2006/04/07

家庭 用太陽光発電、あなたは損してるか得してるか・・・
一目瞭然、年度別発電原価でみる


下記のグラフはNEF(新エネルギー財団)のHPに掲載された太陽光発電のこれまでのシ ステム価格と発電コストと導入量と補助金の金額である。結構、面白い数字がでている。


※1995年の数字はちょっと問題ありだ。この年は実売価格でその前の年度のう30%引きでメーカーからは出ている。だから、本当はこのkWあたりの設置 費用は140万円で発電原価も98円/kWhである。幾らなんでも120円/kWhはちと高い、ま、高くても105円ぐらいが適正な価格である。で、後ろ のほうにも書いたが、国から出された設置時補助金とか電力会社から出された変な補助金とかを一回、基金に拠出してから新たにその時点から20年間、年度ご との発電原価を受け取るというのがもっとも正しいやり方である。

NEDOの原価計算式で年度ごとの家庭用太陽光発電システムの発電原価を示した。(数字の単位は円/Kwh)これは、確定したものの平均値である。

支援スキーム
2 分の1補助
3 分の1補助
定 額制

年 度
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
金 利6%修繕・保守費率1%/年
166
120
110
97
83
83
73
64
55
50
46
円 /kwh
(補助金込み数値)
83
60(41)
55
64
61
55
48、55
53
41
42
42
同上
金 利4%修繕・保守費率0%/年
125
90
83
73
69
62
55
48
41
38
34
同 上
(補助金込み数値) 62
45(31)
41
49
46
41
37、43
40
33
35
31
同上
金利1%修繕・保守費率0% /年
94
68
63
55
52
47
42
36
31
28
26
同上
(補 助金込み数値) 47
34 (23)
31
36
34
31
27、 32
28
25
26
25
同 上
 設備費用
180
130
120
105
100
90
80
70
60
55
50
万円/kw

上記の表の赤の行は、金利1%修繕・保守費率0%/年は最も収益率の低い場合で補助金を受けてた場合の発電原価である。つまり殆ど、儲からない条件で見た 数字である。普通の人は損しないならいいと考えてこの数字で計算しているだろう。

さて、これを見ると大体、ピンクになっている2002年ぐらいからオール電化にするとか夜間電力料金体系に変更すると見かけ上は損をしないという風に見え るところまできている。これは公的な資金だけで計算した場合で、これにさらに電力企業がNPO経由で資金を供給したもので発電原価は20円以下というもの もある。

さて、貴方は発電原価はどのあたりろうか?計算式は下記のNEDOの計算式を使えば計算できるのでやって見られると良いだろう。1995年の不正受給の場 合の最大数字を(23)で記してあるが、ま、しかし、こうしたずるをしない限りは後に設置するほど損をしないで済む補助金であったことは確かだ。

ただ、最低でも赤のラインに記されている電力買い取り価格が保証されてやっと儲けなしだという発電原価である。つまり、この価格以下で買い取られている場 合は完璧な赤字経営であり、普通の企業ならとっくに倒産していることになる。ま、収益を考える企業ならこんな馬鹿な金の使い方はしないだろう。

ドイツ型の真っ当な発電原価を受け取るならば幾らになるかは、年間の自分の発電所の発電量にこの発電原価を掛けて見れば出てくる。それは、本来、貴方が受 け取り権利のある数字だということも確かだとろう。それは真っ当な事業なのですからね。

また、この25円という発電原価は現状では電力企業によって保証されているものではないので、買い取り価格が下がればこの計算は成り立たないことも付言し ておく。



ん、じゃ、一体どうしたら良かったのかを考えて見ましょ。(これから、どう変えたら良いのかを書きに記しておきます)
  1. はじめからドイツと同じように、3分の2の補助をだしておけば、ここまで格差が大きくなることは無かったし、勿論、不正受給も起きなかっただ ろう。
ただ、それでは電力の買い取り価格が下がった場合の問題は解決できない。そこで
  1. 発電量の全量を対象に発電原価を保証する方式に変更することが最も公平で公正な仕組みになることは明らかだ。
勿論、設置時に受けた補助金は一度、返すほうが良い。そうすれば、正しいお金の使い方に戻せるのだから・・・。勿論、返したくない人は返さなくても構わな い。ただ、この発電原価保証による支援制度の対象からはずせば良いだけのことである。

