きっと、それ
はこの国で無かったら素晴らしいことだと賞賛されただろう。
佐賀県鎮西町。そこは佐賀県のその向こうに対馬、韓国へとつながる玄界灘に面した東松浦半島の小さな町で、ここには現在、40Kw,150Kw、
1980Kwの3つの発電風車が建っている。
一番初めに出来たのは町で電設業を営む原野順二氏が立てた出力150Kwのデンマーク製風力発電機だ。これは本人が一切補助金なども受けずに中古市
場で探し出し個人輸入し自分の農地に独力で建設したもので一昨年の6月から運転を始めた。費用は2000万円以下である。Kw当りの単価は13万円ほどと
な
る。これは、数年前の公共事業で出来ていた風車の10分の1の価格である。
http://www.watsystems.net/%7Etrust/saga/harano1.html
http://www.watsystems.net/%7Etrust/saga/harano-ugoken1.1.html
そして二つ目は隣町にある玄海原子力発電所の対岸、鎮西町串の半島の突端に建った1980Kwの超大型風車だ。これは今年になって福岡市の石油販売会社
が
町内に鎮西風力発電と言う会社を作って運転を開始した。総工費
は四億八千万円。NEDOからの補助金を受けている。確か3分の1ほどである。Kw当りの単価は約25万円だ。建設を請け負った企業は旧NKK現在の
JFEである。
http://db.saga-s.co.jp/opendb/2003/09/14/128_07.html
http://db.saga-s.co.jp/opendb/2004/01/22/102_05.html
(JFEはつい最近、何処かのゴミ処理焼却施設の建設に当って不明朗な資金の使い方をしたことが報道された)
そして、波戸岬にある県の波戸岬少年自然の家(と言っても鉄筋コンクリートでできたそれはそれはそれは立派な建物だ。(こうした建築物が出来る時には必
ず、裏金が動くと言う。その金額はほぼ総予算の5〜10%である。これが所謂、政治資金とるのだとこうした事情に詳しい方から聞いた事がある。この施設の
稼働率がどれほどのもの
かは調べていないが民間の宿泊施設と比べれば遥かに低くこれが民間企業であれば完璧に赤字であることは間違いないだろう・・・)
http://www.pref.saga.jp/kurashi_anzen/sumai/eizen/shujigyou/kaihin2.html
に設置された40Kwほどのちいさな風車でこれと同じ予算で4Kwほどの太陽光発電設備も設置されている。(これは県予算では六千八百八十万円が組まれて
いた)
http://db.saga-s.co.jp/opendb/2003/02/20/118_07.html
さて、先日この3つ目の施設を見てきた。この日は日曜日で利用者は居なかった。立派な建物のうちの奥にある宿泊棟の前のターゲットバードゴルフコートの
さらに奥に
建ってる。現在、出力50Kwクラスのものは殆ど作られていない。どうも特別注文品らしい。で、見てみると設置業者は酉島製作所である。酉島製作所のHP
には同じものが載っている。
http://www.torishima.co.jp/sei_new_twe40_100m.html
4Kwの太陽光発電設備は家庭用のものなら現在300円万以下で設置できるものは常識である。と言うことで考えるとこの立派な教育用の風力発電設備の価格
は6000
万円以上もした事になるね。何と1Kw当り単価は150万円である。幾らこれが学習用の設備とはいえ、とんでもなくお高い設備である。これは税金で建設さ
れたものだ。これも当然。酉島製作所が元受工事事業者である。
さて、鎮西町の話はここまでにしといてその隣接町での始まった風力発電の話もしておこう。
九州電力の玄海原発のある玄海町が第三セクターで大型の風力発電事
業に取り組み始めた。
http://db.saga-s.co.jp/opendb/2004/02/02/128_07.html
ここも見てきた。その予定地は玄海原子力発電所の南東に位置する農地を含む一帯である。ここはその昔、玄海原発の工事に伴う土砂を捨てる
ために大きなよう壁を築き、谷だったところを埋め立てたて出来た土地だそうで、今はかなり広い水田となっている。その海岸端に近いところに玄海ウィンド
ファームは建設される。実に風況は良い。おそらく原野氏の風車の建っている場所と比べれば平均で1M/sec は高いだろう。因みに風力発電は風力が
4M/sec以上で1M/sec増すだけで
発電量はほぼ倍になると言う。
で、この第三セクターで町と組む企業が
酉島製作所で
ある。日本でも有数のポンプメーカーである。酉島製作所は、県が先の記した鎮西の波戸岬少年自然の家の
事業を決定した頃の県知事をしていた井本勇氏が顧問となっている企業である。酉島製作所は、その財務報告書から見ると農業排水事業、水利事業など公共事業
が半分以上を占めている。佐賀県とは関係の深
い企業である。
http://www.torishima.co.jp/ir/h16_3_ha_h.pdf
肥前町の事業は第三セクターと民間事業者(日本風力開発)単独が行うものの二つ。
で、ネットで検索、調べてみて判ったのだがこの日本風力開発
には特別利害関係者等
・大株主として酉島製作所の名前が入ってた。 ここから見えてくるのは何なのか・・・。
全部が繋がっていたと言うこと。
さて、上にお名前が出てきた井
本前佐賀県知事はかつて県庁内部ではどう呼ばれていたのか・・・。「おやじ」である。ここに日本独特のパターナリズムの影を見ることが出来る。井本氏は現
在、県庁の目と鼻の先にある富国生命ビルの2Fにある酉島製作所の佐賀営業所の一角にある顧問室に居られる。
数年後には肥前町のものを含めてこの東松浦半島の西側には風車が林立することになる。結構、見た目は壮観だろう。あたかも自然エネルギー利用が進んでいる
ように見
えることだろう。それは三重県の青山高原と同じだ。三重の場合は狭い地域に風車が林立していて景観はよろしとは思えない様になってしまった。
しかし、それは風力発電の本家
デンマークの様に地域住民が所有するものでもなく、それによって地域が自立すると内発的な発展を支えるものとなる言うものでもないようだ。ここでは一つを
除いて・・・。
風力発電で原発は不要に出来るか?
