2000/07/08

ドイツ再生可能エネルギー法

以下は、最近、原子力発電の段階的な廃止、(勿論、新たな原発の建設は一切無い)を決めたドイツの新エネルギー政策をドイツ在住の環境ジャーナリストで(財)地球・人間環境フォーラム客員研究員の今泉みね子氏が、同財団の出している情報誌「グローバル・ネット」に寄稿されたものです。


環境首都 ◎フライプルクだより(Germany)
 

自然エネルギーの優先  再生可能工ネルギー法実施
 

(財)地球・人聞環境フォーラム客最研究員  今泉みね子 


 ドイツでは、「再生可能エネルギー優先のための法律」、通称再生可能エネルギー法(EEG)が4月1日に実施に入った。再生可能工ネルギーとは、太陽、風力、バイオマスといった、いわゆる自然エネルギーである。

この法律の自標は、発電で自然エネルギーが占める割合を2010年までに現在(6%)の少なくとも倍にし、気候温暖化防止、環境保護、持続可能な発展を促進することである。この法律はまた、電力の国内市場における自然エネル・ギーの優先についてEU(欧州連合)が定めた規則を、ドイツ国内で具体化したものでもある。

この法律で対象となる自然エネルギー源は水力、埋立地およぴ下水処理場から出るガス、坑内ガス(狭義では再生可能エネルギーではないが、下水処理のガスと同じくメタン成分が高く、焼却せずに放出されれば気候に害をもたらす)、風力、太陽光、バイオマス(本誌2000年4月号参照)、地熱である。

電力供給事業所の買い取り義務これらのエネルギー源で発電された電力を、各発電場所の最も近くに位置する電力供給事業所は買い取る義務がある。以前の「売電法」では、電力全体の少なくとも5%は買い取る義務があるという最低線が設けられていたが、今回の法律ではこれがなくなった。

エネルギー源の種類ごとに買い取り最低価格も定められている。例えば、太陽光による電力は、二れまでの1kW時最低約16ペニヒけマルク=100ペニヒ=約53円)から、一挙に99ペニヒに引き上げられた。ただし、2∞2年以後に設置される装置については5%低くなる。この最低価格は、.ドイツ内で取り付けられる太陽光発電の総出力が合計350MWに達するまで有効である。

風力発電の場合は、少なくども最初の5年問は17.8ペニヒ、それまでの発電量が一定の1(最初の、5年の発電量と出力の特性曲線に応じて決まる)に達した後は12.1ペニヒとなる。これによって風力の強い海岸沿いと弱い内陸との格差が縮められる。

バイオマスによる電力は、出500kWまでの装置では20ペニヒ、5MWまでは18ペニヒと、装置の規模に応じて少しずつ低くなる。下水処理場などからのメタンガスおよび水力による電力は、出力500kWまでの装置で15ペニヒ、それ以上の規模では13ペニヒである。それぞれの装置の最も近くにある配給回路に送られた電力は、そのまま同じ供給事業所によって末端消費者に売られるか、あるいは(量が多い場合や自己の回路では売電を受け入れることが技術的にできない場合など)高圧配電線網(送電網)に送られる。送電網を経営する事業所は、末端消費者への電力配給網をもつ事業所から自然エネルギー電力をやはり上記の価格で買い取る義務がある。

全国の送電網の事業所は、それぞれが買い取った電力の量と買い取り価格を把握して、相互に調整しなければならない。買い取り額の平均値以上の支払いをした事業所は、平均以下の事業所から補てんを受ける。これによって、付加的なコスト負担が均一にならされる。

末端消費者に電力を供給する事業所は、高圧送電事業所から再生可能エネルギー電力の一定量を買う義務を負い、この電力を末端電力消費者に売る。この場合も「再生可能エネルギー電力」と銘打って末端消費者に売るときには、上記の買い取り価格以下で売ってはならない(ダンピングの防止)。

こうして、自然エネルギー源による発電が活発な地域と活発でない地域の差が解消される。風力発電所や太陽光発電が近くにない電力消費者も、これらの電力を買うことができるし、電力供給事業所問の負担の地域問格差も均一にならされるのである。そして、付加コスト負担は末端消費者まで次々と送られていくことになる。付加コスト負担は現在の発電状況では1kW時あたり約01ペニヒ、法律の自標どおりに自然エネルギー発電が増えた場合でも、約0.2ペニヒであるという。

ちなみに電力供給自由化のために,一般家庭が毎月支払う平均電力料金は昨年に比べても14%も下がった。

買い取り最低価格の設定

この制度を少し具体的に説明すると、例えぱ本誌昨年1月号で紹介したように、ソーラー電力株式会社;(SAG)はビール会社の屋根に太陽光発電装置を建てた。この電力をSAGは、フライブルク市と近郊に配給網をもつフライブルクエネルギー.水供給事業所(FEW)に、1kW時当たり99ペニヒで売ることができる(太陽電力補助のためにもっと高額で買い上げている市営電力企業もある)。もしフライブルクの太陽光発電がとても活発で、FEWが買い取った太陽光電力のすべてを売り切ることができない場合には、FEWはこの地方一帯に高圧送責網をもつ大電力会社に、やはり同価格で売ることができる。

