以下に掲載したのは<自然エネルギーを育てる「グリーン・ファンド」をつくりましょう。“料金10%運動”>のオリジナル原稿です。この原稿は1996年の始め頃書かれたもので、当時、自然エネルギー推進に関わるNGO関係者数人に渡されたものです。(この事は、後ろにある長谷川公一東北大学助教授からのメールでお分かり頂けるでしょう。)

内容は、これまで私たちの市民共同発電所設置プロジェクトが単なるエネルギーの消費者から自覚的な生産者になる運動であり、それと対をなす、もしくは入り口となるのがこの消費者として参加できるグリーンファンド・プログラムであると言う事です。(何しろ、これまで、私たちは余りにも電気の消費者になる事に慣らされ過ぎててすぐさま電気の生産者になると言うのは難しすぎる事なのかもしれません。それで考え出されたものです)

これまでは、電力会社や単にお金儲けをしたいと言う人にこのアイデアを部分的に先取り、良いとこ取りされても困るので、ウェッブ上の公開は此れ迄、控えていたのです。が、最近他の団体がこのアイデアの一部分だけを使ったプログラムをあたかもオリジナルのアイデアの如く運用しはじめている為、(だって、この経緯を知っている方々が怒るんだもの・・・、私としては別にそう目くじら立てたくも無いのだけど・・・)誤解を避けたいと思い公開する事としました。

で、私たちが作っていたオリジナルの「グリーンファンド」と「グリーン料金」はこうした意味があるのだと言う事をよく知っておいて頂きたいと思います。(ま、言葉ですから誰が使おうと自由と言えばそれまでなんですがね。ハイ)
 
特に、ここで重要な事は基金の集金業務を電力の集金業務とLINKさせて行うと言う点に有り、この事が成されないならこのプログラムは意味を成さないと言う事だと思ってます。(何故なら、お金を集めると言う事と使っている電気代がLINKしていると言う点が最も重要な点の一つなのです。この点を私は非常に重要な点だと認識しています。だって、誰がそのプログラムの主導権を持つのかと言えば電力会社であってはならないでしょう?)
 
関係者の皆さんその点をよ〜〜く理解してくださいね。そうでないと私は凄く悲しい・・・。
 

1998年12月14日 バーチャルシンクタンク“未来プランニング”中川修治
 

自然エネルギーを育てる市民による「グリーン・ファンド」をつくりましょう。
 


“グリーン料金10パーセント運動”

皆さんは、今使っている電気を作るために化石燃料を使う事や、後世の人たちに皺寄せのいく原子力発電で電気が作られることに心の痛みを覚えていることと思います。そして、多くの人が自分たちの使うエネルギーは太陽光などの再生可能エネルギーが望ましいと感じています。

でも、「自分の家には太陽電池を乗せるスペースがないから」、「今は、まだコストが高く、それだけの資金がない」といったことで踏み切れないのが実情です。そこで、わたしたちは、こうした人たちの思いを形にしたいと考え、自然エネルギーを育てる基金『グリーンファンド』を設立することにしました。
 
 


このファンドは、みなさんが毎月払っている電気代の1割で未来のエネルギーを支えるというものです。

さて、あなたの家の電気代はいったい、幾らぐらいでしょうか?一ヵ月に3000円?それとも5000円?もっとでしょうか?具体的にはあなたが一ヶ月3000円の電気代を払っているなら300円、5000円なら500円を未来の為にファンドに寄付します。

(毎月使う電気代を1割節約すればあなたの負担はふえません。それは、化石燃料の節約にもなり、環境負荷を下げることにつながります。また、これは産業界の反対で導入が遅れている環境税を先払いすることになり、先導的役割を果たすことになると考えて良いでしょう)

でも、お金をいちいち振り込むのは大変?そうですね。

で、この基金の集金業務は、電力会社に委託することにします。多くの人達が、この基金に協力することを約束して頂けるなら、その数が1000人、1万人といった数になるなら、必ず、電力会社もお金を取らずに協力してくれる事でしょう。(拒否したら、社会的責任を果たすつもりはないのかと、企業責任を追及しましょう)

基金の運営は公開で行ないます。インターネット上にすべて公開します。(ノン・プロフィットな団体ですから隠すことはありません、また、こうしたファンドの内容は隠すべきではありません。公開して恥じることのないファンドの使い方をしましょう)

