20002/05/03

新エネルギー財団理事長のインタビューに関して


「太陽光・風力発電トラスト」運営委員・中川修治 

私はこんな批判的なものを書かなければならないのが残念だ。

以下は、日本工業新聞に載った太陽光発電の補助金の窓口となっている新エネルギー財団の理事長のインタビュー記事である。この記事の問題点を指摘しておきたい。これは太陽光発電の健全な普及を望むからである。(以下太字が記事、その他は私のコメントである)


2003/05/01 (日本工業新聞)

どうする日本のエネルギー:その戦略を考える(19)太陽光発電普及へ全力( 5/ 1)
 

□新エネルギー財団会長 山本幸助氏

 ■住宅向けに優遇税制を

 電力会社に対し、毎年度の販売電力量の一定量を新エネルギー発電で賄うことを義務付けた「新エネルギー利用特別措置法」(RPS法)が施行され、5月1日でちょうど1カ月。新エネルギー財団の山本幸助会長(トヨタ自動車相談役)は「RPS法を追い風に、住宅向け太陽光発電の普及促進を図り、1キロワット当たりの導入価格を現在の約70万円から半値以下の30万円に引き下げたい」と太陽光発電の低価格化に全力投球する。(奥長智機)

何故、30万などと言う数字を大声で言うんだろう?買い控えが起こるだろうに・・・。買わなくても済むようなものを買わせたいなら今買ったほうがお得だと言わない限りは誰も買いません。

 ◆シェアは世界一

 −−新エネルギーのなかでも太陽光発電の普及促進に、特に力を入れている。

 「太陽光発電は、日本が世界全体の設備容量の約四〇%を占め、トップシェアを持つ。風力や水力発電など他の新エネの普及は欧米に比べ遅れているが、太陽光発電だけは国際優位性が高く、米国(世界シェア二三%)、ドイツ(同一三%)を今後も凌駕(りょうが)できる自信があるから普及促進にも力が入る。シャープ、京セラ、三洋電機など太陽光発電の大手メーカーは世界に冠たる技術力を大いにアピールしてもらいたい」

確かに半導体技術ではこの方面は比較優位である。それも国策会社ではない家電メーカーが先頭に立ってその開発を担ってきた。政府はむしろその普及を阻んでいるのが現状だ。
 

 −−太陽光発電の普及状況は。

 「われわれが工務店百二社を対象に実施したアンケート調査(二〇〇〇年)では、工務店が施工を手掛けた新築戸建て住宅一千五百六十二棟のうち、百二十一棟に太陽光発電システムが設置されていた。このデータを基に計算すれば、住宅向け太陽光発電の普及率は七・七%。民間のシンクタンクの調査をみても、普及率は七−八%が多い。ここ数年間は、新設住宅着工戸数が伸び悩んでいるため、増改築の際に太陽光発電システムを思い切って購入してもらうなど、リフォームでの買い替え需要が増えることを期待している」

何かほかのファクターで売れることを期待してます。発電設備としてちゃんと認定しその役割を社会的に認めるべきです。屋根材として使えるというのはおまけです。タダの屋根材ならデザインが良くて安いほうが良いに決まっているでしょう。

 ◆1キロワット30万円へ

 −−太陽光発電システムの価格が高いことが普及のネックとされる。

 「われわれが住宅向け太陽光発電システムの補助金の交付を始めた九四年度当時は、一キロワット当たりの導入価格が約二百万円もかかった。だが、メーカー各社の懸命なコストダウンや経済産業省、地方自治体の普及促進策が功を奏し、この八年間で導入価格が三分の一以下の一キロワット当たり約七十万円にまで下がった。RPS法が施行され、今後は電力会社も意識的に太陽光発電の販売に力を入れるとみられ、半分以下の一キロワット当たり三十万円に引き下げることを目標に掲げ、普及促進に全力を挙げて取り組む」