そしてこの送電電力会社は次に、太陽光SAGがビールエ場の屋根で発電する太陽光発電装E。この電力も1kW時あたり99ペニヒでFEWに買い取られる〉電力の買取量が少ない、別の地域の電力供給事業所に同価格で売ることができるのである。このょうに、電力供給事業所が末端の消費者に自然エネルギーを売るときの最低価格は走められているが、上限はない。例えばFEWは、以前に紹介した「太陽電力」の特別料金体系で、lkW時税込みで1.70マルク(最初の1年)で売ったり、「レギオ電力プラス」として、地元のコジェネや水力電力に加えて4%分だけ太陽光電力を入れた電力を、通常の電力(原発、火力、大型コジェネ)料金の2割強増しの40ペニヒで希望者に売っている。

ただし各電力供給事業所が自分に割り当てられた自然エネルギー電力をすべて売れなかった場合には、通常の電力とともに通常の電力として通常の料金で売らなければならない場合もあり得る。この点は、事業所のマーケティングや消費者の意思次第ということになるが、いずれにせよ、自然エネルギーの買い取りが義務づけられ、最低価格が定ゆられたことによって、持続可能でない電力の発電がその分少なくなるのは確かである。

民主的コンセンサス

トリ:ッティン連邦環境大臣は「この法律によって、発電全体で再生可能エネルギーの占める割合を2010年までに少なくとも10%までに伸ばすのがねらいだ。目標通りにいけば、再生可能エネルギー発電だけでも、CO2(二酸化炭素)排出を2010年までに:3%削減できる」と述べている。そして「再生可能エネルギー発電の振輿で雇用と輸出の道も開ける」と言う。風力発電業界はすでに2万の雇用をもたらしたが、この法律によってとりわけバイオマス分野でも雇用の拡大が見込まれるという。

昨年ドイツでは、2004年までに出力300MW分の太陽光発電装置取り付けを達成するために、「10万の屋根計画」という無利子融資制度が開始された。EEGが公布されたために、今年初めから融資申し込みが殺到し、今年の融資分1億8,000万マルクは3月でほとんど消化された。

公共回路に連結されている太陽光発電の数は1992年から99年までに10倍以上になったが、この傾向はこの法律のおかげで、さらに急上昇しそうである。電力会社に対するこのような自然エネルギー買い取りの義務づけや買い取り最低価格設定は、「企業・にやさしい」かの国からみると不思議かもしれない。

この法律自体に対してドイツの電力会社が拒否や告訴をしないのは、これがドイツ、そしてEUの気候温暖化防止への政治意思として民主的にコンセンサスを得たからである。CO2削減や持続可能な発展に真剣だからとも言えるだろう。


これはアーヘン市で、実行に移された原価補償方式=レートインセンティブプランを、さらに地域から全国的に広げたものである。

※レートインセンティブプランに関しては我が家の太陽光発電というHPに詳しい。
 
   http://www.asahi-net.or.jp/~ap8n-tn/sun/germany/gindex/gindex.html


日本では唯一、私達のプロジェクトが関西地区で実行に移す事としている。

所で、日本における太陽光発電の補助金政策は再び、破綻をきたした。これは既に昨年度の最後に予測できた事態であった。

その理由は昨年度の補助金予算は160億円、実はこの補助金には一昨年度の余った分40億円が陰で積まれていて、実際は200億円あったのだが、昨年は屋根材一体型の製品をハウスメーカーがラインナップに載せて来たのである。

(実際に屋根に載っている。実際には若干コスト高ではあるものの家という耐久消費財に幾分その価格を潜り込ませ、さらに低金利で誘導した。だからと言ってその家を買った人が損をするかと言うと現時点での価格は20年後の屋根の葺き替え費用を織り込めば十分にペイラインに乗っているのである)

その結果、応募者が急増、18000件余りあったらしい。予算が足りなくなって、800件あまりの人たちが補助金の需給を拒否されたのである。これは抽選によって決まっていた頃に起こった補助金枠でマーケットサイズが縮小するという事態と同じである。ちょっと違うのは、今なら補助金無しでも設置して損はしないという事だ。

ただ、同じ物を付けても負担が80万〜100万円も違うというこの制度は決して公正で公平とは言いがたいものだ。
 
※(この事が起きるまでにも皆さんが知らない事はある。これに関しては既に別のファイルをUPしてあるので参照されたい)

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nikkei  2000/07/04

 太陽光発電の補助金募集、今週中にも打ち切り

申請急増で通産省

 通産省・資源エネルギー庁は住宅に太陽光発電装置を取り付ける費用の1部を
補助する事業で、二○○○年度上期は対象を七千五百件に制限する。今週中にも
募集を打ち切る。