それで原発がすぐさま不必要と
なる訳ではない。なかなか難しい問題である。玄海原発は1号機2号機
55万9千kW、3号機4号機
118万Kw。合わせて350万Kwという途方も無く巨大な発電容量と同等の風力発電を設置しようとするなら設備利用率10%ほどの風力発電の場合、
2Mwの風車でも18000本も設置しないと
いけないのだわ。(この計算あってるかな?)それも風任せだ・・・。
目先の自分たちの利益のみを考え
るとそうなるのだろうが、だから原発と言うのは実に他力本願
な安易な考え方だと思う。合併問題でも原発からの交付金で潤っている(これを私は原発援助交際と言っている。玄海町はその基金を他の町村と一緒に使うよう
になるのは嫌だとして今回は合併から離脱している。
面白いことにこの町は、今後、原発関係の交付金(援助交際費)が減ると困るとして人口を増やすために町に
新たに住んだ場合は金をくれると言う施策をつい最近、打ち出した。
http://db.saga-s.co.jp/opendb/2004/03/11/005_01.html
新たに町にやってきて家を建てる人に100万円をくれると言う。さらに家族の数によって金額が上乗せさえれるようになっている。その理由は人口に応じて配
分される電源三法交付金を沢山貰う為である。(原発援助交際は地方自治体の心を腐らせ痴呆寄生体とする)
原子力は勿論、この地域の電力需要を満たすためではなく福
岡の都市圏と北部九州の大工業地帯と全九州のベース電源として機能している。で
も、この東松浦地域だけの電力需要を賄うというならそんな巨大な発電所は必要では無いだろう。せいぜいこの辺りの人口は大きなところで唐津市の8万人弱、
近々誕生す
る東松浦郡の合併で誕生する新市でも全部あわせても20万人は居ない。唐津市の全電力需要は212,407Mwh
なのだけどもそれでも風車だけだと1000本ぐらいは必要だろうな。ただ、太陽光発電なども入れればその本数は半分以下に出来るだろう。使う量が減れば
もっと少なくて
済む。バイオマスガスを利用した燃料電池発電も使い将来に可能になるだろう。
さらに雇用の面から見てみると、この発電所に関わる人が4000人ほどいる。この4000人で面倒を見られる風車はどれほどかというと、ほぼ2倍の電力生
産が可能な発電設備を維持することが出来ることになる。それが地域にもたらす経済効果は大きい。
何にしろ安い化石燃料を疑いも持たずに安易に使っていて、それが当たり前だと、皆さん思っている。本来は使いすぎているエネルギー=電力の量を減らすこと
がまず第一にせねば
ならないことだと思う。しかし、それが実に問題があって悪いことだとは誰も思っていない。
ではどうやって減らすのか・・・。今の経済システムでは幾ら使ってもそれで経済的に利益が得られるならそれは使うことが正しいと判断されるようになってい
る。使わなければ使わないほど、若しくは環境負荷の無い電力を供給すれば供給するほど儲かるように制度をデザインしなおせばそうした設備容量は増える
だろ
うが、そんなことに賛成するものはほんの一部の人だけだろう。
さて、あの原野氏の風車に話を戻そう。
小さな故障はあるものの、何しろ、本人が何でも自分で直し
てしまうのだ。で、順調に稼動しているようだ。これが商社
などに頼んでター
ンキー方式でやっていたならとっくの昔に大赤字をこいているだろうけどね。彼は今まで自らが培ってきた技術などを地域の為に使いたい人たちに公開し獲得し
自立をしてもらえればと佐賀県を中心に自然エネルギーに取り組む人たちと自然エネルギー実践ネットワークと言うNPOを設立し地道な活
動を続けている。 http://www.wopack.com/~alen/
先に北海道の函館で第三セク
ターが予想より遥かに少ない発電量しか得られず赤字になって破綻している。これを10分の一ぐらいの価格で買い叩いて買い取られ北海道電力のものとなるの
だろうか・・・。
その原野風車の立っている農地は春、今は菜の花、大根の花が美しい。
【付録】
最近、メッキが剥がれてきちゃった古川康・佐賀県知事に関して
それは県議会のプルサーマル議論で明らかになった。国がやることだから、私 は関知しないと言うような議会答弁と
知事会見。さらに、踏
み込んで共同通信のインタビューにこう答えている。
>
九州電力(福岡市)が、佐賀県玄海町の玄海原子力発電所での実施を検討してい
>
るプルサーマル計画について、同県の古川康知事は22日までに共同通信のインタ
>
ビューに応じ「核燃料サイクル自体は必要だ。高速増殖炉が難しい以上、次善の策
>
のプルサーマルは国策として理解できる部分はある」と述べ、プルサーマル計画そ
>
のものには一定の理解を示した。
>
ただ九電側は報道機関に対し早期に地元に正式な申し入れをしたいとの意向を表
>
明しながらも、地元自治体に明確な方針をまだ示していない。このため、古川知事
>
は「社内では可能性の高いものとして議論されているのかもしれないが、発言は影
>
響を考えて慎重であるべきだ」と、九電側の対応を批判。「これまで地元自治体や
>
住民と(九電が)良好な関係を維持しており、ある意味模範的と思っているだけに
> 残念」と述べた。
ん〜〜〜、これでは天下り官選知事だな。彼は当選後のインタビューに答えて目指すは仕事の先輩でもあった鳥取県の片山氏の名を挙げていたんだが・・・。
それと、同じ原発のある県の知事としては福島県の佐藤栄佐久知事がプルサーマルに関してはその経済性も議論されるべきだと敢えて国策に疑義を出しているの
とは対照的である。
(年齢的には全国一若いけど、前の知事そっくりになってきてますわ。
