2006/04/12

綾の照葉樹の森に送電鉄塔は不要だったのだ。

ピー ク対応電源として有効な太陽光発電設備の設置で
お馬鹿な小丸川揚水発電所
は不必要になった筈だった。


太陽光発電のネックは昼間しか発電しないことだと言われている。しかし、この昼間しか 発電しない太陽光発電設備が一度、系統(電力会社の送電線)に繋がれるとそれは不安定でも貴重なエアコン=冷房需要ピーク対応電源となる。

家庭用太陽光発電は下記の様な発電特性を持つ。そして、電力需要はそれに対応するカーブをもつ(朝日新聞のサイトから)


確かに不安定であるが、発電の時間帯を見るなら右の使用側のグラフをみるとそのピーク に対応していることが分かる。特に最近増えてきている業務用(金儲けのためのオフィスビル・パチンコ屋さん・大型ショッピングセンターなど)の冷房需要 ピークに対応する電源として役立つと言うことが分かるだろう。雨の日などはこの冷房需要 のピークは確実に下がっているのだ。



特にこの時期のピーク対応電力需要に備えて電力企業は揚水発電所というものを用意している。
さて、下記のファイルを別のウィンド ウで開いて見比べられたい。

小丸川幹線(おまるがわかんせん)工事の概要
http://www1.kyuden.co.jp/effort_water_kansen_kansen0

夏季の日間需要曲線と電源の組み合わせ(平成13年度夏季)  夏季の日間需要曲線と電源の組み合わせのグラフ
夏季の日間需要曲線と電源の組み合わせのグラフ
ここでも揚水発電所が社会全体のピークを担っていることを強調している。このページでは電力供給のうちでピークがかなり重要だと言うことは理解できる。

また、問題となった綾の照葉樹林を引き裂くように立てられた送電鉄塔に関しても電圧の問題と容量の問題で既存のものに繋ぐことが出来なくて新たに川内原発 などにつながる50万ボルトの基幹線に繋ぐことの必要性を述べている。それは出力120万kWという巨大な設備だから必要になるわけだ。

しかし、如何にも硬直化した考え方で計画されている。

さて、この揚水発電所に掛かった2300億円でどれほどの太陽光発電を設置できるかを試算してみる。

家庭用太陽光発電は2005年末で大体、1Kwの システム価格は50万円から70万円である。(これを談合無しで設置したなら50万円/Kwで設置することは可能だろう)となると、総設備容量46万Kw のピーク対応発電設備が作れることになる。

さらに付け加えておくが、この揚水発電所のコストだ。設備に掛かった初期費用だけでは実はすまない。揚水発電は、必ず、電力を使って水を上げ ねばならない。理由はこれは発電所ではなく物理蓄電池だからだ。水の位置エネルギーで電力を溜めるだけの装置なのだ。だから、水を上げるための電気代が掛 かるのだ。この発電設備は最も電力企業が安いと言う原発の電力を使っても1Kwhにつき6円50銭は最低でも掛かると言う計算になることは覚えておいて貰 いたい。

さらにこの揚水発電所の為にダムが作られ、それが川からの砂の供給を止め、海岸の浜欠け現象の遠因ともなっている。そして、海岸の護岸工事費用は電力会社 に要求されないで、税金として私たちに請求されるのだ。

そして、その代替として消費地に太陽光発電を設置することを提案する。

勿論、これは家庭や工場、ショッピングセンターなどの電力使用のピークに対応する場所に設置されるのが妥当だ。それ によって得られるメリットは単に揚水発電を作らずに環境破壊をしないと言うだけではない。実は、系統の負荷の平準化にも役立つのである。一時期に大量の電 力が流れることで電力企業の持つ配電網には過大な負荷が掛かるので大容量の送電線や変電設備が必要となるのだが、電力の大量諸費地に分散型の電源が入るこ とでそれを避けることが出来るのだ。つまり、これによって系統の安定化と長期に亘る機器の劣化が避けられるようになり、コストの削減にも役立ち電力料金の 引き下げも可能になるのだ。

