太陽光発電から派生する電力の市場価値について、気になっていたので、考えてみた。
電力料金に関して九州電力のHPを見てみた。
http://www.kyuden.co.jp/rate_mein-menu_4_6
10年前から太陽光発電を設置して環境負荷の無い電力を生産している私のとこ
ろへ支払われている余剰電力(実に失礼な言い方だ。これは、正しくは社会的ピーク対応電源なのだけど)の買い取り価格は、現在、21円ほどである。(今は
もっと下げられている・・・)これは巨大電力企業による既得権の乱用
と言っても言い過ぎではないと思う。
さて、当時無かった電力メニューで新たに太陽光発電を設置する人たちが契約するものにオール電化住宅向けの契約がある。
・デイタイム 10時から17時まで(殆ど太陽光発電の稼働時間)
1Kwhが
夏季 31.5円 その他季 25.7円
・リビングタイム 8時から10時までと17時から22時まで(家庭での電力消費のピークである)
1Kwh 19.5円
・ナイトタイム 上記以外の時間帯
1Kwh
6.60円
このオール電化住宅の場合の電力の買い取り価格は私たちには明らかにされていないが、
約
25円で買い取られる。(東京電力の場合)
これはどういう考え方の基づくものだろうか?
基本的には電力企業は損をすることはしない。理由は営利企業だから・・・。さて、その電力企業が全ての彼らの発電設備で生産される電力の発電原価より遥か
に高い価格で売っているのがデイタイムでの価格である。私はこの電力料金によって買い取られるべきであると考えている。それは、電力企業にとってその価格
で買い取っても経営的に成り立つからだ。
その根拠は、夏季の料金にある。夏季料金を31.5円と設定したのは出来ればその時間帯の電力を売りたく無いからだ。ならば、その時間帯の電力をそれと相
応の価格で買い取るられても短期的には電力企業にとってはデメリットは無いということになる。それと彼らは太陽光発電業者からそれ以下の価格で買い取って
いることになる。(よくまあ、これほど汚いことが出来るのものだと呆れてしまうけどね)
1Kwhが
夏季 31.5円 その他季 25.7円
これはそれぞれの発電所の発電原価が幾らであるかということとは関係なく、現時点において電力企業が太陽光発電から供給される電力がまぎれもなく価値ある
ものだと認めていることの証左である。下記のグラフをご覧頂けば、そのことは容易に納得出来るだろう。因みに太陽光発電で供給される電力は自家消費分を含
めて考えられるべきものである。左のものは太陽光発電の出力特性である。
二つを見比べて欲しい。出力特性のグラフから見られるカーブは業務用と住宅用の冷房用に使われている電力の部分を足し合わせたもののそれもそのピークに合
致していることが良く分る。このピークこそが日本の電力供給のアキレス腱なのだ。
※系統に繋がれた太陽光発電設備は、それは自家消費をしている分を含めて社会全体の
ピーク電力対応電源となっている。それが個人住宅であっても、学校の屋根
にあっても、また、牛小屋であろうが、何処にあっても系統につながっているものは社会全体の電力供給のインフラストラクチャーとなっている。
確かに太陽光発電と言うものは夜間電力を生まない。天候によって出力が変動するなどの問題を抱えてはいる。だが、このグラフから考えるにそれは社会のピー
ク供給を支えているのは事実だし、100万キロワットのピーク発電設備の価値は今後、ますます重要になるだろう。
これから見えてくるのは、ピーク対応の電源としては何のリスクも負わずに電力企業は手に入れることが出来たということだ。さらに言うならば、その電力の供
給者は夜に
なれば彼らの優良顧客となるのだ。こんな美味しい話はちょっと他に無いだろう。情報が十分に開示されていないので、こうした不公正に関して、この国では太
陽光発電の設置者から異論は出ていない。
このことは電力企業が不安定な電源であるから太陽光発電と環境価値を電力に委譲しない場合は風力発電と同等の3円でしか買わないとしているその主張を自ら
崩していることになる。もし、この100万キロワットが無かったらどうなってしまうのか、考えてもらいたい。電力企業はそれに対応する電源を用意しなけれ
ばならないし、その負担は全ての電力消費者に請求書として廻ってきていたのだ。
ならば、、全ての太陽光発電からの電力は適正な価格で電力企業によって購入されるべきだろう。それを、電力企業が設置するべきものを代替し、しかも、設置