由緒正しき後継者になっておられる。口は巧くてパフォーマンスは一流なところが前知事とは違うという評判もあるけど・・・)
さて、1年前の佐賀県知事選を振り返ってみよう・・・。何とあの5人もの候補者が乱立した知事選挙である。
一番初めに手を上げたのは、農水省出身の樋口氏 。 暫く、 井本前知事は出るかどうかは明らかにせず、
その後、出るかどうかの判断を先のばしした井本氏はぎりぎりになって後継らしき人間をなんとなく指名した。
前長崎県総務部長、古川氏である。ただ、彼は現長崎県知事関係自民党系の建設業者のとの癒着事件でマスコミに叩かれるのを阻止できなかった前歴があって、
古巣の
総務省に戻っても先は無いことが確定していた。何しろお遣えしていた上司を守れなかったのだから・・・。
で、
こいつならコントロールが利くと考えられたのであろうか・・・。さらに本人は元から地元に貢献したいとの思いがあったらしいので、渡りに船となったのだろ
う。しかし、これは後に古川政権のアキレス腱となる。いや、既に絵は描かれていたと見るべきなのだろう。
さて、どうやって樋口氏が潰されたか・・・。
農協の票を割るため、県議会議長の宮原氏が担がれ、
県の行政系の票を割るために元教育長が・・・、
鹿島高校出身者の票を割るために大学教授の木下氏が・・、
組合関係の票は福島氏が・・・、(この方、共産党系だから論外か)
木下氏の出馬に関しては国会議員の保利耕輔氏の秘書が動いたと言う、木下は東京から唐津につれてこられ、その時、県議会議員も動いている。
古川氏の選挙運動に九電が組織的に動いたことは容易に想像がつく。何しろ、父君は九電の幹部だった人だ。地盤は唐津方面。合併に関して、唐松地区で外れた
のはあの原発援助交際で潤っている玄海町。金はやらなくても暫くは大丈夫。むしろ、一緒にするよりは分けておいた方が良いかも・・・。九電にとっては小さ
いほうが御しやすい。むしろ合併なんてして欲しくは無かっただろう。そんなことになったらばら撒く金が幾らあっても足りないから・・・。
古川氏に問われているのは、そうした旧体制からの脱却である。そうした考え方との決別である。それが歴史を拓くことになるのだが・・・。
■
前世代が作った仕組みで出来ちゃった不良債権が明らかになった佐賀商工共済問題
人の良い理事長にだけに責任を押し付けて、本当の悪人たちは逃げちゃった。不良債権を作った当時の理事長は元建設省官僚の
現参議院議員の陣内孝雄氏である。交代は元・佐賀県知
事の井本氏が仲介をしている。本当に可哀想なのは被害者と自分の会社まで潰れてしまった元県議会議長の水田氏だ。(この人本当に悪人面してないよな〜)
で、現知事古川氏は県の調査では、過去の県関係者は責任無しとしてしまった。調査報告では前知事・井本氏の名前も出たと言うのに・・・。そりゃ、無いだろ
う・・・。知ってたんだから・・・。話は前知事まで行ってたんだ。でも、
蓋をしてしまおうとしている。県の調査ではその当時の人たちに責任無しとの調査結果を出している。ただ、被害者には申し訳ないので自分の給与を半分にする
という。
【参考:
知事会見】
そりゃ〜
違うだろう。それは責任を取ることでもなんでもないぞ!古川君。理屈に合わん。むしろ道義に悖る行為だろう。君の給料を半分にしたからって何も解決しな
い。君のやるべき仕事はその経緯
を明らかにすることだ。それが県民の付託に応えるという事なんだ。君の仕事は、過去の清算だ。事実を県民に明らかにすることではないか。それが行政府の長
たる特別公務員である県知事のお仕事なんだわ。
こういうのを臭いものに蓋をすると言うのだろうか・・・。確かに井本氏の書いた筋書き通りで進んでいる。井本氏の姿は古川氏の後ろ隠れて見えない、知事の
ままなら追及されただろうが・・・。実に見事である。
ここまで読んでいたなら大したものである。古川氏は何としてでも井本氏を表に出さない様にしなければならないのだから・・・・。いや、大変だね〜。同情申
し上げよう。
こりゃ、期待出来そうにないね。(そもそも期待するのがいけないのでしたね。自分らで自立を目指してやるのが自然エネルギーなんだから・・。でも、邪魔だ
け
はし
て欲しくないよね〜)
2004/04/24
で、その原野さんが新たに自宅近くに自然エネルギーを勉強するためにと合宿も出来るようにと土地を
購入しようとした。用地の地目は畑地。地権者とは既に合意済み。そして、所有権の移転をしようと町に申請をしたところ、町が県へ申請を出したものの4ヶ月
もその返答が無いこ
とが判明したので、問い合わせをしたところ、先に建設した風車の件で地元了解を得ていない問題があるのでその申請を許可できないとしていることが判った。
(実は原野氏は、住民票を隣の唐津市に移転していたので、所有権の移転に関しては県の許可が要るということになってしまっていた。この住民票の移転が無け
れば町だけの許可で良かったので、この問題は起こらなかったのですよ)
そこで、原野氏は下記のメールを古川知事に送った。
さが県知事 古川康 様
NPO
自然エネルギー実践ネットワーク代表・原野順二と言います。
日本では珍しいと言われる大型風車を個人で
鎮西町に建設し自然エネルギーを社会に広げる運動を県内外の有志の方々と進めています。
さて、今日、メールを差し上げたのは、私が
鎮西町に購入しようとしている農地の件についてその決済が下りないことに関してです。
経緯を下記に記します。
3月29日13時40分に鎮西町役場内の農業
委員会福吉様より電話がありました。
昨年12月に申請しました別件の農地の売買の
県庁決済が降りない理由について菖蒲風力発電施設の件に問題があり許可できない旨の説明があり私と農業委員会.県庁流通経済化で協議したいとの事でした。
