2006/07/10

負荷平準化効果寄与度への経済的価値は・・・


既に1991年の電中研の研究において太陽光発電の負荷平準化効果は認められていま す。これは電中研の資料検索で引っかかりましたので、知りたい方は電中研の研究資料をHPから検索し調べてみれば分かります。

さて、では太陽光発電の負荷平準化効果においてどれほどの価格が提示されるべきかについて考えてみました。(以前に一度、こうした社会的な費用が支払われ るべ きだと言う数字は出してはいますが・・・)

勿論、これは自然エネルギー導入を促進させると言う前提で考えていますが、そのコスト負担に関しては公平性を欠かない観点で見ているつもりです。異論があ る場合は指摘していただけたら幸いです。

http://trust.watsystems.net/kaitori2005.html   

太陽光発電、これは、当然ピーク対応電源の扱いとすべきもので有る。

ならば、その、その価格は一体幾らとなるのか・・・。こ以下に日本の現状に即して参考となる数字が公開されていたのるのでご紹介する。


揚水発電所の発電原価について

電力中央研究所の丸山真弘氏が1997年3月の公益事業研究に出された「最近の電力卸供給入札について」と言う論文にはモデル電源ごとの発電原価の 上限価格が載っている。この中にピーク対応の電源としてあげられているのが揚水発電で、東京電力が試算したと見られる数字が掲載されている。
 
<2000年運転開始・利用率10 パーセント、今後10年に運転開始する揚水式水力の平均的モデルとされているものの発電原価は33.4円>

となっている。また、関西電力は

<1999年運転開始・利用率70パーセントの火力発電所の加重平均をベース電源として挙げていてこれから換算したピーク対応の電源コストを 31.96円>

としている。


何れも、オール電化で電力企業が一般消費者に夏季の昼間の電力使用時に要求する電力価格とほぼ同等の数値である。つまり、それは電力のみの価値とし ても、時間帯別に適正に計算したコストであると言うことだ。

勿論のこと、当然、これがピーク電力価格の計算根拠基準となるべき数字だと言うことになる。

ただ、太陽光発電の持つ問題点として、日照に左右される変動すると言う欠点が挙げられるが、この出力変動への対応効果に関しては、上記の電中研の研究から バッテリーを併設することでその出力の100%が負荷平準化効果を持つと研究成果が報告されている。

では、このバッテリーの費用負担はどう処理されるべきなのだろうか?もともと太陽光発電の設置者には電力側の要求から、契約電力の基本料金として出力相当 を支払うことが要求されている。これは、電力の側がその変動分を含めて対応する費用として最大需要にと同じ費用負担を求めているものだろうから、当然、こ の変動に対応する費用としては電力側が負担すべき性質のものだと言えるだろう。

つまり、もし仮に今後系統連携においてピークを安定させるのに必要な費用の負担をどちらがするのかということを議論するにあたっては、この安定化費用= バッテリーの設置費用は電力企業が負担すべきものだと考えるのが妥当であると考えられる。

では、このバッテリーは何処に置かれるべきものだろうか?それ自体は、系統に対し最も安定した電力供給の一部となるだろうから太陽光発電設備に併設される のが最も妥当な運用方法であると考えられよう。

さて、そうした運用に関して先進的な実例が現在進行中である。

すでに、これは九州電力管内で太陽光発電設置者に向けて販売されている商品で、現在、この費用は電力企業ではなく設置者がバックアップ電源としての価値も あるとして全面的に負担させられている。

http://www.eco-energy.jp/eco/hibrid.html

しかし、本来、これはアンシラリーサービスとして全ての電力消費者に費用を求めている電力企業こそが負担すべき性質のものだと考えるのが妥当なのだと思え る。そうでなければ、電力が出力に応じた基本料金の請求をするべきではないことは確かだ言える。

以下参考までに・・・

    以前にも指摘しましたが、電力の社会的な市場での価値の決め方と、環境価値の決め方が逆であると言う事です。
   
電力の市場価格(価値)は、どうやって決まるのか・・・。という事を念 頭において。(勿論、自由化によって市場が適正な価格指標を出すという前提で考えてみると・・・)
   
  1.  電力価値はその時刻時刻において必要とされる電力分の設備の減価償却分と燃料費によって決められる。(これによって無駄な設備投 資は行われないと仮定←自由化論者の理屈です)   
  1. 既存の電源、火力、などを基本にそのコスト計算は行われるが、CO2排出量に応じてその価格は補正されるべきである。(環境ペナルティー補 正)また、原子力・化石燃料などに関し既に競争力を持っているとしているので、政治的な補助金などの優遇措置分をすべてそのコストに算入すべきである。勿 論、ドイツで行われた試算のように保険費用もそのコストに算入すべきものである。(これによって正しいコスト競争が行われる) 
  1. 自然エネルギーは導入コストの如何に関わらず、それが100%になるまで優遇されても良いものだと思われる。但し、社会的な必要度の応じ、そ の特性から、風力発電は変動するベース電源として、バイオマスなどは出力調整可能なミドル電源として、太陽光発電はピーク対応電源として扱うべきである。
  1. 上記の時間帯別の価格からのそれぞれピーク対応、ミドル対応、ベース電源対応の差額分を補填する金額が環境価値分としてそれぞれの種類別の自 然エネルギー発電設備に支払われる。この際に 支払われる発電原価分の補正価格は電源種類別に決められるが、その際の価格決定は、その設備の稼動時期の前後1年のサンプリング平均価格から決定される。