高くたって買うんです。それが儲かるんならね。これは有望な投資物件であることを保証すれば良いだけだ。このコメントは損を承知でこれまで自腹を切って導入した市民の事は何も評価していない。これが家庭用太陽光発電普及を担っている団体のトップの本音なんだね。呆れます。税金で飯を食ってこられたにしては情けない認識。

ここで評価されているのはメーカー・経済産業省・地方自治体・・・。ふ〜〜〜ん、経済産業省のお役人が自分の懐から金を出したのかな?メーカーさんが自分の懐から金を出したのかな?違うでしょう。経済産業省のが出したといっている補助金の原資は税金です。私たちみんなが出したものです。企業の分は?(あっ、これは自らの資金負担でした)しかし、将来の利益を見込んでの先行設備投資です。彼らは今は儲からなくてもいずれマーケットが拡大したらその負債は回収できます。

しかし、先行設置で補助金を貰っていてもいまよりはるかに高い価格で設置した人たちは費用の回収なんて出来ません。金利無しでも45年掛かるのが8年前の設置した人たちです。でも、この人たちは系統に繋がっていて逆潮流で社会全体のためになる環境負荷の無い電力を日々生み出す設備に投資したんです。

 −−総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)新エネルギー部会は、二〇一〇年度に太陽光発電の導入量を九九年度比約二十三倍の四八二万キロワットに引き上げる目標を打ち出している。実現可能か。

これは今のままの施策では無理でしょう。彼らは買い取り価格はそのままでKwあたり単価さえ落とせば売れると信じてるようだがそれは認識が甘いと思います。買い取り価格が下がれば条件が悪いので売れなくなります。

 「現行の補助金による財政面での支援(〇三年度は一キロワット当たり九万円の補助金を交付)だけでは実現は難しい。太陽光発電システムが設置されている家を購入する場合は、住宅向け投資減税の対象にするなど税制面での優遇措置があってもよい。補助金だけでなく、税制面での導入奨励策が必要だ」

補助金制度の限界や、問題点は既に当方のHPで再三、指摘してきている。税制面での優遇なら生産財なんだから消費財を取るべきではないと言うことぐらいで良いんです。但し、それは発電原価がやっと購入電力料金と同じになった時点で導入すべき施策ですね。

 「また、高効率の太陽電池パネルを住宅の屋根だけでなく、外壁にも張り巡らした太陽光発電システムの実用化など政府が独創的なプロジェクトを打ち出して予算を重点配分、民間企業の技術開発を後押ししてもらいたい」

さらに、この予算って考え方、制度を改めることですよ。予算が足りなくなるとか余るとかは全てここに問題があるとすら言えます。別の導入量の目標なんてものも考えないでも良いんですよ。自由にみんながそこへ資金を出せるようにすれば良いのだから・・・。喜んで資金を投入するのは簡単なことだ。それが儲かるようにすれば良いだけ!です。

目的は太陽光発電装置の設置ではない。それは手段です。目的は環境負荷の無い電力を生み出す事なんですから、その生産された電力量自体を評価すれば何ら問題無く適正に資金を出せるでしょう・・・。

環境負荷の無いきれいな電気をそれなりの価格で評価する=買い取る制度を作ればいいだけなんだということが分からないんでしょうかね?実に不思議。

 《やまもと・こうすけ》67歳。東大法卒。59年通産省(現経済産業省)入省。官房長、機械情報産業局長を経て91年産業政策局長、92年6月退官し同年7月三和銀行顧問。94年9月トヨタ自動車常務、96年副社長、01年6月退任し相談役。同年7月から新エネルギー財団会長、同年9月から日本商事仲裁協会理事長も務める。長野県出身。


日本の官僚の考え方の基本が出ている典型的な例だと言えるのかなと思います。

つまり、予算と言う考え方です。建物を建てるとか、何時までにいくつ作るとか予定を決めてやると言う考え方は自分たちだけでやるなら問題は無いが、太陽光発電装置をマーケットで売るとなると話は違う。それよりも先に上の述べた方策で十分でしょう。