それに関しての添付ファイルでご覧いただける
ファックスをいただきました。
ご注目いただきたいのは
ファイルの2項目めにまた隣接地権者の同意
が------法的に不要であると記してあるところです。
この件に関しては、私共は他の法律の書籍にも
同意書必要なしの記述を確認しています。
以上から法的には何ら問題は無いものと認識し
ております。
しかし、地元の方々にも自然エネルギーのこと
をご理解を頂きたいと思い、私としては当資料の指導に従いお忙しいなかの増本県議に後見人を御願いし地元の集会の時に再三出席させて頂き御理解を求めるべ
く努力いたしました。
しかしながら同意を得ることは出来ませんでし
た。
今後、同意及び承諾書の取得については不可能
と感じました。なぜならば菖蒲地区集会参加のとき言葉の暴力及び身の危険を感じました。また、その言葉の端々に暗に金銭の要求されているかのようにも感じ
られました。
この事により他の農地の売買にストップをかけ
ることは私としては理不尽だと思っております。また、こうした行為は公務員の職権乱用及び職務怠慢のふしがあるのではないかと思います。
お忙しい事とは存じますが、お調べ頂き宜し
く処置されるようお願いいたしたく存じます。
※文中ファックスがあったと書かれているものはこの件が明らかになる前の風車の建設に関してのやり取りで、今回のものではない。実物は
ここに。このファックスは県庁と鎮西町役場の当時の助役との間で交わされたやり取りのメモであ
る。この助役氏は県からの出向で鎮西町の助役を務めていた方だ。既に町長が先の選挙で交代したこともあり県へ戻っている。後日、原野氏が当時の町長と会っ
て話されたところ、「このファックスにある件に関しての報告は全く受けていなかった、もし、当時知っていればちゃんと対処した」と語ったと言う。
さて、佐賀県知事・古川氏から原野氏への返信があった。
原野さん、こんにちは。
佐賀県知事の古川 康です。
メールありがとうございます。返事が遅れて申し訳ありません。
先ず、原野さんが設置している風力発電施設に係る件については、地球
温暖化防止・クリーンエネルギーの推進の観点からは、私もたいへん有意義なものであると考えます。また、設置されている土地も小面積であり、周辺農地に及
ぼす影響も大きくはないと思われます。
しかしながら、現行の農振法及び農地法では、たとえどんなに小さな面
積であったとしても農地を農地以外のものに転用する場合は、所要の手続きが必要となっています。
これらの手続については、直接的には、鎮西町及び町農業委員会等の指
導のもとに、土地改良事業が投資された土地であれば、土地改良区との協議が必要ですし、転用による周辺地権者とのトラブルを未然に防止するため、隣接地権
者の同意等を得られた上で、町が県の現地機関である唐津農林事務所に対して事前調整を行い、手続が開始されることとなっています。
原野さんのメールでは、隣接地権者の同意が得られず手続が進まないよ
うですが、これだけ小さな面積で、一般的には周辺農地に何ら影響を及ぼすとは考えにくい施設なのに同意が得られないのがなぜなのか、事後承諾か何かが起因
しているのか、私にはよくわからないのですが、いずれにしても地元とのトラブルは望ましい状態ではないので、十分話し合っていただきたいと思います。
次に他の農地の所有権移転にストップをかけている件についてですが、
風力発電施設が設置されている農地は、現行法では、違反転用が継続した状況にあり、農地法第3条第2項第2号によれば、農地の権利を取得しようとする者
は、その取得後において、耕作の事業に供すべき農地等のすべてについて耕作の事業を行うと認められない場合は法第3条の許可(農地の所有権移転等)をする
ことはできないとされているためです。
従いまして、前述の風力発電施設の設置されている農地(約60u)の
農地転用等の手続の見込み(農振法に基づく農用地区域からの除外について農林事務所から町への事前調整の回答)もしくは、風力発電施設の農業的利用の確認
(農業用施設として転用…農振法に基づく町の用途区分の変更処理可能なため農地転用許可は自己所有地内の200u未満は許可不要)が出来れば農地法第3条
の許可も可能となるものと思われます。
いずれにしても、現地の実状に精通している、唐津農林事務所、鎮西
町、鎮西町農業委員会、原野さん、必要があれば地元関係者交え、協議を行っていただき、出来るだけ早く問題解決を図っていただければと思っています。
県木楠木の瑞々しい緑が映え、すっかり春もなかばを過ぎました。
どうぞお身体ご自愛ください。
実に県民との対話を重視している姿勢が見える丁寧な返事である。こういうところは
彼は実にマメです。
ここで知事は農地の転用手続きが必要だと思われているようだ。が、実は
先のファックスで明らかな
ように、既に原野氏の風車の件では3年前に転用手続きそのものが法的には不要とされていてのです。ですから、早急に他の農地の所有権移転は行われなければ
ならないもので
しょう。
つまり、行政の長としてすぐさま、為すべきことは此れまでの経緯を明らかにして、そ
の
責任をどう取らせるかである。他にするべきことはないでしょう。勿論、しないからと言って別に道義的責任を感じて自分の給料を半額にする必要も無いという
ことも書き添えておきますね。
これを看過することは行政府の長としての知事に課せられた使命を放棄することに等しいと思う。
先に記した東松浦半島の風力発電に関する様々な問題についても認識して、
そうした過去との訣別が出来るかどうか・・・。また、自然エネルギーに関する認識を深め、地域の資源を生かし、どう地域の自給力を高めて自立した社会を作
るかですね。