者が経済的
な損失を蒙りながら電力の販売を強制されるこうした不公正は正されるべきであろう。
この買い取り価格はこの契約以外の他の全ての太陽光発電事業者にも適用されるべき価格なのだ。つまり、普通契約で1Kwhあたり20円以下で販売させられ
ている人たちを含めてそれは当然のことだと思う。しかも、発電量の全量がその対象とされるべき数字である。
因みに大方の方々から好意的評価がなされている滋賀県の余剰電力へのKwh当たりの上乗せ支援については、成果評価という有るべき形の萌芽は見られるもの
の、これは上記のピークカット効果に関しての電力企業の社会的責任を問わない
ことを、個別の太陽光発電事業者が認識する機会を奪うもので、それを公正さと公平さを担保すべき公金で行ったことの犯罪性もここで指摘しておかれねばなら
ないだろう。この買い取り価格上乗せ分に関しては正しく、電力企業に請求されるべき価格であると断言しておく。一般県民の側に立つべきパブリックサーバン
ト=行政が買い叩く側の論理を振りかざすことのおかしさに気が付くべきである。
私たちは、断じて余った電気を買ってもらっているのではない。それは環境負荷の無い電力を社会に供給することで未来に対して責任を負うべきものとして当然
のことをなしているのであり、そのことを正当に評価することを求める権利もあるのだと思う。
これは個別の市民共同発電所だけに関わらず個人及び大規模及び公的機関において設置された全ての太陽光発電設備によって生産された電力の全てに関わること
であり、これについては、皆さんのご意見を伺えればと思う。
※ 既存の電力企業はエネルギー関連産業のうちでエネルギー転換産業であり、
エネルギー生産は一切行っていない。彼らの事業は核物質の持っているエネルギーと化石燃料資源にある低エントロピーのエネルギーの何パーセントかを電力エ
ネルギーに
変換し電力消費者に供給しているのみである。
此れに対して、自然エネルギー事業者は新規に人間の文明圏に太陽からのエネルギーフローを導入する未来を拓く
事業者であることも付言しておく。
以下、PVネットのグリーン電力証書に関しての私見です。
未だ、社会から正当な経済的な評価を得ていない太陽光発電による電力に関して、太陽光発電システム所有者グループの太陽光発電ネットワーク(PV−
Net)
が、この4月から自家消費分を対象に電力証書化し企業などのその権利を売買する制度をスタートさせるという。これは既に風力発電の分野で東京電力の子会社
の日本自然エネルギー開発(株) がこうした取り組みを行っているモノとほぼ同様の考え方に基づいている。
さて、今回は、この仕組みのついて考えてみる。
既に政府の新エネルギー促進法ではRPSというもので太陽光発電設置者の環境価値のうち売電分に関しては買い取られている。(ことになっているが、この買
い取りに同意していない人たちは居る。かく言う私もその一人)
この環境価値とはCO2非排出の経済的な価値だ。これを守らない場合は経済的なペナルティーが掛かる。京都議定書の発効に伴って数値での実績
をカウントするという実効性が問われる状況にやっとなったということだ。
ただ、この法律の問題は自家消費分が評価されていないと言う問題があった。当然、それは自家消費されていてもCO2を減らしていることは確か
だからだ。
で、このCO2非排出権=環境価値というものを市場で売り買いすることが出来るものとして経済的な効率を上げようというのがRPS法の考え方
だ。
これはその価値をコスト積み上げで計算したものではない。官僚がその目標値を決め、そして、そうしたコストのかかることをやりたくない企業が市場でそれを
購入すればその義務を果たしたとみなそうというのである。
さて、では誰がその義務を果たさねばならないのか・・・。当然、それで経済的な営利行為を行うものであるのは確かだろう。そして、費用は、それは転嫁され
最終的にはその利用者に掛かる。今の商品経済の原則から言えば当然のことである。メリットを受ける人間がその責任を負うべきものであるし、その原因者が負
担すべきものだ。
で、この費用は誰に支払われるべきものであるのか・・・。
私は、環境負荷の無い電力生産者に正しく支払われるべきものだと思う。
ただ、それがどういう風に自然エネルギー事業者に移転されるかだ。これは権利を買う側から見れば安いに越したことない。だから、今回のRPS法は、購入者
=既存の電力事業者の権益が最初に考慮されていた仕組みといって良いだろう。
