2000/12/03公開

湖国21世紀記念事業協会からの事業内定通知

下は先に滋賀県が募集した市民事業への支援を目的とした湖国21世紀記念事業への応募結果の内定通知です。先月初めに審査が行われました。審査には今回のプロジェクトの代表になっていただく「いしべ市民共同発電所“てんとうむし1号”くん」の設置場所提供者の溝口さんと事務局・中川が参り、今回の企画について説明を致しました。

湖国21世紀記念事業 に関しては滋賀県のHP をご覧下さい。 http://www.shiga21.com/entrance/jigyo/index.htm
このうちの県民主体事業  http://www.shiga21.com/library/12-2riji/2keikaku-2.htm


湖21協1700号
2000年11月27日

びわこ・お陽様基金様
湖国21世紀記念事業協会
事務局長 藤田 博
  む一ぶ                             
一夢〜舞めんと滋賀一“水といのちの活動”の内定について


晩秋の候ますますご清栄のこととお慶ぴ申し上げます。
         む一ぶ
このたびは、「夢〜舞めんと滋賀“水といのちの活動”」にご応募いただきましてありが
とうございました。新しい世紀を迎えるにあたって、日頃の取り組みを基にした意欲的な
活動を企画いただきましたことに対して、感謝申し上げます。
                                  む一ぶ
さて、審査の結果、応募いただいた企画による活動で「夢〜舞めんと滋賀」(湖国21
世紀記念事業)に参加いただくことに内定しましたので、ご連絡いたします。
また、審査委員からのコメントおよび2000年度支援金内定額、活動計画を具体化す
る目安としての支援金参考枠をあわせてご連絡いたします。

○ご応募の活動名

「ぴわ湖・お陽様基金」

○活動企画への委員意見

発電施設整備補助ではなく、太陽光で発電される価値を評価しようとする、実験的な
取り組みに敬意を表します。
エネルギーの再生産と利用の仕組みについて、しっかりとした提言を期待します。

○支援金2000年度内定額75万円(支援金参考枠232万円)


※支援金2000年度内定分は既設の3箇所の発電所への発電原価奨励金として申請をしたものです。具体的には今後3箇所の発電所の設置と小規自立分散型地域エネルギー地域通貨関連研究費、グリーン料金制度、内国炭素排出権取引基盤整備研究、ミ ニフォーラム開催(3回)などを行う事として申請を行いました。

下記が応募に際し提出した企画書です。

2000/09/30


湖国21世紀記念事業「びわこ・お陽様基金」企画書


わたしたちは、これまで滋賀県内の3箇所に共同で太陽光発電所を設置・運用し、自然エネルギーの利用促進のための講演会や政策提案活動を行ってきました。発電所の設置に関わる費用はすべて会員が一口20万円ずつ出し合った自己資金によるものです。この運動はCOP3以降、全国的にも注目を集め各地での運動の先駆けともなっています。

一方、現在、国や自治体などが行う設置時の一時的な補助金による普及策では、先行設置者に経済的な不公平が生じる、補助金の総額によってマーケットの縮小が起こる、環境負荷のないきれいな電気の価値を示し得ないなど問題点があることも運動のを進める中で明らかにしてきました。

そこで、こうした欠点を正した公平で公正な新たな支援策を提示し運用する事で、広く一般の方々も参加できる自然エネルギー普及運動を進めたいと考えて今回、湖国21世紀記念事業の協力を得て以下のプロジェクト行いたいと考えています。

今回のプロジェクトでは湖国21世紀記念事業からの資金を基金として整備し、ここからそれぞれの発電所のきれいな電気の発電原価から電力価格を差し引いたものを発電量に応じて分配する新たな、全国でも始めての支援方式を試行することです。

また、さらに広く皆さんに自然エネルギーの重要性を認識していただくために、県内に新たに3つの市民共同発電所を設置し運用を始めます。出資金はさらに会員の幅を広げる為に10万円を一口とします。

(この発電所の設置にあたって必要とされる資金は自己資金として皆さんからこれまでの発電所と同様に集める事とします)

また、その運用と実施時におけるこれを基礎のおいた地域経済社会システムの可能性の研究を、地域経済研究を行う研究者や他の団体と共同で、より具体的に検証・研究し広くその成果を皆さんに還元する為に、一般の、皆さんを対象にした新エネルギー関連の講演会、フォーラム等を開催します。