で、最近の原野さんの周辺事情は本人からのメールによれば、
地元とのトラブルについて県の方で懸念されているようですが
鎮西町に出向中の助役が県に帰ってからぴたりとやみ
逆に風車について地元の各面々よりご相談を受ける次第です
本日も農作業中に二人で見学にみえられました。
長く話し込まれるのでこちらの方が迷惑を受けています。
とのことです。
2004/
04/26
今日は何の日か・・・。 忘れない為に記しておきます。
18年前の今日、ウクライナの豊饒の大地を核汚染させて人の食べ物をまともに作れないようにしてしまった旧ソ連の
チェルノーヴィリ原子力発電所の事故が起きた日で、あれから18年、既に人々の
脳裏から
は忘れ去ろうとしていますが、被害はいまだに続いています。あの時に生まれた子供たちは既に18歳です。
また、原発が動いている限り、何処かで事故がおきないという確証は無い。事故がおきるまで確かに安全だろうけど・・・。そして、日本では経済的にも合わな
いし、それを既存の原発で行えばさらにリスクの大きくなる使用済み核燃料の再処理とプルサーマルを行おうとしている。六ヶ所村の再処理工場はウラン試験寸
前で、これが実施されると施設全体が核汚染されるので巨大な核ゴミが出来ちゃいます。
その日に九州電力が玄海原発でのプルサーマル実施に向けた動きを明らかにした。
九電、玄海原発でのプルサーマル実施を28日に決定
*九州電力 <9508> は26日、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル
計画について、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で実施する方針を、28日の取締役会で正式決定すると発表した。同日中にも佐賀県と玄海町に方針を伝え、
地元説明会の開催を申し入れる。早ければ2008年度の計画実施を目指している。 (時事通信)
[4
月26日20時10分更新]
2004/04/28
プルサーマル実施申し入れ 九電、佐賀県と玄海町に
九州電力は28日、取締役会で
決定した佐賀県玄海町の玄海原発3号機(加圧水型、118万キロワット)でのプルサーマル計画実施について、松尾新吾社長が佐賀県の古川康知事を、松本茂
彦副社長が玄海町の寺田司町長をそれぞれ訪問し、地元議会や住民へ説明したいと申し入れた。実施時期は2010年度までをめど、としている。
これに対し古川知事は「県民の
関心は高く、丁寧な説明と透明度の高い議論を求めたい。国が進めている政策なので、国からも説明を受けたい」と話した。
松尾社長は記者会見で、同原発
3号機でプルサーマル計画を実施する主な理由として(1)装てん可能な燃料が48体と九電保有の原子炉では最も多く、一度により多くのプルトニウム・ウラ
ン混合酸化物(MOX)燃料を利用できる(2)プルサーマル実施に必要なMOX燃料の検査スペースが十分ある−−などを挙げた。(共同通信)
[4月28日18時16分更新]
おそらく、此れに関して地元、玄海町は受け入れを受諾するでしょう。また本来は県民の安全を守るべき知事もその責任を国に転嫁し、自らの判断を停止し佐賀
県知事の古川君も受け入れをいずれ表明するでしょう。それは先に、共同通信のインタ
ビューに答えた内容でも想像がつきます。ま、保守系の方々は基本的には既得権をさらに拡大することしか考えていない方々なので・・・。いくら表面的に若さ
やITなどでアピールをしても本質的なところが変わっていないことはだんだんと分かってきています。
しかし、それは本当に県民にとって、また未来を担う若い世代にとって良い選択だろうかと問うならば、そうではないという答えしか出てこないように思えま
す古川氏は最近太っておられる。そのお顔はだんだんと先の知事に似てきているね〜。口の悪い友人が若い古川と言う着ぐるみ着た井本さんの亡霊が県庁にいる
ようだと評しておりました。
で、地元は金さえ貰えるなら幾らでもOKなんですから・・・。そうしたのは誰なのか・・・。買収したものと買収されたものとどちらが悪いのか・・・。それ
も死に掛けの病人がその薬があれば助かるという状況のなかにいるような・・・。で、この病人を病気にしたのは誰なのか・・・。
2004/05/06
で、こんなん知事に出しました。 (個人宛なので若干失礼な表現ありですかね)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
古川さん
「太陽光・風力発電トラスト」運営委員・中川です。
それでもプルサーマルやりますか?恥かきますよ。 それと、申し訳ないですけど、いろいろ調べたものをウェッブに上げました。
http://www.watsystems.net/~trust/saga/harano-ugoken2.html
お名前が出てきてしまったのは実に残念ですね。
これまでの流れの最後の知事として汚名を残すか、時代が変わることを確かにした知事として名を残すか・・・。
選択をするのは貴職です。見させていただきましょう。
さて、プルサーマル関連記事です。
商業紙一番の中では一番まともな記者の多い毎日新聞が書いてましたね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20040505k0000m040128000c.html
核燃料サイクル:見直し、全量再
処理を転換 原子力委
国の原子力委員会(近藤駿介委員長)は、国策として進めてきた核燃料サイクル政策の見直し作業を始めた。原子力発電所から出る使用済み核燃料は全量再処
理する、としてきたが、原子力政策の基本を定めた原子力開発利用長期計画の改定の中で、再処理せずに地中に埋める直接処分や中間貯蔵の位置づけについて検