だから、こんなお馬鹿な電気を使う揚水発電所などは止めておいて、家庭用太陽光発電設備などの設置に積極的に資金を供給すれば、こうした不合理な揚水発電 と言う環境ぶち壊し景観破壊の設備などは作らなくても良かったのだ。その費用の、2300億円を使って1Kwあたりにつき10万円の支援をするとしたら 1Kwは40万円で設置できることになる。そうすると現状では市民が出すお金が同じならば3Kwのものを4Kwにしてもらえるだろう。これだけで自分らの 資金だけで作ったら46万キロワットなのに、市民が協力したらその4倍の発電設備を作れたのだ。凡そ180万kWにはなる。

設備稼働率からすると一度に180万kWは出来ないが、発電特性からみて十分に120万kWの揚水発電所の代替には十分なりうる。

さらに運用すると1Kwhに先に述べたように6.5円掛かるのだからピークだけでも6.5円、太陽光発電からの上乗せ買い取りを実施するだけで誰もが喜ん で進んで設置するようになるだろう。オール電化にした場合に一般電力需要家に販売する電力価格の32円とは言わないが30円で買い取るだけでも皆さんは喜 んで太陽光発電設備を設置するだろう。(ま、それほどの価値のある電力だと言うことなのだ)

そうするとことで日本で生産された太陽光発電設備は正しく日本のピーク電力需要をささえる社会全体を支える環境負荷の無い未来のエネルギー供給のインフラ となり得るのだ。そして、それは勿論、年間1Kwにつき1000Kwh以上の環境負荷の無い電力を社会に供給することが出来るのだから、全体では、120 億kWhの環境負荷の無い電力を供給することになるだろう。それは九州電力の全電力販売量の凡そ12%以上にもなる。

私が電力会社の経営者なら躊躇無く、そうした方策を採ったことだろう。それこそが、未来の地域社会と共生する企業の望ましいあり方だと思う。小賢しいマッ チング ギフトだとかの屁理屈をつけてのグリーン電力制度などと言うもので、問題を隠蔽し、きれいな電力を買い叩く仕組みを温存することは社会をより混迷した状態 に置くだけの犯 罪的な行為である。


(この部分追加) 2006/07/17

揚水発電所の発電原価について

電力中央研究所の丸山真弘氏が1997年3月の公益事業研究に出された「最近の電力卸供給入札について」と言う論文にはモデル電源ごとの発電原価の 上限価格が載っている。この中にピーク対応の電源としてあげられているのが揚水発電で、東京電力が試算したと見られる数字が掲載されている。
 
<2000年運転開始・利用率10 パーセント、今後10年に運転開始する揚水式水力の平均的モデルとされているものの発電原価は33.4円>

となっている。また、関西電力は

<1999年運転開始・利用率70パーセントの火力発電所の加重平均をベース電源として挙げていてこれから換算したピーク対応の電源コストを 31.96円>としている。

と言う事は、今回の小丸川揚水の設備利用率をこれまで運転されている天山・大平のふたつと同等と考えると一番高い年でも3%」以下であり、利用率 10%の3分の1以下である。つまり、単純計算で3倍以上で発電原価は1kWhは 100円を超えるものとなるのだ。



上記の電力企業のHPのファイル http://www1.kyuden.co.jp/effort_water_kansen_kansen0  には電源のベストミックスを挙げているが、これに関しては次のファイル http://trust.watsystems.net/mirai-s.html  をご覧いただければ別の方策もあるということがお分かりになると思う。ここにもあげてあるが、分散型電源それも太陽光発電の系統にこえる価値を高評価して いる人もいる。

 元・大阪ガスの研究所の理事だった山藤泰氏、が飯田哲也氏主催の環境政策研究所・ISEPのメルマガに投稿されたものです。

太陽電池の高い経済性

関西学院大学大学院総合政策研究科 客員教授/ISEP理事  山藤 泰
 
 ロッキーマウンテン研 究所を率いるエモリー・ロビンスが、彼の編著である 「Small is Profitable」という質量ともに大きな著作で、省エネルギーやデマンドサイド・マネジメントも含めた分散型エネルギー源には、207の経済的、社 会的メリットがあると主張している。その中で、一般に高い高いと言われている太陽電池が、これを系統の一部に組み込んで経済計算すると、非常な経済性を発 揮するという論を、具体例を示しながら説明しているので、若干紹介してみたい。