実施時期

 2001年1月1日から始まります。各発電所への支援は20年間を予定していますが、基金として用意されるのは今回のプロジェクトでは1年分だけなので1年間試行します。

(この間に滋賀県において同様の公的な支援制度が施行される場合は、当基金の活動はその支援制度に引き継がれてこの基金の活動は終了する事とします。)

※ 今回の記念事業からの資金はこの初めての試みの資金として使われますが、支援の資金としては初年のみの資金しかありません。継続的事業とする為の方策を今後1年を目処にに研究します。

フォーラムは今年度一回来年度2回の計3回開催します。この他適時、県内で行われるイベントなどにも参加し自然エネルギーの普及活動を進めます。


市民共同発電所とは

今回、「びわこ・お日様基金」と共同で地域で環境負荷の無いきれいな電気を供給する市民共同発電所は、5年前に京都で開かれたCOP3への市民からの具体的な提案として実行に移されたもので、これまでに県内に3つの太陽光発電所が動いています。



太陽 」のめぐみを、 みんなのために! 

を合言葉に市民主導で進められた来たクリーンエネルギーの推進運動で、「市民の、市民による、市民のための、共同発電所」設置プロジェクト とも言われています。このプロジェクトは、一方的に、送られてくるものだと皆がおもっている電気を、自分たちの力でつくろうというものです。その為の発電所は、放射能や地球温暖化を引き起こすCO2や公害を出すことのない、太陽光・風力など、環境に負荷のかからないものでつくるものです。これまで、お日様のめぐみをわけて貰う太陽電池を使った発電所をみんなで作ってきました。滋賀県にはこれまでに3つが作られました。


宮崎の「太陽光・風力発電トラスト」を参考に以下の運営方針で進められてきました。
1、発電所は、設置に関わる費用を各プロジェクトの参加者が共同で負担。
2、発電所は、屋根を提供できる方と共同で運営。
3、発電所は、必ず、系統連携されるものとします。(皆さんに電気を届けるため)
発電された電気は、設置場所の提供者に一度、一括販売(価格は、その地域の電力会社に対する販売価格に準じる)され、この収入は、参加者みんなのものになります。このお金は、出資比に応じて、みんなに分けてられます。つまり、この分だけ自分の環境負荷のない電気をしているということなのです。機器のメインテナンス費用などはこの収入で負担します。

設置場所はこんな所に・・・

この設備は、障害者と共に歩む企業、共同作業所、福祉施設などみんなが利用し、役にたつ場所に設置され、未来をささえる子供達や、頑張って自立しようとする「仲間」を助ける手だてにもなってきました。さらに、そこに集まる人達の、エネルギーのことや、環境問題について学んで貰う良い機会を提供してきました。

※HPに掲載された3つの発電所の紹介を添付資料としました。テレビではNHK、MBS、びわこ放送で紹介されました。(ビデオでご覧下さい)

総発電量はそれぞれ、「てんとうむし1号」君が3600Kwhほど、「大地ー21」くんが3500Kwhほど、「じゃがいも1号」君が4300Kwhほどと設置以来、毎日、お日様の恵みを少しずつですが確実に電気エネルギーに換えて社会へ供給しています。これは総て電力会社の送電線つまり、系統に繋がっていて社会全体の環境負荷を下げています。これは勿論、個人で設置されたり公共機関で設置された総ての太陽光発電所でも同様の効果を持っています。

さらに、私達のプロジェクトに設置場所を提供されたところでは電力の使用量が2割から多いところでは4割も減るなど環境負荷の提言や環境問題への意識の高まりを見せています。それは電力会社の言う余剰電力と言う捉え方では決して見えない教育的な効果も見せています。

このプロジェクトでは設置に関わる費用は一切の補助金なく設置されました。その為、各発電所は同時期に設置された補助金ありの個人の発電所に比べて経済性で劣る事となりました。また、その後、国の補助金や自治体の上乗せ補助金などが出ているものと比べればますますその経済性は相対的に悪化しています。

ご存知の様に太陽光発電設備はこの数年で半額以下になりました。これは工業製品ですから量産されれば当然のことです。しかし、これを設置するにあたっては設置費用の一部への補助金が出ていましたが、その補助金を受けたとしても、設置に掛かった費用を回収するには、金利無しで考えても30年以上掛かるというものでした。(その為に他の補助金を当てにすると言う方々も出てきてしまいました)

