今まで風力発電と言うと、小さな風車のようなものしか個人では設置してこなかったが、何と原発のある玄海町の直ぐ隣の鎮西町の方が150KWというかなり大型の風力発電を設置し日本で初めての大型風力発電機を設置し6000Vの高圧系統連携を始めようとしている。何と言っても凄いのは、補助金を一切貰っていないと言う事です。この辺は市民共同発電所と似ているところが有る。理由は、補助金を貰うとなるといろいろ煩いからだって・・・。確かに、補助金ってのは申請時に書式がああたらこうたらとか、いろいろ難癖つけられたり大変ですもんね〜。
それと、補助金でやると甘えが出るからね。出ないならやらないとか・・・。それと、本当に自分のやりたい様に出来ないでしょ?それにNEDOの補助金でやっているところって随分裏があるみたいだし・・・。どうも結託している連中が多すぎる。
で、原野さんは自分で全部輸入したみたい。このノウハウは凄い。自立心がとっても強いですよね。この風力だって金が有って儲かるからって人に任せて建てたんじゃなくて自分で小さいものからブレードを削ってつくってその経験があってやっている。脱帽モンです。
で、怒っているのは佐賀県がこの町に廃棄物の処分場を持ってきている事。(これって、きっと裏金が動いてるんだろうね〜。産廃ってそう言う世界だものね。あ〜やだやだ)地元の、奥さん達が自分たちで産廃反対の立て看板作ってましたよ。(この写真は撮ってこなかった。ご免)
でも、原発・産廃とかでいやなものを押し付けられている中で独立独歩で自立してやっていこうという心意気は気持ち良いですよね。補助金で頭腐っている連中が多い中でこう言う人に会えると元気を貰えた気がします。
それと、ちょっと気がついたんだけど・・・。この近くに波多岬という国定公園になっている風光明媚な場所が有るんだけど、ここに風況調査タワーが立っているんだね。ここは国定公園なんでどうするんだろう?最近は国定公園でも風力機のたったところはあるんだけどね。
今日、見に行ってきたので写真をちょっとだけ公開します。(著作権は僕に有るんょ)
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この人が原野さん ブレードの端っこがエア・ブレーキ
以下が、地元の佐賀新聞に掲載された関連記事(ちょっち不勉強だけどね)
佐賀新聞 2001年10月25日[総合(1面)]有明抄(酒) 風車
この佐賀新聞の記事が書かれてから5年。価格は半分以下に下がったが、爆発的な普及とは程遠い。国の補助金も余ったり、足りなかったり・・。負担の不公平、さらに、補助金の不正受給と様々な問題点が噴出してしまっている。これについては別ファイルで詳しく述べてあるのでそちらをご覧になってください。
上場台地(鎮西町)に電気工事店経営原野順二さんが建てた風力発電用の風車がそびえる。高さは約三十二m。クリーンエネルギーへの関心が強く先進地のドイツなどを見て回り、ついに自分で輸入して仲間と造った。年内に稼働予定だが、建設費は家一軒分かかったそうだ
◆輸入したのはデンマーク製。原発をつくらない方針を決めたデンマーク政府は二〇三〇年には風力発電を総発電量の五割にしようと力を注いでいる。風力発電設備を製造、販売する会社は年間約二千基をつくり、世界の風車の半分を手がけるなど官民挙げて取り組む
◆先ごろ、首都コペンハーゲン市沖の海上で世界最大規模といわれる二十基の風力発電用風車を見た。高さは原野さんのものより二倍も高い六十四m、深さ約二十mの浅瀬に二百m間隔で列をつくり、一基の重さは約二千t 船上から見上げる巨大な三枚の羽根はなかなか壮観であった
◆五月から稼働したがあいにく送電の故障で回転していなかった。陸上より海上が風のエネルギーが強いというのが海上風車が生まれた理由だが、景観上の問題や騒音などの問題もこれでクリアしたようだ。首都の電力必要量の三%(約三万二千軒分)を賄う計画
◆オイル危機を経験してクリーンにつくられるエネルギーを安定供給しようと風力発電の研究が進んだ。設置してしまえば後は費用がかからない。コストは安いとメリットを強調していた
◆日本ではまだ風力発電は微々たる存在だ。この話に担当者は「日本はオイル危機をもう一度体験しないと意識改革はできないのだろう」となかなかの強気であった。風車注文のお得意さんはドイツ、スペイン、米国などだそうだ。(酒)
佐賀新聞 2001年10月21日[社会]個人で日本初、発電用大型風車を建設
東松浦郡鎮西町菖蒲地区に、大型風車が現れた。同町岩野の電気工事店経営・原野順二さん(49)が二年がかりで建設したもので、個人が大型風車を建設したのは日本で初めて。風力発電はクリーンエネルギーとして自治体や企業で導入が進んでいる。「新エネルギー・産業技術総合開発機構」によると、全国で二百六十六基(十kw以上、四月末現在)が稼働しているが、県内では本格的な風力発電は行われていない。
「環境保護とエネルギー発電の問題は切り離せない」という原野さん。十五年ほど前、自身の技術を生かし、自宅近くの谷川で水力発電を始め、小型風力、太陽光発電と自然エネルギー活用に次々に取り組んできた。
風力発電先進地のデンマーク、ドイツを回り、「これからのエネルギーは風力」と確信し、個人輸入。建設費は原野さんの個人負担で、ほぼ家一軒分という。建設作業は仕事が終わった後や週末、ボランティアのメンバーと進めてきた。