何故なら環境価値の購入に関しては余剰分のみに限ったのかは既得権を持つ電企業の権益を最大限侵さない仕組みとされるようになっていたからに
他ならない。
これはコスト面で高いものを買い叩く為には必要であったからだ。全量買い取りとしなかった理由は、全量買い取りとするとその設備自体を電力事業のインフラ
として認識させてしまう理論的な枠組みを認めることになるからだ。さらに、うがった見方をするなら、そう認めることは、自然エネルギーに関しての総括原価
方式の適用を設置者の側から言い出す口実を与えることになってしま
うからだ。
それと、従来の考え方=人間の側の都合=設備所有権でその派生電力の権利を考えるとこういう結論が出るのだった。
しかし、そもそもこれはそうした枠組みで考えられるべき問題ではなかったのだ。つまり人間同士の関係では解決できない人間と地球との関係を考慮すべき問題
=此れまでの経済学の範疇を超える問題=経済外部効果を内部化すると言うことだったのだから・・・。
つまり、本来、既存の電力事業者が負担すべき費用を他のものに負担させ、それを買い叩く為の方便であったのだ。そのRPS法という歪んだ妥協の産物の枠組
みをそのまま認めて市場で価格付けがされるようにしてしまうなら、それは既存の電力と同じ側に立つということになる惧れすらあるということだけは言ってお
かねばならないだろう。
また、その証書価格に関しては年度毎に保証されるべきものである。そうでなければ、後からの参入者が経済的に見て得をするという不公平を補正することは出
来ないからだ。
つまり、相手の言うがままに考えるなということ。本来、正しくあるべき姿にあわせるにはどうすべきかを考えるべきなのだ。以下にその原則を提示する。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.年度毎の発電原価はそのローン費用を含めた20年で完済される総費用から計算される
1.太陽光発電に関してはその発電原価以下になるまでは買い取り価格は一般消費者の平均電力料金とする
1.発電原価が、それ以下に下がった年度からの契約者に関しては買い取り価格は順次下げられる。若しくは電力の不安定化要因たる変動を吸収する装置の設置
を義務付ける
また、この発電原価との差額分の補填は地方自治体単位で支払われる地方政府行の年10%のマイナス金利地域限定金券によって支払いをする事とする。設備の
環境価値分はこの支援を受けるにあたって地方政府に権利は移行させ、それを中央政府との資金の取り引きに使うこととする。
※ 環境価値の保証措置として認証済みメーターの設置を義務付け、さらに過去において受けた支援措置と同額を地方政府の設置する基金に寄託し新たな支措置
を受けることを条件とするべきである。この支援措置は公的及び私的な企業に拠るものを問うべきではない。
※ 発電開始年度はその設備の設置される電力企業との契約において確認される。
支援を受ける者はそのことを一般に公開し、その発電量が公衆に確認される様に掲示しなければならない。発電メーターの公開及び、その成果の公開を義務付け
る。
電力企業による現行のRPS法による余剰分の買い取り権利に関しては、地方政府から中央政府に移った権利からの買い取りに移行させるものとして、その権利
や価格に関しては中央政府との交渉に任せるものとする。
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てなところが妥当なんではないでしょか?私はきれいな電力生産者がもっとちゃんと自らが生産している電力の価値を認識すべきだと思いますね。
追記
2002年に米国で出版された「スモール・イズ・プロフィッタブル」という本が最近、邦訳された。ここには、先に述べた太陽光発電設備から社会全体の
受けるメリットについてオンサイトでの負荷平準化効果に加えて系統への負荷平準化効果について、新たな知見が第二部の真ん中辺りに記されている。
それはピーク時に大電力が系統に流れることによって系統の送電線の容量を少なくすることが出来ることと、そこにあるトランスなどへの負荷を下げられるので
機器の劣化を遅らせうると言う点にある。これは今まで殆ど無視されてきたメリットだ。と言うか、電力の側が知ってるにも拘らず、自分らの利益になら
ないと言うことであえて今まで言わなかったと言う点です。
電力企業に言い分では、送電系統は発電設備と比べれば遥かに長期に亘って利用することが可能だと言うことで、此れまでその価値が正当に価格に反映される試
