以下は、昨年(1996年)暮れから、スウエーデンに留学中の飯田さんから頂いた最新情報です。彼等、スウエーデンの人々の意思はその険しくともほのかに見える明るい希望の未来への道筋を我々に示していると思います。

1997/02/08 ng-nd@mx.biwa.or.jp

スウェーデン原発閉鎖合意!



 スウェーデンは、ここ数年原発閉鎖問題で揺れていたが、2月3日に『原発閉鎖』の方向に大きく近づく合意がなされた。少数単独与党である社会民主党が、野党のうち、中央党(60年代からのごりごりの反原発党)と、左党(旧共産党)の2党と、デンマーク対岸にあるバルセベック原発2基のうち1基を1998年7月に閉鎖し、もう1基を2001年7月に閉鎖することに合意したのである。スウェーデン産業大臣も『責任のある、良い合意だ』と歓迎のコメントを発表している。

 もともと1980年の国民投票を受けて、総電力の半分をまかなっている12基の原発を2010年までに全て閉鎖するという国会決定があり、チェルノブイリ事故後にさらにそれを加速させるべく、2基の原発を2000年までに閉鎖するという政策があった。しかし、実際に閉鎖時期が近づくと、代替エネルギーや費用、雇用といった問題で産業界や労働組合から閉鎖政策の見直しの声が大きくなり、原発閉鎖問題はあらためて大きく政治問題化していた。

 この合意に対してABBなど産業界は批判しているが、市民の受けとめ方は概ね好意的に見える。ある新聞は、奥にバルセベック原発、手前に風力発電という象徴的な写真を掲げ、この合意を歓迎していた。

 原発閉鎖に関しては与党社会民主党内も割れており、この夏に予定される法案化まではまだ長い道のりだ。しかし、現実によって理念が虚構化される日本と違って、理念に現実を近づけようと努力するこうした姿勢こそが、政治に対するスウェーデン市民の信頼の根元なのであろう。


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飯田 哲也(いいだ てつなり/ IIDA, Tetsunari
Lund Univ./ Dept. of Environmental & Energy System Studies
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