批判や意見を積極的に取り入れることによって望ましい組織運営の実験をも行う事ができると思います。

別に、これで利益を上げる必要はありません。ただ、このことによって将来、望ましいエネルギー供給システムを作り上げて行けるように為ることを望んでいるだけです。



このファンドの取り組む事業は、

太陽光発電などの環境負荷の無い再生可能エネルギーの普及活動と省エネルギー啓蒙活動です。

(ファンドに寄せられた基金をもとに下記の活動を行います。)

 
こうした運動は、政府や企業が負担すべきだという意見があります。まことに、もっともな意見ですが、政府や企業が、これ迄、こうした我々の要望を聞き入れてきたことがあったでしょうか?やる気のないのはこれ迄の対応から明らかです。これまで、人任せにしてどれだけの事が出来たでしょうか?どんな仕組が出来たでしょうか?

こうした問題を専門家や企業に任せてきた結果が原子力発電で40パーセントの電気を勝手に作られてしまう事をゆるすことになった事を忘れてはいけません。さらに既得権益のなかで、こうした予算が新たに設けられるとは考えられません。予算措置が行われても役人が増えるだけ?だったりします。

むしろ、だからこそ、我々は、自らの手でこうした仕組を作り上げる必要性があると考えます。

私たちは自分たちで管理できる仕組を作らねばなりません。そして、これは新たな自分たちの参加出来る社会的枠組みの実験ともなると思います。皆さんの参加を願っています。
 



これに関連して東北大学の長谷川先生から寄せられた記事 (メールです)

 生活クラブ生協などが消費者サイドで、消費者運動として、このアイデアにどう反応するのか、批判も含めて楽しみにしています。定率方式だと節電運動にもなるというのは中川さんのアイデアを借りたものです。滋賀県の環境生協のように、組織力がある消費者運動では、かなりいけるのではないかと思います。
 以下は15日用の対生活クラブ生協用のレジメです(本番は泊原発3号炉増設計画の問題点について、もう少し付け加えたものになるでしょう)。参考になれば幸いです。ホームページに転載してくださっても結構です。

長谷川公一
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再生可能エネルギーを育てるために市民ができること

−プラス10%グリーン電気料金運動のすすめ−〈脱原子力の新しいシナリオ〉

1996.10.15

長谷川公一(東北大学文学部・環境社会学)

1.考えたいこと
 1.1 電気料金は安ければ安いほどよいのか?
 1.2 原子力発電所をこれ以上増やさないために、市民に何ができるか?
 1.2.1. 新潟県巻町の住民投票結果に、都市の消費者としてどう答えるか?
 1.2.1.1 北海道電力泊3号機増設計画をどう考えるか?
 1.2.1.2 誰もが住宅用太陽光発電(3kW)を設置できるわけではない
       政府助成を得ても最低200万円程度の自己負担、一戸建て、南向きの30m2上の屋根面積、近い将来改築計画がないこと----
 1.2.1.3 「反原発運動」は表立ってやりにくい(?)
 1.2.1.4 気軽に、楽しく、生活クラブ生協の組織力を生かして、しかも敵を増やさずに、地域の未来のために、そして地球の未来のために、原発を増やさずにすむ運動に取り組めないか?

2.SMUDから何を学ぶのか
 2.1 原発閉鎖後、電力公社に何が起こったか?
 2.1.1 どうして短期間に、どん底状態から世界をリードする電力公社へ転換できたのか?
 2.1.2 「節電は発電である」
 2.1.3 コミュニティのためのボランティアによる太陽光発電
       電力公社に屋根を提供する+月4ドルの割増料金(グリーン料金)を支払う
       電力は直接電力公社へ 
 2.1.4 リーダーシップとビジョン

3.アメリカ・ヨーロッパの解答----省電力・エネルギー利用の効率化・再生可能エネルギー育成
過渡期における天然ガス火力・石炭火力、将来の燃料電池・水素利用
小規模分散型発電、エネルギー自立型コミュニティ建設

4.提案型の新しい市民運動
 4.1 パートナーシップとコラボレーションの違い
    コラボレーション=対等性・透明性・領域横断性・限定性・非制度性
       〈自立した複数の主体が対等な資格で、具体的な課題達成のためにおこなう、非制度的で限定的な協力関係ないし共同作業〉
 4.2 運動・提案例
 4.2.1 公共施設1%節電運動(川越市) 使用量3%節電、6%月500万円の電気料金減額
 4.2.2 太陽光発電トラスト運動(宮崎県・滋賀県) 設置費用を有志で出し合う
 4.2.3 住宅用太陽光発電設置費用の自治体助成(清水市)
 4.2.4 住宅用太陽光発電の5年間リース・払い下げ(京大・佐和隆光)
 4.2.5 日本版アーヘン方式(一橋大・栗原史郎)
       電気料金1%値上げで、発電単価170円/kwh相当額で、太陽光発電設置者から買い上げよう(現在25円/kwh)