算はなされていなかったと言って良いでしょう。
しかし、この言い分に関して詳細に検討するなら、新規に消費設備を立地する場合には彼らはそのコストを消費側に請求する事は無いが、新規の発
電設備を立地する場合にはその系統における負荷を超えるなどと言う点を言い立て、風力発電設備などの導入にはかなりの難色を示している。
しかし、負荷変動は、供給側も需要側も変わることには同じである。ですからそれは言いがかりと考えていい。厳密にはその系統の費用負担は個
別発電所からの供給と系統経路の費用負担から基本的には算出されるべきだろうと思う。
電力企業の託送に関しては、殆ど同額とされましたが、これは距離によって支払われるべきものだと思う。若しくは、半分が距離で残りを定額プールとすべ
きではないでしょうか。
2006/04/04
【参考】 NEDO資料から
http://www.nedo.go.jp/nedata/14fy/01/g/0001g006.htm
太陽光発電システムの発電コスト算出法
〈前提条件〉
太陽電池の耐用年数を20年とする。
金利は6%とする。なお、電力価格の上昇による金利の補正(実質化)は行わない。
修繕・保守費は年当たり建設費総額の1%とする。
用地費、人件費、一般管理費、公租公課は無とする。
発電規模P(kW)の場合
[発電コスト](円/kWh)
=([年間装置費](円/年)+[年間修繕・保守費](円/年))÷[年間発電量](kWh/年)
=(8.719×[建設費総数]÷100+[建設費総数]÷100)÷(1051.2×P)
=[建設費総数]÷(10815.9×P)(円/kWh)
@ [年間装置費]:[建設費総数]を耐用年数で定額償却するための年間費用(円/年)
=n×[建設費総数]÷100 (耐用年数=20年、金利=6%の場合、n=8.719)
A [年間修繕・保守費]:年間のシステム修繕・保守費(円/年)
=a×[建設費総数]÷100 (aは修繕費・保守率=1%)
B [年間発電量]:発電規模PkWシステムの年間発電量(kWh/年)
=365(日/年)×24(時間/日)×P(kW)×[システム利用率](=12%)
=8760×12×P÷100
=1051.2×P
上式は、 [発電コスト](円/kWh)=[総建設費](万円/kW)÷[発電コスト換算係数]
と整理することができる。システム利用率を12%、償却年数を20年とした場合の発電コスト換算係数は、以下の表のようになる。
発電コスト換算係数 |
金
利(%) |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
修
繕・保守費率(%/年) |
1 |
1.607 |
1.477 |
1.361 |
1.258 |
1.165 |
1.082 |
0.2 |
1.831 |
1.664 |
1.519 |
1.391 |
1.278 |
1.179 |
0 |
1.897 |
1.719 |
1.564 |
1.429 |
1.31 |
1.206 |
(例1:1kW当たりの総建設費が100万円の場合)
@ 金利6%、修繕・保守費率1%/年とすると、発電コストは:100÷1.082=92円/kWh
A 金利4%、修繕・保守費率0%/年とすると、発電コストは:100÷1.429=70円/kWh
(例2:1kW当たりの総建設費が30万円の場合)
@ 金利6%、修繕・保守費率1%/年とすると、発電コストは:30÷1.082=28円/kWh
A 金利4%、修繕・保守費率0%/年とすると、発電コストは:30÷1.429=21円/kWh
出典:太陽光発電技術開発に関する中間評価
ニューサンシャイン計画における太陽光発電技術開発の今後の進め方,
産業技術審議会 エネルギー・環境技術開発部会評価委員会,平成8年7月30日
産業技術審議会 エネルギー・環境技術開発部会太陽エネルギー分科会,平成9年3月17日
著作権者:新エネルギー・産業技術総合開発機構
さて、下記の図を見ていただこう。NEF(新エネ財団=家庭用太陽光発電
のばら撒き補助金の窓口)のHPにある年度別の設備価格の推移である。勿論、補助金があったときのものなので幾らか高めに価格は推移している。この価格に
補正を掛けてみると大体、若干の誤差はあるものの太字で記した数字(筆者の計算による数字を加えた)になるのだが妥当なところだろう。(基礎数値は独自の
長期に亘る業者・メーカーなどからの調査に拠る)