討する。再処理で得られたプルトニウムを利用する高速増殖炉開発の停滞や、再処理事業にかかる膨大なコストなどにより行き詰まった政策を、柔軟路線に転換
する。
核燃料サイクルは石油などの資源に乏しい日本の国策として、原子力開発の初期から推進されてきた。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムやウランを取
り出し、高速増殖炉や既存の原発(軽水炉)の燃料として再利用する。計画に基づき、電力業界は青森県六ケ所村に06年7月の操業を目指し、再処理工場を建
設している。
しかし、プルトニウム利用の柱とされる高速増殖炉原型炉「もんじゅ」は95年にナトリウム漏れ事故を起こし、今も運転は停止している。現状では、軽水炉
でプルトニウムを燃やす「プルサーマル」しか残されていない。さらに、六ケ所村の再処理工場でも水漏れトラブルが起き、操業は遅れるとみられている。
一方、電気事業連合会は、再処理工場操業から廃止までの再処理関連の総事業費を試算。1月に18兆8000億円と公表された。このうち8兆円はどこが負
担するのかが決まっていない。電力自由化で競争が激化している電力業界では、再処理事業にかかる費用が経営を圧迫するとの懸念が高まっている。
このため、原子力委員会は巨額な負担を強いる核燃料サイクル政策を進めるには、国民的な合意が必要と判断した。使用済み核燃料を再処理せずに直接、地中
に埋める方法の費用を算出し、全量を再処理した場合と比較、検討する。直接処分を選択肢として盛り込むかどうかについては委員の意見が分かれている。再処
理実施の是非は先送りして、長期的に保管する中間貯蔵施設建設の案も議論される見通しだ。
また、六ケ所村の再処理工場に続く第2再処理工場の建設については、白紙に戻すことが検討される可能性が高い。
原子力委員会は長期計画など国の原子力政策の基本方針を決める機関。内閣府に設置されており委員は5人。長期計画は56年に初めて策定され、ほぼ5年に
1度見直されている。原子力委員会は6月に策定会議を発足させて本格的な論議に入り、来年夏ごろまでに改定案をまとめる。【足立旬子】
核燃料サイクル
軽水炉から出た使用済み核燃料を再処理して、プルトニウムやウランを取り出し、高速増殖炉や軽水炉でエネルギーとして再利用するシステム。高速増殖炉は
発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出すとされるが、実用化には至っていない。プルトニウムとウランの混合燃料を軽水炉で使うプルサーマルは独
仏などで実績があり、日本でも電力各社が実施計画を進めている。
<解説>電力業界も全量再処理に対し慎重
国の原子力委員会が核燃料サイクル政策を見直す柔軟路線の検討を始めた。電力業界にも使用済み核燃料の全量再処理に対して慎重意見があり、サイクル政策
からの段階的な転換の第一歩になる可能性が高い。
00年11月に策定された現行の原子力開発利用長期計画(長計)で、核燃料サイクルは「再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用していくこ
とを基本とすることは適切」とうたわれている。資源の少ない日本の国策として、核燃料サイクルを推進する姿勢が堅持されてきた。
しかし、世界の高速増殖炉開発は相次ぐトラブルにより停滞した。プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)の製造や再処理で発生する高レベル放
射性廃棄物の処理などを含めた核燃料サイクル全体の事業費は巨額になることが明確化し、他のエネルギー源に比べた競争力にも疑問が出てきた。安全性と経済
性の両面で、核燃料サイクル政策の是非が問われる状況になった。
海外では、フランスが再処理路線を維持する一方、米国は直接処分を選択している。ドイツは脱原発路線を歩んでいる。
電力会社は再処理に備えて、使用済み核燃料を各原発の施設内に保管しているが、保管量は限界に近づいている。全量再処理をするのか、直接処分を容認する
のかの路線決定は差し迫った課題であり、来年の長計改定に盛り込む必要がある。
全量再処理と直接処分のコストを公開し、論議することは画期的で、「聖域」と言われた核燃料サイクルを根本から問い直す体制がようやくできたと言える。
原発のトラブル隠しの頻発などにより、原子力政策に対する国民の目はかつてなく厳しい。6月にも発足する長計の策定会議には、サイクル路線の慎重派も含
め、多彩なメンバーがそろう見通しだ。論議の進展次第では、全量再処理の見直しだけではなく、より踏み込んだ転換が図られる可能性もある。【足立旬子】
毎日新聞 2004年5月5日 3時00分
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しかし、国策自体は既にもんじゅの事故で破綻してたんだから・・・。余りに遅いよね。判断が・・・。
2004/05/08
プルサーマルに関しては自民党の河野太郎氏が「再処理工場の稼動はやめるべきだ」と述べている。(この人、自民党内では出て行けと再々言われているらし
い・・)つい最近も朝日新聞に投稿していた。で、その自民党の甘利明議員が同じ欄で核燃料サイクル推進論を書いている。
読んでみて、ちょっと呆れた。以下がそれである。
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私の視点 ◆原子力政策 核燃料サイクルは必要 衆議院議員(自民党)甘利明
我が党の河野太郎議員が再処理を合めた核燃料サイクル政策について、「負担の重い再
