1997/07/18 
エコ・アイスの嘘を暴く

いい加減にしろ!原発や化石燃料で電気を作っておいて何が環境に優しいだ?

夏場のピークに音を上げた電力会社(設備容量がたんなくなるよ〜)の新たな戦略は・・・。環境に優しいエコ・アイス。(こりゃ、大嘘!だ)

電力会社がテレビで盛んに宣伝するこのエコ・アイスとは、原子力発電の延命策にしか過ぎないのだ。それは宣伝文句の中にも見えている。深夜電力(夜間の原子力発電の電気。←ある新聞の全面広告では原子力を使うと書いてあった)を使うからCO2を出さない環境にやさしいシステムだと書かれているのだ。 (馬鹿じゃがね)

確かに、そこだけを見ればその様に見える。しかし、これではエコ・アイスシステムを導入した後に原子力発電が無くなったら困ってしまう事になるじゃないか。それに、核廃棄物のつけは誰が負担するのかという事が明らかにされていない。(それは無くならないって?冗談じゃない!)

だから、これは明らかな間違い!だと私は思う。(違うか〜?)そして、このシステムは設置者の負担において行われるのである。で、それを目先で得になるように料金設定している事、導入するにあたって税制上の特典が用意されている事に問題がある。言わば、消費者が電力会社にコントロールされているのだ。向こうに価格の決定権が有るというのはおかしいではないか。
 
おまけに洗脳装置である?テレビでもう繰り返し繰り返し宣伝しているのだ。それも私たちの電気代でだ。こんな事許されて良いのか?私たちは独占企業である電力からしか電気を買えないのだ。そんな企業は広告宣伝をする権利はない!と思うな。

この導入の枠組みが、国と電力企業によって決められている状況が問題だ!それでは全体の社会的な負担が明らかにされない。経済性は全体の中で考えられなければならないのに・・・。この事を、一体、人々はどのように考えているのだろうか?

  
 
現状ではエコアイスは単にピークが夜間に移行するだけ何ら化石燃料の消費を下げる事には繋がらないと言う事を説明させてもらう。下図を見てもらおう。



 
 (どっかの電力会社のページから借用したもの。こんな所で使われるとは思ってなかったかな?でも、インターネット上に公開するからこういう事になる)
(駄目ならこの図の部分だけ引っ張ってくる手もあるね)

 この図から分かる事は、エコアイスと言うのはピークの部分を揚水式発電とかの部分にシフトさせようと言う事で、その揚水式発電と言うのはLPG、LNGで夜間にCO2を排出しながら作っている電気を使い、消費者側の余分な負担で負荷平準化をはかる。つまり電力にとっての最も嫌な昼間のピークを落とそうと言う計画に過ぎないのだ。

さらに付け加えるならば、これによって負荷平準化を図り、ベース電源としての原子力の導入を画策しているとも考えられる。

ま、確かに電力会社にとっては昼のピークを下げられると言う事から、所謂、彼らの夜間の設備稼働率は上がる。だから、その分設備投資が減るので今、もっとも厳しい電気料金の問題をクリアーする為に役にはたつだろうが、それは電力会社の都合によるものにしか過ぎない。確かに非効率的な揚水発電(その効率は半分以下?)をこれ以上、増やせない電力としては(これを増やすと電気料金に跳ね返るから出来ない?)そうするしかないんだろう。

(此れ迄に、出力調整の出来ない癌発、んにゃ、原発の電気を、余った夜間に温水器で無駄に?消費させようと「経済的でお得」と言って売ってきといてさらにこういう姑息な事を進める電力会社というのは本当に汚い!と私は思うが・・・)

でも、その消費者(需要家)負担の冷凍機を含めた環境負荷はどれぐらいになるのかな?それより、上に述べたようにピークを押さえる太陽光発電の普及を図って総体として環境負荷の無いエネルギー源を開発するほうが将来にとっては良い事ではないだろうか? しかし、現状では価格競争力のない太陽光発電に金を払おうと言う企業は存在しないだろう。

でもね、企業の皆さん。エコアイスの導入は止めて下さい。わざわざ、氷をつくってそれを冷房に使うというのは効率から考えても無駄があります。それなら、太陽光発電を導入してそれでエアコンを動かして下さい。そうした方が社会全体としての環境負荷は減りますし、それが市場を育てる事に繋がります。お願いですから、目先の利益で動かないでください。夜間に冷凍機を動かすとその廃熱はやっぱり、外気を暖めてしまいます。これではヒートアイランド現象を加速します。