 当初は補助を上期と下期に分けていなかったが、補助金の申請数が予定の三倍
のペースで急伸し、通産省は「下期の予算を確保するため繁急借置」と説明して
いる。

 補助金を前提に大陽光発電装置を増産している電機・住宅メーカーの間で混乱
が広がっている。

 補助金は一般家庭への太陽光発電装置の普及を狙い一九九四年に設置された。
現在は住宅一軒当たり八十万−百万円の補助金が出る。

 通産省の外郭団体の新工ネルギー財団によると、二○○○年度は同制度向けに
百四十互億円の予算を確保したが、環境への関心の高まりや住宅メーカーの装置
の拡販で補助金の申請が殺到。

 「このままのぺースでは夏にも予算が底をつくため、上期は七干五百件で申請
受げ付けをやめることにした」(財回幹部)という。

 申請締め切りを控え、住宅メーカーは、建築主に申請を急ぐよう促す動きが広
がっている。装置を生産する電機メーカーは「当面は生産調整が避けられない」
(三洋電機)と、生産計画の練り直しを検討している。

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この件に関しては窓口となっている新エネ財団のHPに載っているのでご覧頂きたい。
7月5日
 平成12年度「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」の上期募集は7/3(月)(消印有効)をもって締め切らせていただきました。 なお、下期募集は平成12年10月10日から開始する予定となっておりますが、今後の設置見込み件数等を勘案し、補助制度を見直した上で、下期募集開始時期を前倒することを含め検討することにしております。
 
http://www.nef.or.jp/topics/mon12_gaiyou.htm
これって私達は頭が悪いですと言っているようなものですな。(失礼)

でも、ここは過去の新エネシンポジュームで、私達が参考としたドイツアーヘン市のレートインセンティブプランを紹介しているんですよ。ここが本来、こうした制度を強く採用するように働きかけるべきなのに、このバカな補助金の窓口になっているだけというのは、中央官僚の言いなりになっているお馬鹿な関連団体ということを明言しているようなものです。

じゃ〜、どうすれば良いのでしょうか?

簡単な事です。レートインセンティブプランに組み替えるのです。その方法は先に私達が滋賀県に提案したものを参考とされれば良いでしょう。 (ここでは先行投資者との問題点の解決法も提案しています)

滋賀県版新エネルギー育成奨励金(案)
これを地域の経済振興策としてさらに発展的に進化させたものを現在、提案中です。これを知りたい場合はメールで問い合わせてください。



2000/07/14
太陽光発電の住宅用補助、1カ月半で予算半分消化

http://www.asahi.com/0714/news/business14005.html

 通産省は、住宅に太陽光発電装置を取り付ける際に費用を補助する新エネルギーの普及促進事業について、年度途中の予算増額を検討している。今年度上半期分の募集を始めたところ応募が殺到し、わずか1カ月半で年間予算145億円の半分以上を消化してしまったためだ。

制度創設来初めてのことで、現在は募集を急きょ中止している。同省は、下期分予算を前倒し執行するとともに、原子力発電所の立地などに使う特別会計から、不足分を補てんする方向だ。

 予算不足に陥っているのは、同省の外郭団体「新エネルギー財団」が1997年度から実施している「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」。補助は1世帯あたり約100万円で、これまでに約3万世帯が対象になった。

 応募が急増したのは昨年度からで、補助件数は前年度比約3倍の1万7000件。低価格機器ほど補助が増えるように制度が変わり、メーカー間の競争が活発化したことが普及を加速した。また、新築住宅にあらかじめ組み込んだタイプが多くなったことや、自治体の補助制度が整備されたことも人気に拍車をかけたようだ。

 同省は今年度、昨年並みの申請を見込んで、5月中旬に受け付けを始めたところ、7月初旬までに約8000件が殺到。上半期の予算をオーバーする事態になり、いったん打ち切ってそれ以降に届いた1000件余りは下期回しにせざるを得なくなった。メーカーや市民団体から再開を求める要望は強く、財団では下期分の受け付けの繰り上げを検討し始めた。

 しかし、最終的な申込件数は4万件に達するとの見方もあり、下期分の予算もすぐ使い切るのが確実だ。増額できなければ補助金の単価を切り下げるしかないが、メーカーの生産意欲を減退させ、軌道に乗り始めた太陽光発電の普及にも水を差しかねないし、受ける側に不公平感も生じる。

 このため同省は、原発の新規立地が難航して余り気味になっている特別会計から流用する方向で、数十億円の増額を検討する。(06:12)

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どうも、残念ながら、通産は本当にスキームを変更する考えはないようだ。この補助金を流用すると言う発想自体が泥縄式と言っていい。上記の記事で受ける側の不公平感ということを書いているが、5年前に補助金を受けた人との負担金額の大きさのほうがよっぽど大きいことを知らないのだろうか?おそらく、この記者はそこまで遡っては取材しなかったのだろう。この記事は新エネ財団に取材して書いただけと言ったところだろう。

私たちはこの補助金制度の持つ本質的な欠陥を正す方策を採るように求めたい。
 
 

「太陽光・風力発電トラスト」運営委員                  
KLES(関西ローカルエネルギーシステム研究会)事務局 中川修治

2000/08/04

最悪の解決策出る。(これは解決策でも何でもない)

http://www.enecho.go.jp/dayori/infomation/sonota/000731a/000731a.html

なんで、こうなるの?