私達の発電所が運用を始めた時点では価格もこうした方々がおられた事で機器の価格も下がってきて、1KWhあたりの発電原価になおしてみますとほぼ100円ほどです。しかし、この補助金は個人の住宅を対象としたもので屋根の無い人でも自分の分の環境負荷の無い電気をつくれるという市民共同発電所のような新しいパラダイムのものを対象とはしていませんでした。

現在はこうして先行設置者がマーケットを実証したことにより、メーカーが設備投資をして生産量が増え機器の価格が下がり機器の価格も低下し、(減価率を含んだ計算でも)発電原価は60円ほどとなってきています。これは先行設置者があってこその価格低下です。

しかし、考えてみればこうした電源を設置する先行設置者が犠牲的な精神で経済的負担を蒙らねばならない理由はあってはならないと思います。何故なら、この電源は送電線に繋がって社会全体で使われているからです。ならば、それは確かにその電気を使っている社会全体で支えられるべきものです。国の補助金もそういう理由があってのこと出されているのでしょう。しかし、十分にこのことが検討されているとは思えません。

つまり、太陽光発電設備は確かに個人住宅の屋根などに設置されてはいるけれど、送電線に繋がっていてそこから電気が逆にも流れていると言う事で、これは社会全体の使う電源供給設備として、つまり社会全体のエネルギー供給の設備投資(インフラ整備)を行っていると考えるべきなのです。

(日本の設備への補助金は、社会的な設備投資に市民の資金を使うに当たって損を承知で金を出せと言う随分失礼な制度でした。この反省もあって、同じように一過性の補助金振興策をとっていた環境先進国と言われるドイツでは補助金制度を電力関連の法律を改正し価格保証制度に国全体で変えています)

しかし、現在の国の補助制度は機器の購入と言う本来の目的である環境負荷の無い電気を量としてどう増やすかを考慮したものではありません。さらに、設置年度によって負担が大きく異なる、不正受給が起こった、それによってマーケットの縮小が起こったなど、問題が多い制度でした。(事実は添付資料でご覧下さい)

ならば、本来の目的である環境負荷のない電気自体を評価するほうが、ベターであることはご理解頂けるでしょう。それが、今回、私達が試行するきれいな電気の生産奨励金です。これのモデルは環境先進国と言われるドイツの地方都市の一つアーヘン市で行われたレートインセンティブ・プラン(原価保証方式)です。(添付資料を参照してください)

これはそこに投下された資金の金利分を含む発電原価を保証するもので、実績として発電された電気の総量を評価するものです。(今回のプロジェクトでは発電総量を計測するメータを設置する事が条件となります)

私達の提案では、それぞれの発電所の発電原価を試算確定し、その発電原価と電力会社の設定している売買電価格との差額分をきれいな電気の生産保証としてそれぞれのプロジェクトへ還元する事とします。

この支援策は、言わば、環境負荷の無いエネルギーそれ自体を評価の対象としたものです。手段ではなく目的となる環境負荷の無い電気そのものを評価の対象としているのです。

(私達はこれを日本に導入する方策を考案し、HP上に公開し、県へもこうした方策を採られるように提案してきましたが、残念ながら、未だ実現していません。(滋賀県への提案も添付資料にありますが、これが基本形です。下記をご覧下さい)


(参考図K) 滋賀県へ提案したきれいな電気生産奨励金制度の概要
 
※ 現行の余剰電力購入制度の中でこれを実現するためには下記のようにすれば良い。  

きれいな電気の価格 = これまでの電気の価格 + きれいな電気生産奨励金
(発電原価)       (電力会社の電力価格)     (公的な支援制度で)
 
  (例) 1kW  125円  =     24.70円     +  100.30円            
       
※きれいな電気の価格は設備費が毎年下がりますから設置年度毎に改定され奨励金の金額も下がります。 

きれいな電気の発電原価 = [初期設置費用×1.05の20乗} ÷ 20年間の総発電量

レートインセンティブによる支援制度とは、われわれのような環境負荷の無い発電所で作られた電気の価格を社会的に高く評価するというものです。具体的には先に設置した人が損をしない価格で発電量の全量を評価します。電力会社との売買価格の差額分を奨励金として設置者に還元する事で実現します。
 