電力会社の言う見せ掛けのコストに納得しないで下さい。社会全体でのコストを考えて下さい。それこそが企業の果たすべき社会的責任だと考えます。



 
で、このエコアイスの電気代なんだけど・・・
 
割引後の夜間料金単価 (業務用:6kV受電) 4.2円 昼間の料金単価の 約70%お得です。
 
(昼間料金単価/夏季14.44円 そ の他 季13.13円)
 
と宣伝のページには書かれている。
この価格って安すぎない?何でなの?昼間の電気って企業の場合ってこんなに安いの?大体、こんなに安い電気料金を誰が節約しようとするものか!これが普通の家庭用の電気料金並みになったら、ちょっとは考えるようになるんじゃないの?

で、この価格に付いて考えてみた。

4.2円はどう考えても原価割れの価格だ。どんな電源でもそう言う数字は不可能だ。そうまでして下げたいピークの発電原価は一体幾らなのか?実は見つけたのだ!

東京電力の試算ではピーク対応の揚水発電所の発電原価は10パーセントの稼働率で33,4円。関西電力の火力発電所のピーク対応発電原価は試算値で33,1円ほどである。

出典:電中研、丸山真弘 「最近の電力卸供給入札について」
(公益事業研究 第48巻第3号(1997 年3月)から  


このピークさえ下げられなら4,2円で売っても損は無いのだ。実はこの揚水発電所の実際の取引価格は70〜80円ほどなのだ。それも、その揚水時の電気代は無料なのだ。実際のところ、この揚水発電所の稼働率は三パーセントほどで、そうなると、この発電原価は90円ほどとなる。

新しい設備を作るなら14.44円の電気代に4.2円の価格を上乗せした18.44円で昼間の電気を売って彼らの算盤勘定は合う事になる。 ならば、家庭用太陽光発電による電気の販売単価は少なくとも4.2円高くなっても問題は無い。むしろ、そうした価格でこそピークカットに役立つ電力=太陽光発電は電力会社に購入されるべきであろう。

本来こうした電力の価格を明らかにするなら、電力企業は時間毎の自由市場における単価を出すべきだろう。そうすれば、その発電単価以上に電気の価格が高くなればそれは供給される。そして、その価格こそが自由競争による適正な価格であるのだ。

で、この価格で損をしないという事は電気の負荷平準化によってその価格で売っても良いと言うことだ。ということは、これは火力発電で殆ど賄われるから(既に原子力によるベース電源は普通の状態では消費されている状態である)発電原価は火力は4.2円と考えて良い。これは殆ど燃料費だろう。何故なら、夜間は消費が無くて動かない筈の火力発電所を動かすと考えると、電力にとってはこれは燃料費さえペイすれば余分な設備投資をする必要が無いのだから・・・。

おそらく、原発無しで火力発電のみでそれが平準化された状態での発電原価は6〜7円ぐらいではないだろうか?これは卸し売り電力に応札した企業の落札価格だからこの数字は正解なのだ。いや、もっと安いという事だ。これは卸し売り企業の利益が乗っているのだから・・・。


解決法は ? ・・・太陽光発電の導入を図れ! 1997/08/18

夏の電力ピークは太陽光発電で下げられるのだ。この効果は最終的に廃熱となる光のエネルギー(地球に降り注いだ光のエネルギーも最終的には熱エネルギーになって地球外に出て行く)をカスケード利用することで廃熱によるヒートアイランド現象も引き起こさずに済ませ、かつ、CO2を排出する化石燃料の消費を減らすことができる。

また、その経済効果は、今価格が高いことが普及を阻害している太陽光発電の大量生産による価格低減効果をもたらす。これはエコアイスなどに金を掛けるより3倍以上の効果を生むと言うことになるだろう。現在すべき事は、エコアイスに低利融資をするべきでは無く、むしろ、二酸化炭素を出さないこうした次世代の再生可能エネルギー開発にこそ金を掛ける事だ。 そうすることが次の時代に対応する考え方だ。

負荷平準化を図るより、ピークカットをどう効果的に行うかを考えるなら太陽光発電設備に資金は投入されるべきである。エコアイスの導入は二酸化炭素の排出量を増やし、原子力発電の固定化につながる。絶対に行うべきではない!



【加筆訂正】 1998/01/04 、07/02、07/25  

by バーチャル・シンクタンク 「未来プランニング」  代表・主席研究員 中川修治