下に上記のNEDOの原価計算式で年度ごとの発電原価を示した。(数字の単位は円/Kwhである)
支援スキーム
|
2
分の1補助
|
3
分の1補助
|
定
額制
|
|
年
度
|
1994
|
1995
|
1996
|
1997
|
1998
|
1999
|
2000
|
2001
|
2002
|
2003
|
2004 |
|
金利6%修繕・保守費率1%
/年
|
166
|
120
|
110
|
97
|
83
|
83
|
73
|
64
|
55
|
50
|
46
|
円/kwh
|
金
利4%修繕・保守費率0%/年
|
125
|
90
|
83
|
73
|
69
|
62
|
55
|
48
|
41
|
38
|
34
|
円
/kwh |
金利1%修繕・保守費率0%
/年
|
94
|
68
|
63
|
55
|
52
|
47
|
42
|
36
|
31
|
28
|
26
|
円/kwh |
設備費用
|
180
|
130
|
120
|
105
|
100
|
90
|
80
|
70
|
60
|
55
|
50
|
万円/kw |
生産される電力の全てに対して、ここに示されている発電原価が20年間支払われるなら、既設の人も新規に設置しようとする人も公平な負担で太陽光発電を設
置したことになる。(但し、設置時補助金の返還を前提)
- 所謂、FIT(フィード・イン・タリフ)といわれる固定価格買い取り制度である。ヨーロッパではこれが支援方式として主流になってきている。
1995年ごろにドイツのアーヘンという地方都市で始まった支援策を下敷きにしているのでアーヘンモデルとも言われる。
最も高いのは初年度設置で発電原価は166円である。半額の補助金を受けていても個人負担分だけで83円/KWh〜63円/Kwhの電力が昨年や一昨年の
設置者と同額の18円〜25円程度で地域独占企業の電力会社に買い取られるのだから不公平この上ない支援制度であったと言える。
最も負担を公平にするには、一度受給した補助金を全額返還し、上記の発電原価を設置年度から計算したものを発電量に応じて現時点から20年間保証するとい
うのが妥当な方法だろうと思う。そうすれば補助金の不正受給も消える。表には出てきていない補助金適正化法を破ったことも免責されていいだろう。ただ、こ
の支援を受けないで一
過性の設置時補助金で構わないと言う人がいる場合は敢えてこの支援制度を選択されなくても其れは個人の選択なので其れでいいと思う。
ただ、補助金を不正に沢山貰っている人も不正をしていない人も同じというのでは可笑しいし、また電力企業などからの助成を受けているという者もあるのでそ
の不公
正を正す必要性もある。同じ環境負荷の無い電力を生み出しているのに負担が違うというのは公費を使ってするべきことではないだろう。
公平を期するために、この支援を受ける場合は、時間帯別契約で行うこととし、電力企業との売電価格の差額分を地域限定の金券で支給することとしたい。支払
いは年末締めで次年度に行う。この支援措置に掛かる費用は年度末に補正予算として計上し、次年度にその分だけ減額予算を組むこととする。2年目からは概算
が確定しているので予算化していくこととする。
ここで生産された電力の分の環境価値はこの支援制度を受ける場合は、地方政府へ移転されるものとする。自治体はその環境価値分に応じて中央政府所管の財源
から補填を受けるものとする。名付けて「環境地方交付税」勿論、それ以上の価格で環境価値を買う企業があれば販売することは可能だが、その分だけ中央政府
からの財源は減額されるものとするべきだろう。
さて、如何にも高いと思われるだろうけど、実は設置者の住む地域にとっては実に大きな経済浮揚効果を生み出すことになるだろう。つまり、原発などが安いと
いわれるのだけど、其れに対して私たちが支払う電気料金は自分たちの地域に無い電力企業に支払うので自分たちの地域から富が流失することになるのだが、一
度、太陽光発電に設備投資されるなら、そこから生み出される電力への支払いは逆に地域から富の流失が起こさないで済ませることになるのだ。
- 具体的な例を挙げると私が住む宮崎県域から九州電力という企業に支払う電力料金は最低でも1300億円という殆ど県の自主財源に匹敵するお金
が流失しているので、もし、これが上記の制度によって地域内へ支払われ地域内を循環するお金となれば地域経済に貢献することになるという事は中学生でも分
かる理屈である。