽光発電施設に関しては、最低買取価格は施設と無関係に 一律に設定されていたが、今回の改正により、次のような割増制度が導入される。

@ 建物の屋根ないし遮音壁(たとえば道路脇に設置される遮音壁。90 年代中頃からドイツとスイスで共同開発されてきた)に設置されるものについては、出力に応じて、次のように増額される。

・出力30kWまで:11.7 セント/kWh 増額し、57.4 セント/kWh とする。
・出力30kW超:9.3 セント/kWh 増額し、55 セント/kWh とする。

A 建物の外壁に設置される出力30kW までのものは、上記57.4 セント/kWh にさらに5セント増額し、62.4 セント/kWh とする。

4.平地設置型施設の導入促進(経済性の高い大型施設の設置促進)

旧法では、平地設置型施設は、出力100kW までが電力買取義務の対象施設とされていたが、自治体が地区整備プランを策定した地区では、この出力制限を撤廃する。なお、対象は2014 年末までに設置された施設とする。

注: 大型だから経済性が高いとは言い難いのです。日本では屋根設置の標準システムのほうがKwあたりの単価は安いですからね

5.逓減制の部分維持

2005 年1 月1 日以降に運転を開始する施設に5%の逓減制が導入される。
この第二次法案は、すでに11 月27 日に与党(社民党と緑の党)とともに最大野党であるキリスト教民主同盟/社会同盟(CDU/CSU)の賛成で連邦議会を通過しており、2004 年初頭には施行される見込みである。

また、太陽光発電以外の部分に関する改正案は、各州の担当省と関連団体の間で意見調 整結果、12 月16 日に「温室効果ガス排出権取引法案」とともに第三次法案として閣議決定された。与党は「今春の成立を目指す」としているが、排出権取引の取り扱いに対する 産業界の動向次第では、連邦参議院で両法案をひっくり返される可能性もある。

(参考)地区整備プラン(Bebauungsplan:B プラン):自治体(市町村)によって条例化された地域整備計画で、建築許可の基盤となるもの。自治体内の小規模区域を対象として、施設の建設に関し、用 地、用途・種類、方法などを規定している。

・太陽光発電を優先した法改正に関する連邦環境省プレスリリース
http://www.bmu.de/de/1024/js/presse/2003/pm209/main.htm

・再生可能エネルギー法第二次改正案
http://dip.bundestag.de/btd/15/019/1501974.pdf

改正法施行見通し:現在、ドイツでは、直接選挙で選ばれた連邦議会は社会民主党と緑 の党が与党、保守勢力が野党であるが、各州政府の代表で構成される連邦参議院では、この立場が逆転している。このため、保守勢力が反対する法案は、連邦議 会を通過しても参議院で否決され、差し戻しとなることが多い。

今回の第二次改正案には、保守勢力の中の多数派であるCDU/CSU が賛成しているため、2004 年初頭に施行される可能性が高いが、第三次改正案については、野党の評価も定まっていないため、先行き不透明。
以上

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ま、これでは買わないほうが変ですな。見事ですが、ちょいとバブリーだね。

でもね、考えても御覧なさいな。  ドイツは阿呆な日本人が買うベンツ、BMW,アウディ、ワーゲンなどの環境を食い潰す自動車という消費財を輸出して自国内にせっせと環境負荷のない生産資 本財、それもエネルギー生産デバイスに設備投資してるんですよ。

  ※ドイツなど先進国に太陽電池を輸出しても京都メカニズムは適用されないでしょうね。

一方、日本の政府の方針は、昨日の日経のトップ記事で見られる様にとんでもない(と、私は思う)方向へ進んでいってます。

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  
   核燃料再処理政策を維持・原子力委
  
 政府の原子力委員会は、使用済み核燃料を再利用する再処理政策を維持する方針を固 めた。再処理は利用者の負担増になるだけに異論もあるが、原油高が当面続くとみられるほか、政策転換すればエネルギーの安定供給に支障が生じる可能性があ ることを重視、ウラン資源を有効利用する再処理政策の維持を総合的に判断した。青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場は2006年度にも操業できる見 通しだ。

 再処理政策維持の基本的な方向について、7日に開く同委員会の計画策定会議で説明 する。月内にも了承を得たい考え。再処理に比べて費用が安い埋設処分については、安全性などの研究開発を進める方針。同委員会が来年夏をめどに見直し作業 を進めている原子力長期計画に将来の有望な選択肢の一つとして位置づける。  (07:00)

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  本紙の記事はさらに問題点など書いてますが・・・。
 
  電力資本の都合だけを最優先したということですか・・・。原子力委のじいさんたちは、撤退なしで地獄へ突き進むだけ、付けは皆さんや皆さんの子どもたちに 回しましょうということを明言したわけです。
 
  どうしたらこんな馬鹿なものへの支払いを拒否できるか・・・。電力を使わない。若しくは、電力を自ら生産する。それも自然エネルギーで、その価格の高さは どうなのか・・・。地域経済の問題を含めてみなさんと一緒に考えていけば展望は、決してない訳ではありません。
 
  放って置くのは未来への犯罪行為と思っています。しかし、残念ながらこんな事に興味を示すのは一部の人間だけです。太陽光発電の設置を考える多く の人も経済的に損しないならというところが最も興味を持つ点でしょうし・ ・・。
 
  私達が何に、また、何処に金を使うかは重要なことです。それは、実は未来のあり方を決めることになるのです。
 
  宮崎で新たな市民共同発電所を構想しています。総出力は50Kwほどですから大きくはないですけど、各メーカーから3Kwほどの家庭用太陽光発電設備を購 入し、その成果を比べられるものとしようと思っています。勿論、データはネットなどで公開します。
 
  いわば、太陽光発電のショールームみたいなものです。そこへいけばどういうシステムがあってどれがどういう特性を持っていて、どう働くのかが見えるもので す。 私達は、メーカーさんにはいい意味での競争をしてもらいたいと思っています。良い製品を開発し、生産できるのは彼らしか出来ないのです。

そして、太陽光発電という太陽エネルギーのフローを人間の文明圏に導きいれる発電事業こそが私達一般市民がやるべきことなのです。
 

2004/10/14

[2004/10/12] 技術開発の話題 海外編  http://smallbiz.nikkeibp.co.jp/free/RASHINBAN/20041012/105453/
040908 大規模な太陽光発電設備

 ドイツのミュンヘンの近くに、Bavarian Solarparkが建設され、来月から稼働する。太陽光発電設備としては、世界一となる。今年末までに、地元に対して10メガワットの送電を行う計画と なっている。Bavarian Solarparkには、カリフォルニア州Berkeleyの電力供給会社PowerLightが57,600枚のソーラーパネルを供給し、 Siemensが送電設備を請け負っている。このプロジェクトに参加した理由を、PowerLightのCEO Thomas Dinwoodie氏は、同社のソーラーパネルPowerTrackerを売るためとしている。太陽光発電では、ドイツは日本に次ぐ第2位である

ドイツは国策として脱原発を採用した。その結果、自然エネルギーの推進が進んでいる。国内供給力だけでは足りないので日本から大量の太陽電 池が輸出され、ドイツ国内に設置されている。勿論、ドイツのメーカーも資本投下をする。そして世界で最も早く自然エネルギーを基礎とする新たなパラダイム の経済へと進むだろう。

翻って日本の国策は米国と同じで自らの足を食いながら生き延びる蛸と同じである。自国内に折角作った太陽電池を設置できないで。それも国内に設置場所がな いというわけではないのに、目先の金儲けの為にせっせと貴重な自然エネルギーの変換デバイスを海外へと流失させているのだ。