5.プラス10%グリーン電気料金運動の提案----世界初の画期的提案
 5.1  ボランティアで月々の電気料金の10%を、再生可能エネルギーの普及・育成のために割増で支払う
        例.年間10万円(月平均8000円)なら、年間1万円を〈グリーン電気料金〉として寄付する
        1万件の参加者(以下、「契約者」)で、年間1億円が集まる(年間66世帯分の半額助成が可能)
 5.1.1 電力会社ないし関連機関が電気料金と同時に集金し、使途は再生可能エネルギーの普及・育成のためにのみ用いる
 5.1.1.1 会計はガラス張りに
 5.1.1.1.1 使途について、契約者が提案権や異議申し立て権をもつ
 5.1.1.2 契約者は寄付行為として免税の特典が得られる
 5.1.2 契約者は、一般消費者・企業・団体・自治体・政府機関などでもよい(職場でも、自治体でも取り組める)
 5.1.2.1 定率制とすることで、10%節電運動としても取り組むことができる
         (グリーン料金分は、節電することで相殺するように努力すればよい)
 5.1.2.2 10%の電気料金程度分の節電なら、生活水準や利便性は生活実感として現在とほとんど変わらない
           (企業・自治体なら5%の節電で、料金10%分の節電効果がある)
 5.1.2.3 自治体レベルで多様な取り組みが可能(電力会社の札幌営業所管内でのコラボレーション)
         例.札幌市域----札幌市役所として、市の公共機関で札幌市内のオフィスで生活クラブ生協などが中心となって、一般家庭で
                      (年間10億円集まれば、札幌市内で年間666世帯への太陽光発電の半額助成が可能に)
 5.1.3 運動の効果・意義
 5.1.3.1 目標----2020年に日本の(北海道電力管内の)発電設備の10%を再生可能エネルギーで
              日本全体で2億kW(総設備容量、95年水準)のうち、2000万kW(原発20基相当分)を再生可能エネルギーで
 5.1.3.1.1 グリーン料金の10%分(一般家庭で年間1000円分)は、第3世界の無電化地域の電化費用として拠出する
 5.1.3.1.2 10%節電運動で、日本全体の最大電力を95年水準におさえる(ピーク需要のゼロ成長)
 5.1.3.1.2.1 月々の電気料金の変動に関心をもつ(節電効果)
 5.1.3.2 自治体・政府・電力会社の再生可能エネルギー育成・普及策本格化への社会的圧力に
 5.1.3.2.1 炭素税導入の社会的実験として
 5.1.3.3 具体的な使途----半額助成枠の拡大、公共施設への設置費用→発電電力の買い上げ価格の上乗せ分の財源に
 5.1.3.4 予想される批判----原子力偏重の電源特会の予算配分を変えればすむではないか。その方が先決だ
*5.1.3.4.1 政府依存の要求型運動から、市民主導の提案型運動へ。わがままな消費者論の克服*
*5.1.3.4.2 福祉・教育問題などへの応用可能性*
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HASEGAWA Koichi
hasegawa@sal.tohoku.ac.jp

please visit my new home page: Sorry, many topics under costruction,
and mainly in Japanese

    http://www.sal.tohoku.ac.jp/~hasegawa/

Associate Professor, TOHOKU University,
Department of Sociology, Faculty of Arts and Letters
Kawauchi, Aoba-ku, Sendai, JAPAN 980-77
TEL/FAX:81-22-217-6032
FAX:81-22-217-6086
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1999/01/11

で、出ました。結果が・・・やった!パーセンテージは半分の5%で海外への強力プログラムは無いけれど、定率であると言う事と、考え方の基本がオリジナルのコンセプトに添ったものだと言う事で評価できますね。あと、風力発電に取り組むと言うことでは、現在多々の障害があります。が、どう実現していけるか、北海道生活クラブ生協に頑張ってもらいましょう。フレーフレー!
 