今回の湖国21世紀記念事業「びわこ・お日様基金」プロジェクトはこれを全国でもはじめて実現するもので、これによって公正で公平な支援策が実現することになります。ここで提示される考え方は個人の発電所にも適用されるべきものと考えています。また、こうした支援策が整備されればみんながこうしたことに投資するようになり社会的な資金の流れを作ることが出来る事でしょう。そして、それが持続可能なエネルギー供給とそれに支えられた地域社会のあり方を作ることに繋がるでしょう。それを見える形にする事が今回の最も重要な目的です。

(附則):

この基金に新たに参加する市民共同発電所は、年度毎の発電原価を確定する為に
その設置費用の書類を提出することと、他の種類の補助金を受けた場合はこの補
助金相当額をこの基金に寄託しこのプロジェクトからの支援を得ることとします。



また、今回のプロジェクトではこうしたことに使われる資金の流れと地域経済の関わりを下記の理由から研究課題とします。

新エネルギーと地域経済

新エネルギーへの投資が地域で行われれば一時的にはその地域から資金は流失しますが、そこからは生産される財として社会的な価値のある電気エネルギーを生産されます。勿論、これは電力会社の電気よりも価値があることは皆さんお判りいただけるでしょう。また、地域内で使わなければそれは地域外へと移出されその分だけ地域へと資金が流れ込むし、少なくとも其の分消費しても、それ以上に外部に支払う必要はありません。それを担保として地域通貨を発行し域内経済の活性化を図ることは理論上可能です。また、それによって地域内が活性化する方策も考えられます。

自然エネルギーは、太陽からのエネルギーを利用する技術ですから希薄なエネルギー資源です。それ故に大規模集中型ではなく分散型で権力も集中せず、市民が参加し、地域の眠った資源を生かすことも出来るものなのです。。

こうしたことを経済の基本とおくべき未来の持続可能な経済社会の基本構想を皆さんと一緒に論議するためにも是非とも、この基金構想を実験的に試行し、その成果を将来、市民共有の財産として生かしていけるように、以下の事を念頭にこのプロジェクトを進めていきたいと考えています。

  • 再生可能エネルギーの優位性を確立すること
  • 地域経済との関連を考慮したものを志向する
  • 世代間の公平性を確保すること
  • 自己責任の確立を基礎におくこと
  • 食い潰し経済から持続可能な経済システムへの移行を制度上組み込む事
  • 権力を集中させない分散型のシステムへ 
  • より豊かな未来を拓く為に多様性を確保する
  • 新たなパブリックという概念=公共圏の形成を目指す
  • 人々の持つ可能性を拓くこれからの地域社会のあり方

  • このプロジェクトは、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄の大規模経済の枠組みから、持続可能な分散型の自立した地域経済社会へと移行するためにパイロット・プロジェクトです。

    確かに現在、電力事業においては自由化の必要性が言われていますが、これは化石燃料などの既存の発電方式において地域独占による弊害を取り除こうとするものです。これは勿論、進められるべき事ではあるのですが、それによって次に時代を支えるべき自然エネルギーの普及が阻害されてはならないでしょう。その為にも自然エネルギーを支える枠組みは電力会社などに任せるのではなく情報を共有し、より良き未来を考える皆さんと共に地域で作り上げられるべきだと考えます。

    こうしたことは公共的な仕事で、これまでは公的な機関がすべき事だと思われてきました。しかし、今の日本の現状ではこうした根源的な問題提起をする事はなかなか出来ません。つい、公的な機関も前例主義に陥り、さらには単年度予算と言う枠組みで考えてしまいがちです。これは総ての組織と言うものが持つ悪弊です。だからこそ、私達のような市民が率先してやるべき課題だとも考えます。それも企業と言う枠組みでないノンプロフィットなセクターで行われるべきなのでしょう。そして、こうしたことが実績として積み重なるときに新たな公共=パブリックと言う概念が実体化するのだと思います。

    是非、このプロジェクトの意義をご理解頂きご支援くださるようお願いします。

     湖国21世紀記念事業 「びわこ・お陽様基金」 代表  溝口 弘 
    事務局 中川 修治
     

    ※添付資料 (ビデオとHP資料をコピーで提出します)
    原価保証方式(アーヘンモデル)説明 アーヘン市が出したもの。COP3で出された資料

    ビデオは NHK、MBS、びわこ放送のコピー アーヘンモデルの説明(NHK“明日を読む”)

    HPは「太陽光・風力発電トラスト」のものでそれぞれの発電所に関連のもの

    市民共同発電所の説明 (運動の経緯、活動実績、発電実績、各発電所のレポートなど)