太陽光発電の発電原価・試算(1996年版)
(立命舘大学教授・濱川圭弘教授)に11月宮崎で伺った話しから纏めました。
太陽光発電に一体どれぐらい光が当るのかな?
一年は 24時間×365日=8760時間/年 である。
では実際、太陽光発電に使える明るさの有る時間は24時間のうちどの位か?
昼間の時間 曇り、天気
1/2 × 1/3 = 6/1 って所かな。
では、どの位の日照時間があるのか?(場所によって違うけれど)
1100〜1200 〜1460時間(太陽光発電所・西条の実績値)
東京・大阪 西条
1/8 1/6 という事が分かっている。
(上記の時間は太陽電池の出力のもっとも良い条件に換算した日照時間)
では、どれぐらい実際に発電出来るか。
@ 1Wの太陽電池がある。→(実勢価格 ?)600円と言われている。
@ 1年で1460時間×1W→20年働くとすれば 29200W時 =29KW時
CELL価格 600円 600円 (1W当りの太陽電池価格)
BOSコスト 600円 300円 (機器設置等の費用)
−−−−−− −−−−−
1200円 900円
という事は、
1200/29(30KW時)=40円/キロワット時
900/同上 =30円/キロワット時
が、発電原価という事になる。で、現状では
3KWのシステム 300万円 (現状実勢価格はこのあたり?)
1KW 100万円
1W → 1000円 だから、35円/kW時ぐらいかな。
上記のコスト計算は現状の太陽電池や日照条件が最も良い条件で試算したものです。
実績値を上記と同じ計算式で計算して見ます。
(宮崎県国富町の「ひむか2号」くん、4.98kWシステムのデータから)
5500kW時(発電開始から1年間の総発電量) 1ワット当り 1.1kW時(年)
20年働くとする 1ワット 22kW時(20年)
システム価格は補助金開始の初年度で、総額900万円(自己負担450万円)
この価格は3年たって現在、実勢価格で500万円以下とみられる。
500万円 / 5kW = 1ワット 1000円
1000円 / 22kW時(20年)= 45.45円
45円ちょっと。これが現状での太陽光発電の発電原価である。これを22円から25円ほどで電力会社に供給するということをしている。(電力会社は太陽光発電を普及、推進するために販売額と同額で購入するとしている。)
これを全額、自己負担で作れというのは無理がある。さらに、借金をしてまで作れとは到底、謂えない。(だって、これをつけないからといって困ることはないのだから。設置しようが、しまいが100ボルト60ヘルツの電気はあったり前に使えるのだ!)
これが、半額になれば良い訳である。つまり、5kWのシステムでこの半額、250万円の負担で設置者は損をしない価格に成るということである。1kWあたり50万円が普及の鍵となる。(但し、新築住宅の場合は屋根工事費と屋根材の分、負担が少なくなるので1kWあたり、70万円ほどでも良いかもしれない)
ところで、電力会社はCO2の排出量が少ないから、原発は環境にやさしい発電方法と宣伝しているがこれには、問題点があるとのことであった。以下は太陽光発電の地球温暖化問題に対する貢献度を数値化して、原子力発電所と比較したもの。
CO2排出量 (注、PV=Photo Volatik つまり 太陽電池の事)
PV 5.3 グラムC/KWhr (55と言われていたが、この数字は古い!)
原子力 7.8 グラムC/KWhr
であって地球温暖化問題では太陽光発電の方が貢献できるというのが結論。
文責 ng-nd@mx.biwa.or.jp
1997/01/30 インターネット上に公開
上記の文中、以下の点に(指摘をうけましたので)注意
◯日照時間の定義は確か1C当たり3mW以上の日射があったときを足しあわせていま
すので、1460時間ずっと1W出るとは限りません。もう少し少なくなると思います。
しかも、必ずしも比例関係ではありません。
◯PV=Photo Volatik -> PV=Photovoltaic、太陽電池のこと->(正確には、光起電力
、つまり)光を当てると電力を発生すること
1997/02/01 最終修正