風車はデンマーク製で高さ三一・五m、半径十三m、最大発電能力百五十Kw。風速二十五mになるとコンピューター制御で停止する。設置場所の平均風速は五mで一般家庭約十五戸の電力を発電できる。
電線の配線工事を終え、年内には稼働の予定で、風車そばにビニールハウスを作り、室温管理や照明用に活用する。原野さんは「風車で、みんなが環境について考えるきっかけになれば」と話している。(大石)
因みに原野さんは、自宅には既に太陽光発電設備を数年前から設置している。(勿論、系統連携)
(写真:1997/9/7 読売)
それだけではない、自宅近くを流れる渓流に流れ込み式の小水力発電も設置して電気は全て自給していると言うばりばりの自然エネルギー派だ。
1977年の10月にはNHKの朝の番組でも取り上げられ、九州沖縄に放送されている。(この時は、遠くは沖縄からの問い合わせもあったという)
本人は「タービンだけならそう高くないからやりたいなら作って売ってあげる。で、やる人が自分で付帯設備を作ったら良い。そうしたらそんなに高く無いよ」と話していた。「ただ。問題はちゃんとゴミがたまらない様に見てやら無いといけないよ」と話してました。
私思うに、農家は米を作るのに必ず、水廻りをみるし、農業用水を利用して流れ込み式の発電設備を作れば良いんだと思いますね。そしたら、原発火力の電気を使わず農業が出来るんだもの・・・。
さらに、畑や田んぼには堆肥をつくって作物を育てる。さらには畜産廃棄物をちゃんと嫌気発酵させてバイオガス=メタン(天然ガスは大部分がこの成分)を作ってやればエネルギーを他から盗んできてやる産業資本の為の農業から地域で自立した農業に移行できるだろうね。
佐賀新聞 1996年06月16日[社会]県内にも太陽光発電の関心高まる
太陽光を利用した発電システムへの関心が高まっている。県内でも補助事業への応募が増える一方、数百万円単位の設備を自己負担で設置する家庭も出てきた。需要の増加で今後、価格ダウンも予想され、個人住宅への普及が期待されている。
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太陽光発電システムは、屋根に取り付けたシリコンパネルで光を吸収、エネルギーを電気に変換するものでクリーンな新エネルギーとして期待されている。システムの装備価格は出力(?)で違うが、「三kwで三百八十万円」(シャープ)。国は普及促進のため六年度から「住宅用太陽光発電システムモニター」事業向けの助成金を出している。同事業は発電で得られた余剰電力を電力会社に販売する系統システムだけが対象。初年度は全国で応募が千六十六件あり、抽選で五百四十八の住宅
が導入した。七年度は千二十三件(応募五千四百三十二件)が導入とほぼ倍増。県内では六、七年度で計十一件(応募五十一件)がモニターに採用された。三Kw出力のシステムを置いた鎮西町の原野順二さん(44)は得られた余剰電気を九電に売電。「購買電力との収支はとんとんで、投資の回収は数十年かかる。しかし、設備が普及して価格が落ちれば利益を生む可能性もある」と話す。ただ、現状での太陽光発電では蓄電機能がなく天気によって出力に変化が生じる。このため安定的な利用は難しく、当面は「省エネ意識の啓発」が現実的な役割と言えそうだ。.
風車近影(2002・10・10)
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【撮影:j harano 】
日本初の個人風車には蕎麦の花が似合う・・・。そのうち蕎麦打ちをして美味しく頂きましょう。近所の方で、米を天日乾燥している人が居たりもします。また、原野さんの発電水車には実は実は昔ながらの米搗き機がセットで付いてる。
風力発電や太陽光発電・小水力発電という自然エネルギーは実は農業と同じです。どちらも自然の恵みを無理なく人の営みに取り入れることなんですから・・・。近々、菜の花の種も播かれるとか・・・。ここのトラクターもバイオディーゼルで動くと良いですよね。
2002/11/03
原野さんから風車ブランドの芋?掘りのお誘いがありました。で、伺いました。この日は、三連休の中日。周辺の道路は、お隣唐津市では全国的にも有名な秋の大祭「唐津くんち」もあって県外ナンバーの車が一杯でした。
で、着いたのは昼過ぎ、近くで名物のイカ料理を食べてから波戸岬見物、補助金ばら撒きで動く玄海原発の前を通り過ぎて長崎県の高島のモンゴル村にあると言うラガウェイの風車を遠くに見てからいよいよ、本日の主目的の芋ほり作業にに取り掛かりました。
雨も降ったり止んだりの天候で、ちょっと寒かったのですけど、二畝分、お日様の恵みを原野さんを含む4人で掘り出しました。
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で、獲れたのはこんなにも大きな甘薯です。風車の下の芋は大きく育つんでしょうか・・・。風車で出来る電気もこの芋も同じ自然の恵みです。蕎麦は近々、収穫の予定とか・・・、原野さんが、蕎麦打ちの出来る方の参加を求めています。
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