2005/08/23

一 人当たりの設置量では日本は世界トップの座を明け渡す


JPEA太陽光発電協会は日本の太陽光発電の業界団体である。参加企業はhttp://www.jpea.gr.jp/5/5-3.htmに 載っているが66社を超える。(不思議なことに電力企業は全部は入っていない)

さて、ここでは業界のデータを公開している。ここがまとめている数字から先に紹介した年間の設置量でドイツが日本を追い抜いたことと関連するデータがhttp://www.jpea.gr.jp/6/6-1.htmに 出ている。


太陽電池  総出荷統計

年度値 太陽電池(セル・モジュール)総出荷推移

年度 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004

結晶系

13,566 21,128 36,122 47,361 86,356 126,490 174,703 261,865 387,136 629,060

Si薄膜

4,712 5,872 6,167 5,680 6,733 6,152 13,862 12,324 20,578 29,017

その他

920 982 969 990 1,053 1,053 24 19 0 0

19,198 27,982 43,258 54,031 94,142 133,695 188,589 274,208 407,714 658,077

年度値

(4.1〜3.31)
太陽電池(セ ル・モジュール)国内生産・輸出入実態調査(出荷ベース)
(単位:kW)
  平 成15年度(2003) 平 成16年度(2004)
区 分 国  内 出 荷 輸 出 合 計 国  内 出 荷 輸 出 合 計
仕 向/材料 国 内生産 輸 入

出荷計

輸 出

合計

国 内生産 輸 入
出荷計
輸 出

合計

結 晶系 216.115 1,575 217,690 169,446 387,136 260,810 8,056 268,866 360,194 629,060
Si 薄膜 7,296 0 7,296 13,282 20,578 5,323 0 5,323 23,694 29,017
そ の他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
合 計 223,411 1,575 224,986 182,728 407,714 266,133 8,056 274,189 383,888 658,077
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実に興味深い数字だ。

   国内への出荷=設置は  224,986KW から  274,189Kw へと5万キロワットほど伸びている。一方、海外輸出は 182,728Kw から 何と 383,888KW  へと倍以上の伸びを示した。輸入は日本で太陽光発電を売るメーカーのうち日本国内で太陽電池を作っていない昭和シェル、MSKなどのメーカーのものだろ う。

何と6割が輸出のための太陽電池だったわけだ。 これについてのコメントは太陽光発電協会のHPには無いが、この数字は環境負荷の無いクリーンエネルギーの生産のコアデバイスである太陽電池の国内設置が 進まず、海外へ流失したことを示している。ああ勿体無い・・・。

この大半がドイツへ輸出されたと見るのが妥当だろう。。   http://www.watsystems.net/~trust/2004d-pvreslt.html
 
日本の人口は1億2500万人、一方のドイツの人口は8300万人ほど。総設置量で割ると既にドイツは昨年度の実績で日本を追い越したことになる。

実に残念と言うしかない。日本の自然エネルギー普及運動は失敗したと言い得る。それは単に太陽電池産業と言う輸出産業の育成に貢献したということとは言い たくないがそういわざるを得ない。(ほんとに皆さんお人よし)

しかし、これは当然の結果だ。政府のお馬鹿な支援策ではこの結果が出ても不思議でもなんでもない。
  
   因みにドイツの支援方式は生産された電力そのものへのFIT長期固定価格買い取り支援(昨年度の売電価格は約70〜80円)で、日本の様な機器購入補助 (それも合い見積もりを取れば、市場の競争で下がる価格=1Kwあたりたったの2万円というすずめの涙金)ではない。

さらに、自然エネルギーからの電力企業に課せられているのは接続義務である、これは法的にも保証されたもので、日本の様に電力会社の好意ではない。勿論、 日本の場合は電力企業は接続を拒否することも出来る。
  
   また買い取られる電力はその発電量の総量で、余剰電力ではない。(勿論、 このことは系統に繋がっている設備そのものが電力企業の持つ発電設備と同等の社会的な位置づけがなされていると言うことだ)
  
   このまま推移すれば、環境負荷の無い電力の生産は継子いじめされたままで原子力や大型電源へ資金は使われ続け、地方(個人も含む)は大都市資本に富を奪わ れ続けるだけだろう。

内需を拡大できないのは単に国家官僚の特に経産省の外局、資源エネルギー庁代替エネルギー課の無策そのものである。現在のその課の課長であられる荒木氏は 太陽光発電の専門誌で太陽光発電協会主催の「太陽光発電システムシンポジウム」で次の様に語っていることが報告されている。

2010年 1910万KL(原油換算)目標値を2030年には3946万KLとして、太陽光発電の中心に普及拡大を加速させると言う。2030年のエネルギー需給見 通しでは2021年度には人口も頭打ちから減少に転じエネルギー需給構造も緩やかに変化し、新エネルギーは約10%に達する可能性があるともしている。太 陽光発電システムは、2004年度末時点での累積導入量が113,2万kWとなり住宅用太陽光発電システムの1Kwあたり設置価格は67万円、発電電力量 単価は46円/Kwhになったとしたが、「2005年度の出足がおそい」と言う。さらに荒木課長は、「太陽光発電の導入目標を達成するため「競争と協調に よってさらなる技術開発効果が期待できる研究開発のありかたを含め、税制優遇の強化など生産者に対する助成を検討したい」として、大規模な太陽光発電シス テムの設置を促進する意向を明らかにした。

※ここで言われる生産者とは太陽電池の生産者であってきれいな電力の生産者ではない。きれいな電力の生産者のことを彼らは消費者だと思っているからね。

この方の認識は、一般の消費財と同じような捉え方である。1Kw67万円で46円/Kwの生産財の購入費用を市民が負担し、電力企業からの電力よりも2倍 も高いものを設置することを当然と考えている。私は、この経産省官僚思考様式には強い違和感を覚える。これは明らかに国民に甘えているとしかいえないだろ う。それを当然だと考えているのではないか?そうした人が税金で養われているのだ。

国民は経済的に損する事を覚悟して環境の為なら太陽電池産業の育成のために協力するのが当然だと言っている様なものだろう。誰が損するものに金を出すもの か・・・。人を善意を当てにする国策など有っていいものか?

そして、この考え方の当然の帰結が、一人あたりではドイツに設置量では抜かれてしまい、さらにそのドイツに設置されたのは日本に設置されるべきであった日 本の太陽電池である。国内に設置されればそれ生産するのに要したエネルギーの10倍以上の環境負荷のないエネルギーを生産したものを国外に流失させたこと に対しての反省すらないのである。一体、この連中は税金を使って何をしているのか判っているのだろうか?

どこかずれているよね。この人たちの認識は・・・。そう感じてないのだとしたら実に変だよ。