 太陽電池は、日中の ピーク時に発電するので、電力会社の高いピーク対応発電設備の容量を引き下げることができるというメリットは当然入っている。しかし、この外に、これが系 統に繋がっている場合、発電所からこの太陽電池設備までの送配電システムの負荷がその容量分だけ下がるために、その間の送電ロスを抑制できる。もしこの系 統の負荷が容量一杯に近くなっているとすれば、容量を増やすための設備投資を削減する、あるいは、繰り延べすることができ、電力会社はその資本コストを引 き下げることができる。また、系統の電流が下がるために、変圧器の温度が下がり、それだけ変圧器の効率が上がることになり、回避できる電力損失の量はさら に大きくなるとする。発電所からこの太陽電池までの距離が離れていればいるほど、この損失削減効果は大きくなる。

また、面白い指摘もしている。太陽 電池はインバーターを経由して系統に接続されている。このインバーターに、系統に流れている無効電力を打ち消すような作動をさせることができるそうだ。無 効電力を供給しても、電気メーターは回らないために、発電費用はかかるのに料金として請求できない電力会社は、無効電力の比率を下げるよう努力し、投資し ているが、インバーターによる無効電力削減が普及すれば、この投資を抑制することができるし、収入増加要因にもなる。

このようなメリットには、電力会社 の収益性を高める効果につながるものが多く、太陽光発電の普及に電力会社が補助金を出してもいいのではないかと思うようになっている。


【追記】

この小丸川揚水のプロジェクトに関しては、これは確証の取れない 情報だが、宮崎県ではなく長崎県の自民党の国会議員が絡んで裏で利権で動いていたと言う話が聞こえてきている。

何故そうなるかは簡単なお話である。つまり、裏金が動くからですな。大体、こうした公共事業のバックマージン10〜20%はゼネコンから政治家に流れる。 こんなもん領収書は無いからね。証明なんて出来やしないよ。それこそ、ピ-ナッツがいくつと言う類の話だからね。(全く、この連中は金や利権の臭いがすれ ば何処にでも現れる。公金を使った買収システムだけではなく、こうした根幹システムも美味しいのだ)

で、家庭用の太陽光発電にはそういうおいしい話などはついてこないのだ。だから、政治家諸氏は分散型の小型電源には一生懸命にならないのだ。分かるで しょ。実に利権とは程遠い話だからね・・・。

一方、ばら撒き福祉関係の予算を取るのは結構受けが良いので、票になると言うことで市民派はそうした福祉関係に特化してこれも補助金をふんだくる方に廻る 人が多い。ま、使い方としてはゴミを作るよりはましに見えるが、実は、この大部分が病院の建物になったりしてるだけだったりもするので、これも不良資産化 する可能性が大きい。

(これもやるなら自分の金でやって欲しい。無理だろうな〜。これで胸にバッチを着けて喜んでいる老人が結構多いのだ。下手すりゃ、この手の親父のほうが よっぽど食わせ物だったりする。こうしたパターナリズム=父権主義はこの国特有のものらしい・・)

しかし、どっちも消費にしか金が廻っていかないのだ。これじゃ、誰が消費するかだけの問題なんだな。先行きは暗い。で、若者に残されるのはいずれも 不良資産化したゴミだけとなるのだろう。これに怒りを感じない若者たちに私は呆れてしまっている。その父母の世代があの団塊の世代、つまり、安保闘争を 闘った世代 だと言うのだから実に、この国には希望と言うものが無い。

確かに安保を戦ったのは一部の人間だったのだろう。ただ、それを普遍化して世代の問題、日本の戦後史の問題として解決できなかったのが問題なのだ。

本当は、真の意味の生産財に設備投資をするべきなのだが・・・。消費しか見えない社会の仲に育つと人間が馬鹿になる。まあ、馬鹿に育てられれば馬鹿が再生 産されるだけだろう。(ううっ、悲しすぎる・・・)

だからと言って、同質の馬鹿になるのも阿呆くさいので、せめて、何故こうなったのかどうしたら良いのかだけは考えておく事にしようね。それが、人間として の責任であるからさ。自分に嘘は付けないからね。