処理はやめるべきだ」と主振している(4月15日付一私の視点」)。だが、その多くは事実誤認に基づくものでエネルギー政策をミスードする危険がある。誤
解を正し、原子力政策への正確な埋解に供したい。
原子力発電所の便用済み燃料の成分のうち、処分すべき本当の廃棄物は全体の5%以下
であって、残りは再剰用出来るウランやプルトニウムである。資源のない日本は原子力開発当初からこれを再利用することを方針としてきた。これは資源の有効
活用に加えて、処分する廃棄物の放射能量を滅らすという観点からも合理的な方法である。
この廃棄物の分別処理・リサイクル利用にかかる費用は原子力発電全休の原価を大きく
変えるものではない。使用済み核燃料の再処理から放射性廃葉物処分、廃炉までの費用は国のコスト等検討委員会の見積もりで18兆8干憶円とされるが、この
うち10兆円は制度上の手当でができている。
残りの9兆日は今後80年間にわたる費用で、国民負担として換算すると1世帯あたり
月数十円程度の電気代に相当する。それによって達成されるエネルギーの長期安定供給や処分する放射能量を10分の1にするというメリットを考えれば、この
額は納得できると言える。
今後、電力各社はプルトニウム利用(プルサーマル計画)を16〜18基の原発で予定
している。1基で年間、プルトニウムを0.3〜0.4トン消費したとすると、今の在庫量は数年でで処理できる量であり、以降、六ケ所再処理工場(青森県)
でのプルトニウムの生産量と消費量はほぼ均衝する。
フランス、ロシアは引き続きブルトニウム利用に積極的な姿勢を見せているし、米国も
使用済み燃料処埋の研究開発を推進する姿勢に変わつてきている。欧州でもスイスのように国民投票で原子力をむしろ肯定的にとらえたり、フィンランドのよう
に新たに原子力発電所を建設したりする国も出始めている。
中国は旺盛な需裏の伸ぴに対応するため、今後も原発を増設する計画を持ち、サイクル
路線を推進している。世界的にも原子力やサイクルの必要性が改めて認識されてきている。
六ケ所村の再処理工場は、すでに約組95%が完成している。その建設工事費は河野議
員の指摘の通り、当初1兆円以内の見通しであったが、建設長期化による費用増、さらには三沢基地の隣接による航空機落下対策などのため、2兆l400億円
となってしまった。しかし、原子力関係の費用がいつも予算を大幅に上回るということではない。
世界的に地球温暖化対策が至上命題だ。クリーシエネルギーと言われる天然ガスにしで
も二参加炭素の排出量は石油の3割減にしかならない。風力や太陽光発電は他のエネルギーよりコストが高く天気だのみという不安定性がある。その点、原子力
は発電における二酸化炭素排出はゼロであり、電力供給の安定性は群を抜いている。
掘れぱ直ちに使える天然資源を、我々は持たない。エネルギー開発には長い時間を要す
る。中国をはじめとするァジ7諸国の経済成長は同時にエネルギー資源の争奪戦を意味する。何の資源も持たない日本にとって廃棄物のリサイクル利用は大いな
る英知である。
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どうも事実誤認が多い。再処理をすれば廃棄物が減るように書かれているが、実はそうではないことは専門家の間では常識である。国民一世帯あたり数十円とい
うが、今後80年間で幾らになるのか試算してみると1世帯でも50円なら年間600円で4800円である。で、総額にすると9兆円なのだろうけど
ね・・・。これは途中で起こる事故などの費用は含まれていない。
費用の面で工場の建設費が増えたことに関して認めているものの、原子力関係の費用がいつも予算を大幅に上回るということではないなどと事実無根の、いや、
此れまでの事実に反する彼の希望的観測でもってその事実を否定している。
また、自然エネルギーは価格が高いと述べているが、ここ数年で価格が例えば、太陽光発電で3分の1に低下した事実も、風力発電が条件さえ良ければ火力発電
以下に下がっていると言うことも触れていない。此れに掛けてきた費用は原子力開発に掛けた費用の何分の一だろうかね?同じぐらい自然エネルギー開発に金を
掛けたら原子力なんかよりもコスト競争力は強くなるかもね。既に国民の善意を補助金で買い叩いて真っ当なコストを掛けないで育てた太陽光発電産業は世界で
もNO.1になってますからね。
さらに、核の問題では最も重要な安全性に関しての記述は何処にも無いのである。特にプルサーマルに関しては燃料の核分裂反応による劣化で破損に至る可能性
がより大きくなる。また、出力を調整する制御棒の効きが悪くなるとか、出力の挙動が過敏であるとか此れまでより安全面でのマージンが下がることが指摘され
ている。また事故が起きた場合、1.5倍の影響が出るとも指摘されている。
再処理工場の問題として既にイギリスのカンブリア地方で稼動している工場の近郊では、排出された核物質による環境汚染の為に子供たちの白血病が有意に増加
していることが報告されている。こうしたコストも当然計算に入れるべきだろうし、さらに効した施設を建設する為にばら撒き補助金をしないといけない分も
ちゃんとコストに入れとか無いとそりゃ正しい数字とは言えないだろうね〜。
是非、これについては佐賀県で試算をして国からふんだくれるものはふんだくって欲しいものだ。それが正しいコストなんだから・・・。何しろ民間の保険が利
かないと言う異常さが原子力産業のかかえる根本的な問題なのだからね。
日本は何の資源も持たないという恐ろしいほどの思い込み。これには呆れる。日本は月の砂漠なんだろうか?太陽の恵みと温帯モンスーン気候の年間1500ミ