 北海道新聞 ■トピックス 

 01月 11日 23:30 更新

      5月にも北海道グリーンファンド設立 電気料5%を積立基金に

       風力発電など環境にやさしい自然エネルギーを活用した市民の手による発電所づ
      くりを目指した、NPO(特定非営利活動)団体「北海道グリーンファンド」が五月にも設
      立される。発電所建設の財源は、この運動に参加する市民が毎月の電気料金に
      五%分を上乗せし、これを基金として積み立て、ねん出する。生活クラブ生協北海道
      (本部・札幌市)などが中心となり同ファンド準備会を昨年十一月中旬に発足させて
      おり、今年四月から運動を行う。全国的にも初めての取り組みで、同準備会は「大勢
      の道民に参加を呼び掛け、自然エネルギーを広く普及させたい」と訴えている。

       同ファンドは、原発や石油依存のエネルギーから脱し、風力や太陽光などの自然エ
      ネルギーを中心とした電力システムの確立を目的とする。その具体的な手段として、
      数年後に風力など自然エネルギーを利用した発電所を市民の手で道内に建設するこ
      とを目指す。

       建設の財源は、「グリーン電気料金運動」によって賄う計画。具体的には、運動に
      参加する市民が毎月支払う電気料金に五%分を同基金として上乗せし、それを北海
      道グリーンファンドへ積み立てる。仮に一世帯八千円の電気料金とすると、ファンド分
      として毎月四百円の支出増となる。しかし、参加者には、電気料金の支出が増えな
      いように五%分の節電を呼び掛ける。同準備会は一万世帯の参加を目標にしてい
      る。三月には、生活クラブ生協の組合員数十人を対象に「グリーン電気料金運動」を
      試験的にスタートさせる。

       欧米各国では、風力などの再生可能な自然エネルギーによる発電が急増してい
      る。オランダや米国カリフォルニア州などでは、少し高めの電気料金を利用者が支払
      えば、自然エネルギーによる電気を選択できる制度が導入されているが、日本には
      そういった制度はない。

       同生協の鈴木亨事務局長は「発電所づくりの市民運動を通じて、電気の利用者が
      その種類を選べるシステムづくりにも運動を展開していきたい」と話している。同準備
      会は、ファンド設立後の会員を既に募集している。問い合わせは同準備会(電話)01
      1・665・1717へ。


1999/12/20

 で、時代が負いついてきた?
 

        asahi.com perfect 1999/12/18?
 

東電が自然エネルギー希望者に「グリーン料金」導入へ
 

                         東京電力は16日、風力や太陽光など自然エネルギー
                        の利用拡大を求める消費者に電気料金を上乗せして徴収
                        する「グリーン料金」を来年4月から導入することを明らか
                        にした。上乗せ幅は毎月5―10%程度とする方向で、集
                        まった資金は自然エネルギーを利用する発電設備などに
                        投資する。「グリーン料金」は、欧米で採り入れる電力会
                        社が急増しているが、日本の電力会社では初めて。自然
                        エネルギーを求める消費者が増えていることに対応したも
                        のだ。

                         電力事業は来年3月から大口電力の小売り自由化が始
                        まる。同社はこれにあわせて、自由化の対象になる大規
                        模工場やビルなどの大口需要家以外にも、新たな料金メ
                        ニューをつくる考えで、一般消費者向けとして、選択制の
                        「グリーン料金」を設けることにした。通常の電気料金への
                        上乗せ分に加えて、同程度の金額を同社も拠出して、自
                        前で風力発電所を建設したり、太陽光発電装置の設置に
                        助成したりすることを検討中だ。

                         同社によると、欧米では最近、「グリーン電力制度」を導
                        入する電力会社が急増しており、米国では50社以上、ス
                        ウェーデンでは48社、ドイツでは15社、英国では11社が
                        導入したり、導入計画を打ち出したりしているという。その
                        結果、ドイツなどでは風力発電が拡大している。国内では
                        札幌市の生活クラブ生協北海道が今年3月から、風力発
                        電所の建設に向けて、北海道電力に支払う月々の電気代
                        に5%を上乗せした額を集める「グリーン電気料金運動」を
                        独自に始めている。

                        (03:10)
 
 

しかし、これも良心的な人が犠牲になると言うヒロイズムを持たねばならない制度だよな。再生可能エネルギーを選んだほうが得になると言う枠組みにすべきでしょ。それをやったのがデンマークでの風力発電の振興策ですよ。 


  2002/10/19

このファイルで私たちが訴えていたグリーン料金制度の枠組みで支えたいと思う運動を進めている方々が居る。これは日本の海外協力の有るべき姿を提示している地道な活動だ。本来、こうした支援活動こそが公的な運動として進められるべきものなんだと思う。

国際協力NGO ソーラーネット   http://solar_net.tripod.co.jp/