では、その発電原価は如何にして決めるのか・・・
  1. お金が無い人でもお金を借りて返済可能な資金を供給しなければならない。太陽光発電をする場合に限ってのローンを組み、その利子補給をするこ とでそれは可能だ。正しくは、その資金を借りた金利を含めて20年で返済可能な発電原価を保証することで市場は確保できる。
では、その金利は幾らが適切なのか?
  1. 上記の表からみるならば、最低でも4%の金利で計算したものだろう。(黄色の帯に帰された数値)
生産される電力の全てに対して、ここに示されている発電原価のうち黄色部分の価格で20年間支払われるなら、既設の人も新規に設置しようとする人も公平な 負担で太陽光発電を設置したことになる。(但し、設置時補助金の返還を前提。不公正な公金の不正受給が行われていて1995年の数字では10円以上の格差 が出ている。勿論、他の時期にもそれは行われていたが、この年が最も大きな較差を生んでいる)
  1. 何故にこうした措置が行われるべきかは改めて問うべきことも無いだろう。公金という社会を維持する費用を効率的に且つ、公平で公正に分配し、 適正に運用することを考えるなら当然の措置なのだから・・・。
実はそれでも後から設置した方々が得するんです。だって、そもそも発電原価が安いのですから、同じだけの金額で作られた設備の規模はすでに4倍分ですから ね。それなのに、この方式に変えないというのは実に変なんですよ。


【付録】

  太陽光発電システムの発電コスト算出法 
〈前提条件〉                           
太陽電池の耐用年数を20年とする。                           
金利は6%とする。なお、電力価格の上昇による金利の補正(実質化)は行わない。                           
修繕・保守費は年当たり建設費総額の1%とする。                           
用地費、人件費、一般管理費、公租公課は無とする。                           
                           
発電規模P(kW)の場合                           
[発電コスト](円/kWh)                           
=([年間装置費](円/年)+[年間修繕・保守費](円/年))÷[年間発電量](kWh/年)                           
=(8.719×[建設費総数]÷100+[建設費総数]÷100)÷(1051.2×P)                           
=[建設費総数]÷(10815.9×P)(円/kWh)                           
@ [年間装置費]:[建設費総数]を耐用年数で定額償却するための年間費用(円/年)                           
=n×[建設費総数]÷100  (耐用年数=20年、金利=6%の場合、n=8.719)                           
A [年間修繕・保守費]:年間のシステム修繕・保守費(円/年)                           
=a×[建設費総数]÷100  (aは修繕費・保守率=1%)                           
B [年間発電量]:発電規模PkWシステムの年間発電量(kWh/年)                           
=365(日/年)×24(時間/日)×P(kW)×[システム利用率](=12%)                           
=8760×12×P÷100                           
=1051.2×P                           
                           
上式は、 [発電コスト](円/kWh)=[総建設費](万円/kW)÷[発電コスト換算係数]と整理することができる。システム利用率を12%、償却年数を20年 とした場合の発電コスト換算係数は、以下の表のようになる。                            
                           
発電コスト換算係数 金利(%)
1 2 3 4 5 6
修繕・保守費率(%/年) 1 1.607 1.477 1.361 1.258 1.165 1.082
0.2 1.831 1.664 1.519 1.391 1.278 1.179
0 1.897 1.719 1.564 1.429 1.31 1.206

(例1:1kW当たりの総建設費が100万円の場合)                           
@ 金利6%、修繕・保守費率1%/年とすると、発電コストは:100÷1.082=92円/kWh                           
A 金利4%、修繕・保守費率0%/年とすると、発電コストは:100÷1.429=70円/kWh                           
(例2:1kW当たりの総建設費が30万円の場合)                           
@ 金利6%、修繕・保守費率1%/年とすると、発電コストは:30÷1.082=28円/kWh
A 金利4%、修繕・保守費率0%/年とすると、発電コストは:30÷1.429=21円/kWh

出典:太陽光発電技術開発に関する中間評価
ニューサンシャイン計画における太陽光発電技術開発の今後の進め方,
産業技術審議会 エネルギー・環境技術開発部会評価委員会,平成8年7月30日
産業技術審議会 エネルギー・環境技術開発部会太陽エネルギー分科会,平成9年3月17日

著作権者:新エネルギー・産業技術総合開発機構