リ以上の雨が降り有り余るほど米が出来てしまうし、山には木々がうっそうと生い茂る豊かな国である。それが、他の国へ泥棒に行く連中に尻尾を振り、そうし
たバイオマス資源を利用できていないだけの情けない国である。(中途半端に西欧化しちゃってね。コンクリートの不良資産を都会の真ん中にどんどん作ってま
すよ)だからと言って、自然エネルギーをどんどん今みたいに使いまくっても良いのだというものでも無いのですけどね。
夢のような代替案を提示しておこうか・・・。
- プルサーマルは凍結、原子力開発から撤退、その後始末の為の研究のみを続行
- 原子力開発関係の予算は代替エネルギーと省エネルギー技術へ振り替え
- 既に抽出済みのプルトニウムは米国に無料でプレゼント
さて、この国会議員はどういう方であるかちょっと甘利さんのHPを見てみた。
知財立国で強い日本をつくるニューリーダーだそうである。慶応義塾大学法学部政治学科卒でソニーに居てその後、父
親の地盤を継いだ二世議員である。自民党での役職をみるとなんといろいろやってるわ。主に経済畑ですな。つまり旧通産、今経済産業省系に強いんでしょう。
中でも
・石油資源・エネルギー調査会 顧問 |
・石油資源・エネルギー調査会エネルギー総合政策小委員会 委員長 |
・電源立地等推進調査会 顧問 |
・原子燃料サイクル特別委員会 顧問
ってのが凄い。こりゃ、自分の既得権益が侵されるからここは一つ頑張んなきゃってなことでこの寄稿となったのでしょう。不良資産ばっかり増やし続ける
産業資本権益擁護族議員というのが正しい認識でしょうね〜。こういう事情を知っ
た上で読まないといけないですな。
2004/08/31
大変なニュースだ。上でも紹介した鎮西の風力発電機が燃えた。この風車に冠する記事を・・・。
風力発電設備で火災 プロペラ1枚
が燃えて落下−−鎮西町 /佐賀
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saga/news/20040831ddlk41040402000c.html
30日午後2時半ごろ、鎮西町串
崎の風力発電設備で「プロペラの付け根部分から火が出ている」と近くの住民から通報があった。
呼子署によると、燃えた設備は、
福岡市の企業などが出資する同町の「鎮西ウィンドパワー」が所有。高さ約60メートルのタワーに、長さ約40メートルのプロペラが3枚付いており、出力は
1980キロワット。プロペラの軸部分にあるモーターから出火したとみられ、プロペラ1枚が燃えて落下した。
設備は岬の突端の岩盤上にあり、
台風16号の吹き返しによる強風のため消火作業は難航した。同署で原因や台風との関連を調べている。
【山下託史】毎日新聞 2004年8月31日
3枚
の写真に関して貰っんだけどほかでは勝手に使わんでね。
おうおう、結構、凄いですわ。3枚の羽根のうちの一枚が完璧に燃え落ちている。これは、
国
(NEDO)
の補助金も
九州グリー
ン電力基金の
補助金も入ってるんだぜ。確か、お値段は2億円ほどでしたね。ああ勿体無い。聞くところに拠れば、どうもブレーキ部分から
の出火らしい。で、この風車に関してはここでは、まだ、明らかにしないがある隠された情報がある。いずれ、ここでお知らせすることにしよう。
さて、今回の事故は直接、台風と関係有るかどうかは分からないが、でも、ブレーキの故障によるにしても、台風の強風によるものなら、それは無関係でもな
い。日本の風車と台風に関してちょっと考えてみる。去年の事だが。これは台風で超大型の台風の強風による被害は宮古島で出ていた。風車自体の設計時におけ
る最大耐風速、確か60メートルだったと思うが、それが70メートルを超える最大瞬間風速が観測されていたのだからこれは当然、倒れることだってあるだろ
う。
そもそも、平時においてももっとも風の強いところを探して風車は設置するのだから、台風などでも一番、風を受ける場所だ。で、最近の台風は、どういう訳
か、大型化している。ま、今回の台風は最大風速と言う事から見れば、沖縄のものよりは小さかった。他のどこかで倒れたと言う話も聞いていない。ただ、あの
風を見ると当然、大きなストレスを風車に与えているのは確かだ。平均的に、吹くというものではない。これはヨーロッパの風車とは異なる過酷な条件で動いて
るのだと思う。
だから、駄目と言うものではないだろう。この風車の対岸にあるのが佐賀県玄海町の九州電力の玄海原発である。PWRが4機動いている。ここの1号機はもう
すぐ稼動してから30年を超える。高経年運転に入る。電力企業は「ちゃんと点検し、部品を交換しているから新品同様で大丈夫だ」としているが、美浜原発で
の配管破断事故を見ても、そうは思えない。そもそも、ちょっと専門的になるが、核反応容器本体の脆性遷移温度は確実の上がっていて、ROK事故が起きたと
きにECCSが冷たい水を大量に注ぎ込んだ場合、ぱりんと割れてしまうかもしれないと言う危険性は上がっている。
原発に比べればその事故での被害のリスクは少ない。望まれるのは、この事故の原因を究明し、対策を採ることだ。難しいから止めるのではなく、それだからこ
そ、次へのステップを考えていく事だ。それが技術力の向上に繋がるのだ。(でも、勿体無いな〜)経済性を重視するあまりに、大型化を図っているが、実はプ
ロジェクト単体で考えれば経済的なリスクも上がっていると言う事だろう。
同じ鎮西町にある原野風車は、中古品を自分でメインテナンスしながら、確実に技術力を向上させて稼働率を上げている。この10分の1ほどの規模で掛かった
費用もそれ以下である。大きければ良いと言うものでもない。地域自給という目的で考えるなら、そうしたことのほうが大切な気がする。